ムスリムにとって、聖地マディーナでの1番の目的は、預言者ムハムマドﷺのお墓に詣でること。
前の記事👈でも書きましたが、
マディーナで暮らした預言者ﷺは、住んでいた家🏠兼モスク🕌の一角に埋葬されました。
家といっても、預言者ﷺの個室は無く、妻たちの部屋が並んでいました。それが青丸で囲ったところ
それが今日の、預言者モスクの正面にある、ぽこっと飛び出した、緑のドームがある部分です。
この霊廟内へ入るために、今年から専用アプリでの予約が必要になりました📱
世界中の観光地🗼🏰がそういう流れなので、理解はできますが、
ここが大変なのは、予約申し込みが毎週金曜日にしかできない、しかも一人につき年に一回限定ということ。
※ツアーで行く場合、団体として1回、個人として1回の計2回分の予約が取れることも
預言者モスクの警備員👮♂️は厳しくて、
入場時にアプリのQRコードがアクティヴでなかったり、幼児連れだったり、何かしら不足があると、問答無用で入れてくれません。
ここは女性用🧕の入り口と通路。男性は別の入り口から。
入れてもらえなかった人が、ツアーの団体にシレッと紛れ込む事案も勃発していて💦
団体で入場するグループは「誰も入れじ」と、前の人の肩やリュックを掴んだ電車ごっこ状態で建物に向かいます。
ヘタしたら、来年以降に再訪しない限り入れないので、すごい緊張感です
前の人のリュックを掴んで進む巡礼者たち。人数を申告して予約しているので、他人が混ざるとグループの誰かが入れなくなる可能性あり。
いよいよ、ラウダ・ムタッハラ(高潔な庭園) الروضه المطهره と呼ばれる、預言者ﷺの眠る聖域へ入りますよ〜。
中に入ると、濃厚な薔薇の香り🌹が漂ってきました。
これまでに嗅いだことのない、薔薇とウードを混ぜたような、この上なく華やかで、おそろしく芳しい香り。
体から薔薇の香りを放っていたと伝えられる、預言者ﷺの御許に近づいたのだと感じさせてくれます。
この芳香がさらに強烈になると、いよいよ目的地に到着。
男性エリアと仕切る白い布のせいで、上部しか見えませんが、
左側にあるのが霊廟部分、中央に見えるのが預言者のミフラーブ、わかりにくいですが右端に預言者のミンバルが見えてます。
↑ミンバル
男性エリアからの画像をお借りしますと……
預言者時代にミフラーブのあった場所にたつ、預言者のミフラーブمحراب نبويはこんな感じ。
これ以外にもたくさんミフラーブがあります
預言者のミンバル(説教壇)المنبر النبويがあった場所はこれで、現存するのは16世紀にオスマン帝国のスルタン、ムラド3世が寄贈したもの。
ここはミンバルが置かれた最初のモスクで、当初は3段からなるデーツ材の壇だったそう。
このミンバルから霊廟にかけての空間は、リヤドゥ・ル=ジャンナ(天国の園) رياض الجنهとも呼ばれています。
「私の住まいと私のミンバ ルとの間には、天国の楽園の 1 つがある。」
(アル=ブハーリーとムスリムの伝承9)
という預言者ﷺのハディース(言行録)があり、
ムスリムにとって、ここに立てば、天国に一瞬足を踏み入れた事になるわけです。
その霊廟部分は、こんな感じ。
金色の格子のようになってますが、中も何重にもなっているので、何も見せません。
預言者ﷺは、前述のようにモスクに併設の、住居の敷地に埋葬されましたが、
これが時代とともに、幾重にも囲まれ、ドームがつき、
カアバ🕋に似てしまわないため、あえて五角形にされたそうです
今のシンボリックな緑色のドームをいただいた霊廟となりました。
預言者ムハムマドﷺの隣、すこし頭の位置を下げた場所に第一代正当カリフのアブー・バクル(r.a.)、さらにその下に第二代カリフのウマル(r.a.)も埋葬されていますが……、
実は、もう一人分 埋葬できるスペースが残されているそうで……
そこはなんとあのイエス・キリスト(a.s.)の未来の墓所と言われています
イスラームでは、イエス様こと預言者イーサー(a.s.)は、地上に再臨してアンチ・クライストと戦い、40年地上を統治したのち死んで、預言者ムハムマドﷺと同じ場所に埋葬される、とされています。
ダマスカスのモスクに再臨するイーサー/
降臨して、アンチ・クライストのダッジャール(右下)と戦うイーサー(左下馬上)
そんなすごい場所ですが、あまりの混雑に、2ラカートの礼拝とちょっとの祈りをする猶予しかなく、
警備員👮♂️に「早く!」とドヤされながら出口に向かい、
あっという間に終わった、私の天国での滞在でした。
次のブログは、宗教的な内容はちょっとお休み☕️
マディーナの名物や食べたもののお話を挟もうと思います。