つぶれてしまう子を考える | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

  さて、どれくらい参考になるかわかりませんが、つぶれそうになる子の特徴をあげてみたいと思います。

①親が子供に意見を言わせていない
②子どもが完ぺき主義で自分を抑えてでも勉強しようとする

 これに関して僕が確実に言えることは次のようなことだけです。


 ある男子生徒がいました。彼は中学受験を親が描く通りに動き、勉強した結果、受験に成功しました。
 彼が受かったのは地域でもバリバリの進学校でした。元来の真面目な性格で、入った当初こそ下位のほうでしたが、成績は年々上昇。ついには学年10位にランクインするまでになりました。

 周りの子よりも確実に劣る、と思った彼がとった行動は「他人よりも単純時間で長く勉強する」という方法です。周りの子が2週間まえからテスト勉強をするならば、彼は3週間前からしました。みんなが寝ている現国や倫理の授業でも真面目に受け、9割を超える点数をとりました。テストが終わった日にも彼は来るべき大学受験のために自習をするようになりました。

 そういう生活をしていますと、たとえば中間考査がおわって1.2週間するともう3週間前となり、ずーーっとテスト勉強をしているような感じになります。彼のストレスは少しずつたまって、身体をむしばんでいきました。

 中3最後の学年末考査、彼はその前のテストで学年4位をとり、ついに次こそは!、と1位を目指して勉強をしていました。学年末は3月ですので、1月から少し多めに時間がとれます。彼はいつになく気合いを入れて臨んでいました。

 ただ、ちょっとしたアクシデントがありました。試験直前にして一生懸命にまとめた英語のプリントをなくしてしまったのです。大慌てで友人にその範囲をコピーしてもらい、そこから猛烈に一層、遅れた分を取り戻そうと勉強に励みました。
 翌朝、彼の胃にはじんじんとした痛みが走っていました。大したことはないと思い、テストを受けに行ったのですが痛みは増すばかり。根性で3教科受け終わったところで痛みはハンパないほどに増し、立っているのもやっとになりました。
 
 その日は昼礼があり、彼はなんとか昼礼のある中庭まで歩いてきたものの、そのまま目の前が真っ白になって倒れてしまいました。友人に担がれ、激しい痛みの中、先生の車で送ってもらう彼の脳裏には「なんだったんだ勉強なんて……」という虚しさにも似た感情が芽生えてきていました。
 
 それ以来、彼が真面目に勉強をする気など起きなくなったのは言うまでもありません。

 この彼の行動の裏には「両親に応えたい」という想いがありました。親はバランスをとってそれなりにケアをしてくれたのかもしれません。過保護でもあったでしょう。でも彼にとってそれは無言のプレッシャーになり、いつの間にか踊らされていました。


 もうお気づきでしょうが、これはの話です。だから確実に言えます。なぜ、真面目なまま突き進んでしまい、その結果身体が壊れてしまったのか。

 それは、「自分ひとり」で勉強をしていると思っていたからです。親に金をだしてもらい、したくてもできない子がいるなかで一流の環境でただ「勉強ができる」という状況に微塵の感謝もありませんでした。それがアタリマエで、競争に勝っていくことに夢中になっていました。

 つぶれる子はみな、「自分ひとり」で戦っていると思っています。そうじゃない、と無理なく気づかせてあげることが一番大きいと僕は思います。

 あ、長くなったので今日はこの辺で。いつも読んでくださってありがとうございます。

 うーん……、解答にならんかな?

 


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