「遠足は東大寺に行きます」

「え?マジで?エエの?」

とかいう会話をしていました。

なんでも、聞いたところによると洛南では遠足で東大寺に行くそうです。

「ライバルやん!」

「そうなんですよ。東大寺学園に行きたいな。」

「いやいや、先生止めるやろ~」

 

洛南は、言わずと知れた弘法大師が創設した真言宗の学校です。

東寺は真言宗の三大聖地のうちの一つで、その敷地内に洛南があります。

昔の名前は、東寺中・高でしたから、ご存知の方も多いでしょう。

ちなみに三大聖地のあと2つというのは、香川県の善通寺と和歌山の金剛峯寺です。

東大寺は、華厳宗の学校です。

中国大乗仏教の宗派のひとつで、杜順(とじゅん)という僧によって7世紀に開基されたそうです。

日本では聖武天皇によって号令され、東大寺が造られました。

よく受験で出てくるのは、東大寺の廬舎那仏、つまり大仏造立の詔でしょうか。

「行基の協力によって、云々かんぬん。」と教えてもらうのではないでしょうか。

現在の東大寺別当は、224世にもなるそうで、歴史を感じますね。

 

いずれの学校も、関西圏においては男子最難関校です。

灘を受験する子が併願で受けることが多いですが、同時に第一志望の生徒もかなり多いです。

洛南女子は関西圏のトップオブトップの子たちが受験をします。

まぎれもなく関西におけるトップ校の内の一つですね。

そんなことを書いていると、あることを思い出しました。

 

昔、当方に灘以外すべて合格した子がいました。

受験は前受けもあわせて、6勝1敗。

しかし、唯一落としたのが灘でした。

進学先は東大寺でした。

そんな彼が最後に言ったのは、

「東大寺から寺を取ったら東大。今度は東大に合格出来るように頑張ります!」と。

大分前にブログで書いたのですが、彼を落としてしまったことがとにかくショックで、2日ほど食事も満足に取れませんでした。

3日目に、ようやくコンビニの一口寿司を食べられたぐらいだったのです。

でも、その後会ったときにそう言った彼の気持ちの強さと前向きな姿勢に、私は多くのことを考えるきっかけになりました。

当事者である彼の方がはるかに辛かっただろうに、と。

 

最難関校というのは、『最難関』と言われるだけの理由があります。

勝負を出来るだけで凄いことではありますが、勝負をするからには、勝たなければなりません。

勝つためにどうすべきか?を考えるのが、私のような仕事をしている人の役目でしょう。

だから「勝つこと」を大前提にして、そのためのこだわりを持っているわけです。

今日、遠足の話をしたことから、色々と思い出してしまいました。

 

 

●○誰が負けるために努力をするのよ。○●

 

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