食餌を科学的に考えてみた~ケトン食、無塩、高カリウム、ω3脂肪酸~
糖尿病、高血圧、心不全の科学的な食餌療法のブログです。

精神疾患と炭水化物の話が続きます。

 

<引用ここから>

糖質摂取と認知症リスク?前向きコホート研究

 いくつかの研究において、食事中の糖質摂取と認知症との潜在的な関連が示唆されているが、実証するエビデンスは限られている。中国・四川大学のSirui Zhang氏らは、この関連性について、大規模集団による検証を行った。BMC Medicine誌2024年7月18日号の報告。

 英国バイオバンクコホートに参加した21万832人を対象に、プロスペクティブコホート研究を実施した。食事中の糖質摂取を反映するため、糖質の絶対摂取量および相対摂取量、高糖質食スコアを用いた。糖質の絶対摂取量は、英国バイオバンクのOxford WebQにより特定した。糖質の相対摂取量は、絶対摂取量を総食事エネルギー量で割ることにより算出した。高糖質食パターンの特定には、縮小ランク回帰法を用いた。食事中の糖質摂取量とすべての原因による認知症およびアルツハイマー病との縦断的関係を調査するため、Cox比例ハザード回帰分析および制限付き3次スプラインを用いた。根本的なメカニズムを解明するため、探索的媒介分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・糖質の絶対摂取量(g/日)の増加は、すべての原因による認知症およびアルツハイマー病のリスク増加と有意な関連が認められた。
【すべての原因による認知症】ハザード比(HR):1.003、95%信頼区間(CI):1.002?1.004、p<0.001
【アルツハイマー病】HR:1.002、95%CI:1.001?1.004、p=0.005
・糖質の相対摂取量(%g/kJ/日)も、すべての原因による認知症(HR:1.317、95%CI:1.173?1.480、p<0.001)およびアルツハイマー病(HR:1.249、95%CI:1.041?1.500、p=0.017)との有意な関連が認められたが、高糖質食スコアは、すべての原因による認知症のみでリスク増加との関連が認められた(HR:1.090、95%CI:1.045?1.136、p<0.001)。
・糖質摂取量と高糖質食スコアの両方が、すべての原因による認知症およびアルツハイマー病と有意な非線形関係を示した(非線形のすべてのp値:p<0.05)。

 著者らは、「過剰な糖質摂取は、認知症リスクと関連していることが示唆された。食事中の糖質摂取を制限することは、認知症予防にとって大きな意味を持つ可能性がある」としている。

原著論文はこちら
Zhang S, et al. BMC Med. 2024;22:298.

砂糖摂取、高砂糖食パターン、および認知症リスクの関連性:210,832 人の参加者を対象とした前向きコホート研究。

Associations of sugar intake, high-sugar dietary pattern, and the risk of dementia: a prospective cohort study of 210,832 participants.

BMC medicine. 2024 Jul 18;22(1);298. pii: 298. 

<引用ここまで>

 

今回は認知症の話題です。

高インスリン血症と認知症については、すでに我が国から報告されているのですが、

それを補完するデータですね。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

 

<引用ここから>


炭水化物カロリー比が高いとうつ病リスク上昇

 うつ病は、世界的に重大なメンタルヘルスの課題の1つである。中国・四川大学のYifei Tan氏らは、うつ病と炭水化物摂取カロリー比(CRC)との関連を明らかにするため、大規模な横断的研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌2024年12月号の報告。

 2005~2020年のNHANESデータベースのデータを用いて、Rプログラミング言語によりデータ分析を行った。うつ病の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。CRCは、総炭水化物摂取量の4倍を総カロリー摂取量で割ることにより算出した。CRCとうつ病との関連を調査するため、多変量ロジスティック回帰モデルおよび回帰スプラインモデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・参加者データ9,254例中、1,530例がうつ病と診断された。
・CRCが高く、54.1%(人口レベルの第4四分位[Q4])超の場合、抑うつ症状レベルが上昇した。
・調整済み多変量ロジスティック回帰モデルでは、人口レベルの第1四分位(Q1)と比較し、Q4ではうつ病レベルが高く、うつ病リスクが高く、うつ病が人生に及ぼす影響が大きかった。
【うつ病レベルが高い】β=0.5102、95%信頼区間(CI):0.2419~0.7784、p=0.0002
【うつ病リスクが高い】ハザード比(HR)=1.3380、95%CI:1.1331~1.5812、p=0.0006
【うつ病が人生に及ぼす影響が大きい】HR=1.5133、95%CI:1.1656~1.9746、p=0.0020

 著者らは「米国成人において、CRCが高いほど、抑うつ症状の可能性が有意に高まることが示唆された」と結論付けている。

原著論文はこちら

Tan Y, et al. J Affect Disord. 2024;366:59-65.

