先日、「大学入門ゼミ」の講義で先生に教えていただいた、「被害の on」 について、例文と共に書いていきたいと思います。
『ジーニアス英和辞典』によると「 ( on 17)[不利益]〈人〉に損害を[迷惑]をかけて || The woman hung up on me. その女性は一方的に電話を切った。 」と書かれています。
授業中では “ The lights went out on us. 電気が消えてしまって皆が困った ” 、 “ She went out on me .彼女は私のもとから去っていった ”という例文が挙げられました。
これらの例文には共通している点があります。一般的に浸透している、接触を指す on の使い方ではなく、被害を被ったというニュアンスが含まれていることにあります。被害を受けているのは誰かしらの人になるわけですから、 on の後には人が置かれるのが自然になります。
『ジーニアス英和辞典』の例文を見てみると、電話を切られた私はとても困っているという被害の感情がそこには含まれています。
同辞書内には他に “He died on us ” 「私たちは彼に死なれた[先立たれた]。」 という例文もあります。私たちの上で死んでしまったのでは無く、先立たれてしまった私たちは悲しさだったり、困惑の感情が含まれていることが分かります。
これらの文から推察できることは、起きた事象よりも、それに起因した対象の感情に焦点が当たっているということです。あくまで事象は理由に過ぎず、言いたいことはどう思っているかに置かれるのではないのでしょうか。(est)