英語耳の穴を開けるリスニング | TOEIC英語学習パーソナルトレーナー 飯田ジローのブログ

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TOEIC®の学習法などについて語ります。

最近、学習者の方に役立つ効率的な勉強法のことばかり考えている飯田です。


今日も思い出話から。

アメリカの銀行で3日間職場体験をさせていただいたことがあります
今でも忘れないのが、担保価値の評価を担当されている若い行員の方からレクチャーを受けたときのことです。

恐らく、20分くらいだったと思うのですが、とにかくマシンガンのように「担保価値」について説明していただきました。

終了後、一言も質問の言葉も出てきませんでした。
日本だったら、「ここまで分かりました?」とか気を遣ってくれることもありますが、そのときは全くありませんでした。
最初の論点を聞き逃したまま最後までBGM状態です。

悔しい体験でした。今全く同じ機会が訪れたら、どのように対応できるか考えてしまう今日この頃です。


自分に足りなかったもの。

それは「英語耳の穴を開けるリスニング経験」と「適切な教材選び」にあったと思っています。

「英語耳の穴を開けるリスニング経験」とは、分かるまで聞き込むということです。なーんだ当たり前のことかという方もいらっしゃるかもしれませんが、結構泥臭い作業が必要だと思うのです。

具体的に言うと、ギブアップするまで同じところを何回も聴きました。もう、機械が壊れそうになるまで。

それまで、ひたすらスクリプトを聞きながら長時間聴き流すというのにはトライし、英語に慣れる効果はあるのですが、なんとなく突き抜けた感じがなかったのです。

極限まで音から単語を推測し、あきらめるまで聞きました。
すると、今まで聞いていたものが、簡単に感じる瞬間があったのです。
自分の部屋に飛び出し、台所にいる妻に興奮気味にそのことを話したことを覚えています。

ここで重要なのは「適切な教材選び」です。

今リスニングレベルの10段階あるとして、自分のレベルが5だとします。
7とか6とかのレベルのものを探してください。ちょっと背伸びをすれば届きそうなレベルのものです。ストレッチ教材と勝手に呼んでいます。これが10とかを選んでしまうと非常にストレスフルです。逆に5のままだと、上達のスピードはゆっくりな気がします。

私は学習者をサポートする立場なので、まずクライアントのレベルチェックと、膨大なデータベースから教材を選ぶところからスタートします。

私はレベル5のとき、いきなりイングリッシュジャーナル(アルク)で映画俳優のインタビューとか聞いてしまったので、心が折れることもありました。英語学習情報も今ほどなく、ネットもまだまだの時代でしたので、適切な教材へのアクセス力が低かったことも一因です。

ちなみに、「英語耳の穴を開ける」という表現は、東大・ハーバードダブル合格で知られる本山勝寛さんが、著書の中で「英語耳の穴が少しずつ開いてきた・・」と書かれていたのを思い出して使っています。この方の学習法も泥臭くて結構共感します。

ギブアップするまで徹底的に聴くことの大切さをお話しましたが、もちろんこれに音読やシャドーイングなどが加わればさらに効果が上がると思います。

それでは、次回は適切な教材選びについて、より具体的にお話したいと思います。