全カリキュラム終了したトルコタイル教室  | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

この続きです↓

 

 

 

まだ先生によるトルコタイルを総合的に学ぶカリキュラムの続きがありまして、次は

 

 

宝石ブルールーミー様式 Rûmî üslûbu 

宝石ブルーナチュラリスト様式 Natüralist üslûbuを学ぶ回

 

とつづきます。

 

 

ルーミー様式は、羽ののようなふんわりウイング葉っぱのような🍃文様が優美にからみあうもの。

とっても好きな文様です❤︎

 

「ルーミー」とは、ここでは「ルーム・セルジューク朝風の」という意味ですが、オスマン朝時代にも多用されています。

 

 

 

ナチュラリスト様式は、チューリップや薔薇🌹、ヒヤシンス、カーネーション、ケシ、百合、春の樹🌲などの植物を、自然に近い姿ながらも、半様式化して描くスタイル。

 

 

 

ちなみにこのモチーフ、ザクロと思っていた人も多いと思いますが🙅‍♀️、実はケシ坊主なんですって。

 

 

去年は一面のケシ畑を見にアフヨンに行きました👈っけ

 

 

ちなみにこれは薔薇赤薔薇

 

葉や蕾をみれば薔薇ってわかるのですが、花びらが上向きにくるくる巻いた状態🌹ではなく、咲き切って花びらが下を向いた状態🌺を描くというのが、独特で面白いですよね……

 

 

 

この回は、先生が用意しているデザイン案ではなく、私が見つけてきたものを描かせて頂きました。

 

上部にルーミー、中央がナチュラリスト様式という構成だったので、これ一つで2つのテクニックを同時に勉強することができます👍

 

20cm四方のタイルを縦に2枚並べるサイズでトレースして、配色を考えます。

 

 

 

さっそくタイル素地に輪郭線を描いていきますが、今回私の中で大革命が起こりました❗️

 

先生愛用の、日本製のイタチ毛の面相筆なる筆を投入したところ、あら不思議乙女のトキメキ 

 

しなやかな筆毛のおかげで、難しい曲線もスルスル思いのままに描ける(※当社比)ではありませんか❗️

 

 

 

この日から、完成度の決手ともいえる輪郭線描きが、私にとって1番楽しい作業工程になりました🙌

 

やっぱ道具って大事真顔そして日本製品すごい日本国旗

 

まぁイズニックの作家さんたちは、トルコで入手する固い人工毛の筆でもサクサク描かれてますが👏

 

初期に描いたものは、かなり輪郭線がガタガタでした。これももちろんガタガタではありますが

 

 

焼き上がって、額装したのがこちら。

 

釜の温度の関係で、青みが思ってたより薄く出ましたが、やはり自分の好みのデザインは出来上がると嬉しさが違いますね🙌

 

 

 

これが終わった後に待っていたのは、カリキュラムの中の最難関魂と思われる

 

宝石ブルーサズ様式 Saz (yolu) üslûbu

 

16世紀にタブリーズ(現イラン🇮🇷)がオスマン朝に占領された際、連れてこられた天才画家シャークルŞahkuluによって、サファヴィー朝から伝えられたスタイルで、

 

ギザギザした葉とハタイの花がからみあったサズ(古い古いテュルク語で"森")に、ライオンや龍や鳥が潜んでいるのを描いた様式です。

 

紙に描かれたシャークルの作のサズ様式の絵画

 

 

課題は、トプカプ宮殿の「割礼の間」にある、

 

 

 

シャークル作のタイルパネル……から。

 

左右の長いタイルです。他のタイルパネルと違って、一枚の大判タイルというのもすごい。よく割れずに釜で焼け、運搬できたもの。

 

 

見ればみるほどシャークルさん、頑固で神経質な天才アーティストだったんだなぁ。

 

描写の細かさ、緻密さ、華美さ。どこにも妥協がなくて、隅から隅まで完璧すぎて、至高レベル。

 

 

 

これは下絵を見たときに、

 

「えッ、本気ですか❓こんな難易度の高いものをカリキュラムに入れる先生、スパルタすぎるでしょ‼️笑い泣き

 

と泣きたくなったけど、

 

鳥の羽毛の一本一本、葉っぱの葉脈の一本一本が描けると、ものすごい達成感があって❗️

 

これ描けたなら、もうどんな細かい模様だって描けるのでは?!という大きな勘違いをしそうでした💦

 

タイルに顔料で描き終えたところ 。紫色ですが焼くとコバルトブルーになります

 

 

途中から限界の細かさに挑戦すること(大袈裟)ヘンな快感を覚えるようになりハッ

 

……これが、私をのちの自由課題で、やたら面倒臭いものを選びたがる、という厄介な性癖(?)を目覚めさせたように思います。

 

 

完成したもの😅シャークルさんのオリジナルと比べないでください💦

 

 

そして、カリキュラムの最終回に習ったのは、

 

宝石ブルーダマスカス手 Şam İşi

 

オスマン帝国が最大の領土を誇った16世紀中頃、スレイマン大帝👑は、エルサレムの岩のドーム👈の修復のため、

 

イズニックのタイル職人たちをダマスカスへ派遣して、タイル生産を行わせました。

 

それまで岩のドームの建物はタイル張ではなかったの

 

 

その後ダマスカスでは、イズニックの影響を強く残しつつも、シリアの風土に合わせて緑や青を多用した寒色系が魅力のダマスクカス・タイルとして、独自の発展をしました。

 

 

 

このダマスカス風のタイルが、逆にイズニックでも生産されるようになり、イズニック産ダマスカス手と呼ばれるように。

 

渋い緑といった落ち着いた色味で、花々が自由に描かれるのが特徴だそうです。

 

右(下)のはルーヴル所蔵

 

 

日本人に好きな方が多いという様式ですが、侘び寂び感あるから?

 

私はどうもこの渋さや、アーティーチョーク、悪魔の三又の槍のような薔薇の蕾🌹などのモチーフも、あんまり好みではない感じ〜。

 

 

 

シリア産ダマスカス手の方が好きだなぁ……って、これトルコタイルのレッスンですもんね😅

 

テンション上がらぬまま、少ない選択肢から課題に選んだデザインのオリジナルはこちらです。

 

 

 

現代作家産たちのアレンジを参考に、少し明るい色味にして、花びらはグラデーションも入れましたが、焼き上がってきても、やっぱり私の好みとはちょっと違うかな。

 

 

 

というわけで、トルコタイルの様々な時代の技法を網羅したカリキュラムを、なんとかすべて作り終わりました🙌

 

この後は、自分の好きなものを先生のご指導のもとに作成できるのですが……

 

お友達が、表札とか時計とかお玉おきとかティーソーサー🍽☕️🕰とか、日々の暮らしで使える可愛いモノを作っている中、

 

私はもう……

 

マニアックな趣味、大爆発💣💥

 

で、我が道を爆走しております笑い泣き

 

いま、2作品目を作っていますが、近々そんな自由作品のご報告もさせてくださいねーニヤニヤ

 

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