女子にとっての受験事情 | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 男子と女子の受験は違います。男女平等と言う風潮の中、試験制度はほぼ平等ではありますが、女子には出産もあれば、その前の結婚の事情もあります。その点を全く考えないでいい、というのは嘘でしょう。

 

 対して男子はその点、バカ面さげたまま、何も考えないまま受験もするし、人生設計もしがちです。ちょっとくらい浪人したっていいですし、僕みたいに流れ者のような人生でも、勉強したり努力してりゃなんとかなります(笑) 女子だって自由という意味では同様ですが、こと結婚したい、子供が欲しい、となると、男子と同じような人生設計ではいられません。

 

 生物学的、社会学的な要素もあって、ほんとうの意味での平等にはなりようがないと思います。ここは冷静に受け止めていただきたく思います。

 

 大学受験では昨年、女子や多浪生が医学部で冷遇されている事実が暴露されましたが、これは2010年前後からひどくなっていたと思います。90年代まではまだ、女子で高学歴を志す方の数自体も少なく、また、仮に「ひいき」をしていたとしても、ネットもなく、バレにくかったと思います。(どうせやってたとは思いますが)

 

 最近の進学校の女子は、理系志向の方が非常に多いです。薬学や医学を中心に、手に職をつけつつ、社会で自立を目指される方が多いです。男子に比べ、浮ついたところが少なく、高校生になってもしっかりと基礎を固めています。名門女子校は、異常なくらいに中だるみがなく、超がつく優秀層が分厚いです。

 

 僕としては、中だるみの中でいろいろやってみて、遊びもしつつ、勉強のバランスもとっていくのもよい経験になるとは思うのですが(笑)

 

 社会人になっても、非常に優秀で真面目な方が多く、男子にはない目線をもって仕事にあたるので、うまくまわる部分もあるようです。

 生物学的に男子より感情的・情動的になりやすい女性の性質があると思うのですが(だから、サボるときも豪快w)、受験などで左脳を鍛えた女子は、やはりそのあたりのバランスもよく取れている方が多いと感じます。鍛えていない女子とは、特に大きな差になっていると感じます。

 

 そういう意味でも、女子もどんどん理系を志望して(全体の割合としては、欧米などよりもまだまだ少ないです)、数学や物理・化学など、おそらく苦手であろう論理系で苦労してもらった方が良いと思います(鬼)

 一時話題になった、小保方さんも、今ではSTAP現象はあったことが確認されていますし、科学者としてよい着眼点をお持ちの方だったと思います。

 

 

 中学受験では、男子と女子で同じ戦略をとる必要はありません。基本的なカリキュラムは全く同じなのですが、入試(問題)の事情がかなり違います。

 

 女子校を受ける場合は、桜蔭、女子学院(すっかり御三家とは言えないが雙葉も)、フェリス女学院でもない限りは、標準問題をしっかり固める戦略で良いです。

 

 男子校の算数のように長文の読解を要する問題文かつ、複雑な手順と思考を要するものは少ない(まあほぼない)です。

 すっかり人気校となった、豊島岡や吉祥女子でも、基本的にはこの戦略で大丈夫です。塾のカリキュラムをしっかりこなしきることで、対応はしやすいし、標準問題を固めるのは元々の女子の性質にもあっていて、比較的無理をしなくても済みます。

 わざと女子の苦手な立体を出すところも多いですが、まあ、それはそれでパターンは決まっているので、対策はしやすいものです。

 

 僕の実感としては、豊島岡や吉祥女子の問題がもう少し、駒東や麻布のような論述中心のものになった方が、業界全体もレベルがアップするし、女子の学力もゆるぎないものになるし、日本にはプラスではないかな、と思っています。いくつかの女子校では、そういう難しいものを増やそうという傾向も見て取ってはいますが。

 

 豊島岡も、そろそろ連続3日も同じような入試ばかりをするのではなく、日程のどれか1日くらいは問題の質を高めて、よりよい思考の深さを持った生徒を集める段階だとは思います。(もう3日も開催する必要はないはず)

 そうすれば、時代の流れとしても、簡単に桜蔭や女子学院に(進学実績で)勝っていく可能性があると思います。

 

 

 問題は、女子の共学狙いの場合です。これは本当に厳しい戦いになります。

 

 まず、最近の傾向を見てもらうとわかるのですが、渋々、渋幕、広尾、三田国際、明大明治、青山学院など、どこの共学を見ても、女子の方が相当に競争率が高いです。中には、100名近く女子の方が志望者の多い学校もあります。

 当然に、これはこのランクの学校では厳しいものがあります。

 

 大学付属でない共学の場合は、(問題文が)長文の思考問題を男子校のように課してきます。これは東大など国立を出したい進学校なのですから当然のこととも言えます。算数、理科が特に難しいです。

 特に、コンサルでも物凄く女子の志望者が多い(男子はほぼ聞いたことがないw)、渋谷学園渋谷の女子は、桜蔭に受かるレベルの学力でないと厳しいな、と思うのが実情です。

 

