陽の光はいちだんと弱まり、
木々の葉は落ち、
日脚は目立って短くなってゆく。

ときどきの時雨に一呼吸おいては、
月日の流れを心ならずも受けいれて。


可憐に開いた山茶花は香を漂わせ、
南国では椿や水仙が微笑みだす。

冬の季節風第一号が吹きはじめ、
北国からは山の初冠雪の便りが届く。


自然界は陰中の陰へと・・・




ひとり
心を旅するのにもってこいの季節。


ひとりで十分。



旅をしながら、

きょうも独服をたのしむ。




しかしながら、、、




一碗、二碗、、、

三碗飲むと、目は覚め、
いままで学んだことが鮮明によみがえり、


四碗、五碗、、、

六碗飲めば仙界へ通じるというが、


生憎私は、
“もといた場所”すら思い出せずに、

ただただ塵内をさ迷いつづけている。



七碗は、もう飲めないというが、

私はごくりと飲めてしまった。


何碗飲んでも“帰る”ことはできないだろう。



仙界と“ここ”を、

区別しているうちは、、、、、、





辛丑 立冬 文房にて茶を喫す
KANAME



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