炭水化物摂取のカロリー比率が高いほどうつ病のリスクが増加する:2005年から2020年までのNHANESデータの横断的分析。 Higher caloric ratio of carbohydrate intake associated with increased risk of depression: A cross-sectional analysis of NHANES data from 2005 to 2020.

<引用ここまで>

 

p値(偶然にこれだけの差が出る確率)が 0.0002, 0.0006, 0.0020 って

どこをどう考えても「食材のうちの炭水化物比率が高いと、うつ病がひどかったり、うつ病になりやすかったり、うつ病に関連したトラブルに巻き込まれやすい」ってことじゃない?

(p値が低いってことは偶然にこんな結果が出ることは考えにくいってことです。)

 

これでも炭水化物が健康に影響しないって主張するひとがいるんでしょうねぇ。ふぅ。

 

 

 

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>

セマグルチドで虚血性視神経症リスク増か

米・眼科専門病院の後ろ向き研究

 視神経への血液供給の阻害により視機能が侵される虚血性視神経症は、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)と動脈炎性前部虚血性視神経症(AION)に分類される。米・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのJimena T. Hathaway氏らは、使用例が急増しているGLP-1受容体作動薬セマグルチドについて実臨床でNAIONとの関連が疑われる症例に遭遇するケースがあることから、眼科/耳鼻咽喉科専門病院における患者登録データを用いた後ろ向きコホートマッチング研究を実施。「2型糖尿病または過体重/肥満治療のためにセマグルチドを処方された患者コホートでは、GLP-1受容体作動薬以外の薬を処方されたコホートに比べ、NAION発症リスクが4~7倍と高かった」とJAMA Ophthalmol(2024年7月3日オンライン版)に報告した。

 

<引用ここまで>

現在、糖尿病治療では

心血管疾患減少のエビデンスがあることから

メトホルミンとSGLT2阻害薬がファーストラインに、

ついでGLP1作動薬が推奨されています。

 

GLP1作動薬を好む医師もいるようですが、

私は反対ですね。

GLP1作動薬については

高インスリン血症をきたさない

チアゾリジン系やαGIを用いるべきだと思います。

 

クスリは副作用が伴うので

まずは食事療法・運動療法からですね。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>

糖尿病薬で老化細胞除去 順天堂大、マウス実験

2024年05月31日(金) 09:00 配信 共同通信社 

 糖尿病治療薬を使って、年を取ると増える老化細胞を除去することにマウス実験で成功したと、順天堂大の南野徹(みなみの・とおる)教授(循環器内科)らのチームが30日、国際科学誌に発表した。従来の薬より副作用が少なく、チームは「アルツハイマー病など加齢に伴う病気の薬開発につながる可能性がある」としている。

 細胞は加齢やストレスによって染色体が傷つき細胞分裂できなくなると除去されるが、一部は組織に蓄積し、炎症を起こしてがんや生活習慣病などの発症につながるとされる。チームは糖質を尿に排出させる働きがある糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」に着目し、投与による老化細胞の変化を検証した。

 肥満マウスに1週間投与すると、内臓脂肪に蓄積した老化細胞が47%減少し、内臓脂肪の炎症も改善。中年のマウスに20週間投与すると、走り続ける時間が26秒増加するなどフレイル(虚弱)の改善効果もみられた。エネルギー不足で活性化するリン酸化酵素が働き、細胞除去を促進していることが明らかになった。

 これまでに老化細胞の除去効果が確認された薬は抗がん剤が多く、副作用が課題だった。チームによると、SGLT2阻害薬は老化細胞に間接的に働きかけるため副作用が少ないという。

 注)国際科学誌はネイチャーエイジング

<引用ここまで>

 

SGLT2阻害薬の効果ということは

老化細胞の生存には

インスリンとナトリウムが必要なんですかね?