 少しランクを下げ、広尾学園や三田国際にしたとしても、ここ数年の急激な伸びで競争率が相当に高くなっています。15名の合格枠に200名、と聞くと、物怖じしてしまうのではないでしょうか。

 

 この二つの学校は、メディア戦略などもあり、前評判の高さで競争率が異常高騰していますが、まだまだ、発展途上の学校であり、結果はまだだせていないことを、僕からは指摘しておこうと思います。(まあそのうち出ると思いますが)

 

 これらの学校では、うちの恩師O先生のような、強引にでも東大を狙わせ、それを生徒の幸せに直結させる情熱があり、しかも憎まれ役もできる「教育バカ」の先生が学年主任でもしない限りは、しばらく進学実績で東大15名医学部70名を超えることはないと思います。

 まだまだおとなしすぎる学校です。良い学校だとは思いますが、正直、やや行き詰っているのではないでしょうか。

 

 それはさておき、女子が受ける場合の問題点は、入試問題の内容にあります。下記は、今年の入試で、あるお母様から頂いた共学校の入試問題の一部です。

 

 

 問題文の内容を踏まえた上で、長文の記述を課すという、大学受験の小論文のような問題です。非常に良くできた問題で、この傾向は今後、いろいろな学校で増えてくることと思います。

 

 自分の意見のようなものを入れるのですが、それが単なる感想になってしまってはいけません。問題文の内容を踏まえる、とは、作者の言いたいことなどを正確にとらえて、そのうえで、それに関連した物事を論述せねばなりません。

 

 これは、男子校の入試ではよくやる対策なのですが、こと女子になると、標準問題を固めているだけの勉強では難しくなります。やはり、桜蔭や学習院女子を想定したような、論述の練習はしておいた方が良いし、そのほうが学力の本格的なところに迫れます。

 

 僕などは、この国立大を想定した記述形式の方が気分的には楽に感じますし、小学校、高校の時も得意でした(というか苦にしてないだけか)。ケアレスミスでちまちま引っかけてくる問題よりは、解いていてやり甲斐もあります。

 ちなみに、関西では女子でも最初から論述想定でやるし、我が母校でも結構な思考問題を課しています。

 

 まず、女子に限らずほとんどの今の子供は、自分の意見を他人に伝えるという経験が圧倒的に少ないです。また、解答に到達するだけの論理力・読解力(何を書いてほしいかなどを読み取る力の意)も鍛えられている子は少ないです。

 

 逆にこのあたりが鍛えらえれば、簡単に上位層に行くことも考えられます。そういうカリキュラムは関東の大手塾にはほぼないですし、小6の麻布特訓などではじめて出てきます。女子は一度も触れずに高3になることもあります。

 それでは、国立大志望では不利になります。東大で女子が2割を超えないというのもこのあたりに一因があるとは思います。

 

 女子には、僕からみて大きく2通りの性向があって、感情的な面や我が強いタイプの子はパワーがある反面、記述や式をコツコツ書くような勉強は避けがちになります。親が言っても、痛い目をみるまではなかなかやってくれません。その痛い目が、入試本番であることもよくあります。

 

 対して、もう一つのタイプ、大人しいタイプの子は、パワー不足や人見知りによる先生への適応遅れ、過度なビビりによるストレス、が問題になることが多いです。

 

 女子の指導のしにくさは、男子のバカガキより(笑)、『我』が強いことが多いことです。先生はおろか、親の言うことすらきかないうちに成績が下がってきて、いつの間にかえらいことになっているパターンは、男子より女子の方が多いと思います。これは大人しいタイプの女子でも同様です。聞いているようで、聞かない、聞けてない子が多いです。

 

 お母様からすれば、男児は異性なので逆に言いたいことは伝わりやすい傾向があるようです。

 

 僕の観測では、女の子に対しては、男親(父親・祖父など)の存在がポイントになりやすく感じます。言うべきこという、のは母親より父親の方がうまく行きやすいようです。

 でも、男親が大きく関わると何故かこれまたよく軋轢を生むので、父親は普段後方に控えておき、母娘が精神的にやばくなったところで颯爽と登場するのがよさそうです(お父さんヒーローだ、笑)

 

 

 ということで、女子で共学を目指す場合は、男子の上位校狙いと同様、思考問題も積極的にやっていきましょう。自分の意見を書くような文章課題を、遊びがてらで良いので、どんどん練習しておきましょう。

 

 また、相当な難関に挑むことになるので、そんな苦労までして本当に共学でなければいけないのか、も考えておくのも良いと思います。

 男子との出会いを気にする場合は、共学でより、女子校に通いつつ予備校で頑張る方が(何を頑張るのかw)、妙な友人間の軋轢もすくなく、平和的になりやすいことも付け加えておきましょう。

 

 ま、高校時代までは、勉強や部活など10代でしかできないことをやっておいた方が、僕は良いと感じます。僕もこっそり高校時代にお付き合いしてた子はいましたが、(相手には悪いですが)受験にとっては足かせにしかなりませんでした。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

スーパーコンサル2019、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)メールをください。

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http://ameblo.jp/jyukuko/entry-12078350127.html
 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

 

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