北キプロス旅行① 〜北キプロスってどんなとこ?〜 | スパイシーdays

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トルコ滞在中、どこかへ小旅行に行きたかったのですが、テロなどで選択肢も限られて、悩んだ末、北キプロスへ行くことにしました。

キプロス島、初上陸です!!ラブ


北キプロスの玄関口エルジャン空港へは、アンカラから40分のフライト。すごく近くて、トルコの地中海沿岸エリアに行くのと変わりません。



北キプロスはとても面白い場所で、一応、北キプロストルコ共和国(Kuzey Kıbrıs Türk Cumhurriyeti)という名称があって、キプロス島の南半分からは独立してることになってます。

が、それはトルコが一方的に軍事的に占領して勝手に国を作ってしまっただけなので、トルコ以外からは国連もはじめどこからも正式に国家として認められていないという…。(日本政府は北キプを「トルコ軍実行支配地域」とだけ呼んでいるそう)




じゃあ、そんな国は無いかのように扱われているのかと言えば、そうでもなくて。

いわゆる南キプロス、キプロス島のトルコが支配していないギリシャ系の住民が多く住む側はキプロス共和国として正式に国連にも認められていてEU加盟国ですらありますが、それには北キプロスは含まれていないので、北キプロスの製品や人間はEUに同じようには出入りできません。

国として認められていないのに、存在は黙認されている状態というのが、なんだか面白いですよね。


そんな訳で、北キプはトルコの庇護を受けてはじめて存在している状態で、国民(?)も9割強がトルコ系、公用語もトルコ語、政治から貿易からすべてをトルコに依存している、トルコにとっては国の形をした一つの県のような存在です。


エルジャン空港に到着すると、赤地に白の月と星のトルコ国旗トルコをひっくり返した白地に赤の月と星の北キプ国旗キプロスと、「Welcome to Turkish Republic of Northern Cyprus」の文字が。
トルコのようで外国、外国のようでトルコな北キプロスへ来たんだな~って思って興奮します。



国として認められていないのに入国審査もあって、北キプ国籍の人は北キプのパスポートを持っていて、トルコが実行支配してるのにトルコ国籍の人も外国人として扱われて…なんだかゴッコ遊びを見ている気分。 

私は一体いまどこに到着したんだろう?という感覚になります。南キプの人からみたら、というか国際法上はキプロスに不法入国したみたいなもんなんだよね?


さて、北キプの入国スタンプをパスポートに押されていると、ギリシャやその領土であるエーゲ海の他の島に入国できなくなるらしいので(イスラエルみたいな扱いですな!)、スタンプは別紙に押してもらうことができます。

10年パスポートを去年更新したばかりで、この10年にギリシャ領土に行かないとは限らないからね。。。



ホテルからお迎えの車に乗って街を走ると、ゴツゴツした岩地にオリーブなんかが生えて、植生はトルコの地中海沿岸地域と変わらない感じだけど、平屋の広い家が並んで道も広く、大型のお店が並んで英語の表記が目立つあたり、やっぱり別の国っていう空気があります。


とはいえ、町のあちこちには北キプキプロスとトルコトルコ両国の国旗が並んで掲げられているし、トルコ建国の父アタテュルクの像もあちこちにあってトルコと一緒だし、

国旗の間にあるのがアタテュルクのシルエット


アタテュルクの言葉「Ne mutlu Türküm diyene(自分をトルコ人と言える者は幸いである)」という文言があちこちに飾られていたり、トルコすぎるほどにトルコ。

山肌に描かれた両国国旗とアタテュルクの言葉。トルコでもよく見る光景




さて、到着したホテルは、リゾートホテルの立ち並ぶGirne(ギルネ)という町の、大型リゾート施設。


プライベートビーチ、プール、ウォータースライダーやちょっとした遊具、テニスコート、レストラン、カフェ、バー、売店、ハマム、ゲームセンター、カジノなんかが揃っていて、3食の食事が出るという、トルコでtatil köyü(ターティル・キョユ 直訳すると休暇村)と呼ばれる、その敷地内から一歩も出ずに長期のリゾートが楽しめる施設です。


オーシャンビューのバルコニーがついた広い部屋で3食のバイキングの食事がついて、ビーチとプールなど使い放題で1日2人で80$と格安。
私達は飲みませんが、夕食時はアルコールもフリーチャージでした。

う~ん、絶対これってトルコ南部のリゾート地より安い!!





バイキングもなかなか良くて、トルコ料理をメインに少しイタリアンとか中華もあってバリエーション豊富。
キプロス名産の焼いたハルーミチーズ(大好物!)やオリーブが山ほどあって、トルコのスイーツが種々並んでるデザートコーナーが嬉しかった。



食事は、美しい海を見ながら屋外のデッキでも食べられて、すごく気持ちイイ!




北キプロスは南より観光化が進んでいないらしく、全体的に田舎っぽくて自然も手つかずの状態で残っています。あちこちのビーチも素晴らしいけど、ホテルのビーチですら十分キレイ。





宿泊客はトルコからが1番多いみたいだったけど、ヨーロッパやロシアからも沢山来ているようで、ホテルの従業員もキプロス人は半分くらいで、残りは中央アジアやアフリカからの出稼ぎ?移民?の人たちみたいでした。


トルコ本土では天気が変わりやすく肌寒い日もあった5月初旬でも、キプロスはもう夏!

ブーゲンビリアや月桃、ハイビスカスなどのトロピカルな植物が、島中でカラフルな花を満開に咲かせていました。


南の島大好き人間としてはテンション上がる!!これぞリゾート!


さて、次は町に出てみるとします!