 

薬剤を使わなくとも

無塩ケトン食でも低インスリン・低ナトリウム血症にはできますよ。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>

オリーブ油1日7gで認知症関連死28%減

米国の大規模前向きコホート研究

 米・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのAnne-Julie Tessier氏らは、同国の大規模前向きコホート研究Nurses' Health Study(NHS)およびHealth Professionals Follow-Up Study(HPFS)のデータを用い、オリーブ油の摂取と認知症関連死亡リスクとの関連を検討。その結果、オリーブ油をほとんどまたは全く摂取しない群と比べ、1日当たり7g超を摂取する群では食事の質にかかわらず認知症関連死亡リスクが28%低かったとJAMA Netw Open2024; 7: e2410021)に発表した(関連記事「ニンニク粉末とオリーブ油で脂質改善」)。

地中海食スコアなど食事の質を問わずリスク減

 解析対象は、NHSおよびHPFS参加者のうち、ベースライン(1990年)で心血管疾患またはがんの既往歴がなかった9万2,383例(平均年齢56.4歳、女性65.6%)。28年間(218万3,095人・年)の追跡期間中に発生した認知症関連死は4,751例だった。

 多変量Cox比例ハザード回帰モデルによる解析の結果、オリーブ油摂取量と認知症関連死亡リスクとは逆相関しており、オリーブ油非摂取または1カ月当たり1回未満摂取群(対照群)に対し、7g/日超摂取群(最高群)ではリスクが28%低かった〔プールした調整後ハザード比(aHR)0.72、95%CI 0.64~0.81、傾向性のP<0.001〕。さらにアポリポ蛋白Eの対立遺伝子ε4(ApoEε4)ゲノタイプで調整後も結果は同様だった(低摂取量群に対する高摂取量群におけるプールしたaHR 0.66、95%CI 0.54~0.81、傾向性のP<0.001)。

 地中海食スコアおよびAlternative Healthy Eating Index(AHEI)スコアに基づく食事の質を加味した解析では、オリーブ油の高摂取量群における認知症関連死亡リスクは、これらのスコアに関係なくオリーブ油低摂取量群(対照群)と比べて有意に低かった〔地中海食スコアで28~34%低下()、AHEIスコアで27~38%低下、P<0.05〕。

 

図. オリーブ油摂取量および地中海食スコアと認知症関連死亡リスクとの関連

53993_fig01.jpg

JAMA Netw Open 2024; 7: e2410021

マヨネーズをオリーブ油に置換で14%リスク減

 他の脂質5g/日を同量のオリーブ油に置き換えた場合の認知症関連死亡リスクは、マヨネーズで14%(95%CI 7~20%)、マーガリンで8%(同4~12%)、それぞれ低下した。その他の植物油およびバターでは、オリーブ油への置き換えによる有意なリスク低下は認められなかった。

 以上の結果から、Tessier氏らは「オリーブ油を多く摂取する米国成人は、食事の質に関係なく認知症関連死亡リスクが低かった。この結果は、オリーブ油などの植物油の使用を推奨する現行の食事指針が、心血管疾患の予防だけでなく認知症の予防にも当てはまることを示すものだ」と結論している。

 なお、米国では2020年に米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸を生成する部分水素添加油脂の食品への使用を禁止したが、研究当時(1990~2018年)のマーガリンおよびマヨネーズはトランス脂肪酸の含有量がかなり多かった。同氏らは「今後の研究で、トランス脂肪酸を含まないマーガリンの摂取について検討することは有益であろう」と付言している。

 

<引用ここまで>

というわけで、完璧なケトン食というわけではありませんが

脂質を多く摂取することで認知症は減少するという話題です。

 

先日、減塩と認知症の関連もご紹介しましたが

かくちゃんのキモである

無塩・ケトン食は

認知症を減らしてくれるかも?ということですね。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>

塩分摂取と認知症リスク~メンデルランダム化研究

 観察研究では、食事による塩分摂取と認知症の発症リスクに潜在的な関連性があることが示唆されている。

しかし、これらの研究では、逆因果関係や残留交絡因子の課題が発生しやすいことに注意を払う必要がある。

中国・山西医科大学のKe Shi氏らは、塩分摂取と認知症リスクとの因果関係を調査するため、2サンプルメンデルランダム化(MR)研究を実施した。Genes & Nutrition誌2024年3月15日号の報告。

