10月のお休みに、トルコ東部のヴァンVanと、その周辺を観光してきました。
「ワン」と表記・発音する人もいます。個人的にはワとヴァの間って感じの発音が多い印象。
ヴァンといえば、トルコ最大の湖ヴァン湖。
なんと野生のフラミンゴ🦩が春夏を過ごす場所だそうで、
「でも今の時期はいないよ」と言われつつも諦めず湖面を眺めていたら、4羽逢えました
あんまりピンクじゃなかったケド、野生のフラミンゴ〜💕
そんなヴァン湖には島🏝が4つあって、そのうちの一つアクダマル島Akdamar Adasıに船で渡ります🛥
今は無人島で、10世紀に建てられたアルメニア正教☦️の聖十字架教会 Kutsal Haç Kilisesiが残るのみ。
👆アクダマル教会とも呼ばれます。
島を含め、ヴァンの周辺は古代よりアルメニア人が住んだ地域なんです。
上陸したら、教会へ続く道を登ります。
青空を背に、1000年以上も在りつづける本堂がそびえます。
名前の通り、イエスの磔刑に使われた十字架の一部を保管していたそうですが、現在その所在は不明だそう。
Netflixのドキュメンタリー『聖遺物の神秘』を観ると、ヨーロッパの教会が所有する聖遺物(茨の冠など🥀)にはビザンツィン帝国経由で伝わったものも多く、トルコの教会にそういうものがあっても不思議ではないワケですね〜。
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聖書のエピソードや聖人の姿が、見事な浮かし彫りで描かれた外壁に目を奪われます。
右手の禁断の木🌳 に巻きつく悪魔の化身の蛇🐍と、左側で禁断の実🍎を食べるアダムとイヴ。
アダムとイヴのお腹が膨らんでいるのは、もう禁断の実をお腹に入れてしまったことを意味しているとか
神の命令に抵抗した預言者ヨナが、船から海中に投げ捨てられ、魚🐳に助けられたシーン。
後に王になるダヴィデ(中央)と、彼に投石器(ぱちんこ)で倒された巨人ゴリアテ(右手)。
キリスト。手のところに窪みがあるのは、宝石が埋め込まれていたからかも?
ライオンをぶら下げているのは、聖ダニエル。
隣は、ダニエルの仲間の3人組 (右手)。
ダニエルはライオンの餌食に、3人は火刑にされるものの、神に護られ生還したため、王に神の力を信じさせた存在です。
なんで軒下に頭だけが並んでいるんだろう??😁
下にはワイン作り用に育てられていただろう葡萄🍇🍷
今、この島の唯一の住人は野ウサギ🐇だそうですが、昔からいたんでしょうね。
壁の装飾にもウサギがたくさん登場しています。
こうやって見ると、私が好きなセルジュークやベイリク時代の浮かし彫技術は、この地のアルメニア人から伝わったんだなっていうのがよく分かります。
教会の周囲に転がっていた、墓石の彫刻も見事。
教会の中は、フレスコ画もほとんどがはげて、残っていても色褪せていて、廃墟みたいな感じ。
ここは博物館という扱いだけど、年に一度はミサを行うことが許可されていて、国内外から信者が集まるそうですよ。
数少ない、はっきりみて取れるフレスコ。
イエスが友人ラザロを死から甦らせたのと、ロバに乗ってエルサレムに入城したシーン。
青い色は褪せにくいのですかね?
ちょうど教会を見おわった頃に、天気が崩れはじめて、空が暗くなってしまいました。
他に見るものも無いので、また船に乗って岸へ戻ります。
ところで、アクダマル島の名前の由来には、あるロマンチックな伝説があるそうで
むか〜しむかしその昔、島に住むアルメニア人の姫タマラ☦️と、対岸に暮らすトルコ人の青年☪️が恋に落ち……。
姫が合図の松明🔥を灯すと、それをみた青年が島まで泳いで🏊♂️行って、逢瀬👥を重ねていましたが、
そんな二人の仲を知り、怒り狂ったのは姫の父
ある大嵐🌪の日、姫を部屋に閉じ込め、目印の松明を対岸にむかって灯しました。
青年は嵐をかえりみずに大荒れの湖🌊に入り、溺れてしまいます。
波に飲まれる直前に、「ああッ、タマラ! Ah Tamara!」……と叫んだ言葉が「アクダマル」の語源になったそうです……💔
岸側から見たヴァン湖
次のブログでは、ヴァンのもう一つの名物、ヴァン猫ちゃんに会いに行きます〜😻
この後も、ヴァン、アール(アララト山、イスハク・パシャ宮殿)、ビトリス(アフラト)、ムシュ(マラズギルト)とつづく旅行記にお付き合い下さいませ🙏