名君の建てたバザールやモスク【イラン旅行④シーラーズ】 | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

シーラーズの中心に鎮座する、カリーム・ハーン要塞ارگ کریمخان زند Arg-e karimkhan-e zand 

 

 

 

シーラーズは、唯一ザンド朝の時代(18世紀)に首都となり、そのザンド朝の初代君主カリーム・ハーン👑の住居もあった場所。

 

要塞の中には、ビターオレンジの木が植わる庭園もありました。

 

たまたまフォトジェニックなお姉さんがいた

 

 

建物内はミラーワークや天井画が少し残っていて、当時の宮廷の様子が再現してありましたが、保存状態は、いまいち。

 

 

 

カリーム・ハーン👑は、「世界の半分」と謳われたイスファハーンのような都市をシーラーズにも造ろうと、この周辺にモスクや浴場などの公共施設を整備しました。

 

その一つが、ヴァキール・バザールبازار وکیل baazaar-e vakiil

 

イランの特産品を扱った店が並ぶバザールで、一見するとトルコや中東のどこにでもあるのと同じ雰囲気ですが。

 

 

 

なんだろ、なんか……美しい。

 

 

 

トルコでは残念なことに、イズミルだろうがエディルネだろうがコンヤだろうが歴史的なハンやバザールで、中国なんかで大量生産された土産物が安っぽい色気づきをペカペカと放ってる(↓)けど、

 

上はメルスィン、下はイズミルかな

 

 

ちゃんとしたものしか置いてないと、こんなにもバザールの雰囲気が上品✨になるのかと驚きました。

 

 

スパイス売り場も、プラケースではなく陶器のお皿に一種類ずつ盛ってあって、なんとも絵になる!

 

 

 

寄木細工と、おじいさん人形?

 

 

 

布地売り場

 

 

 

イランのガラス製品に頻繁に登場するこの方は、ザンド朝の次にイランを支配した、ガージャール朝の王ナーセロッディーン・シャー。

 

彼の時代に、イランに初めてカメラが持ち込まれたんですって。

 

 

中庭には噴水の周りで一息つける場所もありました。

 

 

 

バザールの隣には、ヴァキール・モスクسجد وکیل masjid-e vakiil

 

 

 

ここも、あのローズ・モスクことナセーロル・モルク・モスクと同じような、花々を描いたカラフルなタイルピンク薔薇で覆われて綺麗!

 

 

 

ザンド朝時代の建物だけど、ローズモスクと同じガージャール朝の時代に修復されたたため。

 

 

 

内部は壁がむき出しだけど、それがまたいい味。

 

 

 

ミフラーブ部分はタイル。

 

 

 

モスクの並びには、さらにヴァキール浴場حَمـّامِ وَکیل hammaam-e vakiilというハマムもあるんですが、私たちは他の都市でもっと凄い公衆浴場を見るから、ということでスキップしました。

 

画像、拝借しております

 

 

ところで、これら一連の建物についている名称、ヴァキールوکیلとは「代理人」「代表者」という意味。

トルコ語ではvekil。milletvekili(国会議員)とか。

 

創建者であるザンド朝のカリーム・ハーン👑が名乗っていた称号、「人民の代理人وكيل الرّعايا (ヴァキーレ・ラアーヤー)」という肩書きにちなんでいます。

 

 

 

これって、すごくないですか⁉️

 

気が遠くなるほど永いイラン史の中でも特に名君とされ、その功績から「大王」と呼ばれるにもかかわらず、本人は「王」とすら名乗らず、「人民の代表」と名乗っていたって‼️

 

フランス革命🇫🇷⚔が起きるよりも前に、民主主義を理解した統治者がいたなんて〜、嗚呼やっぱりイラン、すごい国だわ〜おねがい

 

バス停がステンドグラス風のデザインで素敵

 

 

シーラーズの見どころ、まだまだ続きます。