 食事による塩分摂取と認知症リスクとの因果関係を調査するため、MR研究にサマリー統計を組み込んだ。塩分摂取と全体的な認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症など、さまざまなタイプの認知症リスクとの因果関係を推定した。主要なMR分析として、逆分散加重法を用いた。感度分析には、MR-PRESSO法、Leave-one-out法を採用した。多面性および異質性の検証には、MR-Egger intercept、コクランQ検定をそれぞれ用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・欧州人を祖先に持つ人では、遺伝的に予測されたより高い塩分摂取量と全体的な認知症リスク増加についての関連性が示唆された(オッズ比:1.542、95%信頼区間:1.095~2.169、p=0.013)
・食事による塩分摂取量と全体的な認知症リスクとの因果関係は、統計手法の選択に関してロバストであり、広範の感度分析を通じて検証された。
・明らかな不均一性や多面発現性は認められなかった。
・食事による塩分摂取が、各認知症サブタイプのリスクに及ぼす因果関係を検出することはできなかった。

 著者らは、「食事による塩分摂取量と認知症発症との有意な関連性が示唆された。この発見は、認知症予防に対する減塩の重要性を支持するものである」としている。

原著論文はこちら

Shi K, et al. Genes Nutr. 2024;19:6.

<引用ここまで>

 

以前から食塩摂取量と認知症の関連は示唆されていたようです。

では、なぜでしょう?因果関係はないのでしょうか?

たぶん食塩摂取量が多いと、高血圧まで至らないヒトがいるとしても

血圧の上昇があり、微小脳梗塞が増えるのではないかと思われます。

それ以外に、タウタンパク質とかアミロイドとか嗜銀細胞とかαシヌクレインとかと

食塩の関連性は聞いたことが無いんですよね。

 

ま、食塩摂取は少ないにこしたことはないということです。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>


SGLT-2阻害薬は2型糖尿病患者における腎結石のリスクを低下させる
SGLT-2 Inhibitors Lower Risk for Kidney Stones in Patients with Type 2 Diabetes

Paul S. Mueller, MD, MPH, FACP, reviewing Paik JM et al. JAMA Intern Med 2024 Jan 29


この薬物クラスは他の糖尿病薬と比較して、リスクがより低いことと関連した。

2型糖尿病は腎結石の過剰リスクを伴う。
ナトリウムグルコース共輸送体2(sodium?glucose cotransporter-2:SGLT-2)阻害薬は尿量を増加させ、尿組成を変化させることで腎結石のリスクを低下させるかもしれない。米国で行われたこの研究で研究者らは、腎結石のリスクについて、2型糖尿病を有しSGLT-2阻害薬の新規使用者である成人600,000人を、傾向スコア(propensity score)でマッチさせたglucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬およびdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬を開始した患者600,000人と比較した。GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬にはSGLT-2阻害薬と同様の腎臓への作用はない。

中央値で6ヵ月の追跡期間中、腎結石のリスクは、SGLT-2阻害薬の使用を開始した患者のほうがGLP-1受容体作動薬(1,000人年あたり15件 対 22件)またはDPP-4阻害薬(1,000人年あたり15件 対 20件)の使用を開始した患者よりも有意に低かった。効果はより若年の患者(年齢70歳未満)でより大きかった。
コメント

この研究は、SGLT-2阻害薬を開始することが、GLP-1受容体作動薬またはDPP-4阻害薬と比較して、短期的にはより低い腎結石のリスクを伴うことを示唆している。この効果が長期的に持続するかどうかは不明である。SGLT-2阻害薬(別の糖尿病薬に対して)を開始するかの決定がそれ以外の点で五分五分である患者に対しては、腎結石の再発という病歴がSGLT-2阻害薬のほうに天秤を傾けるかもしれない。

 

CITATION(S)

Paik JM et al. Sodium-glucose cotransporter 2 inhibitors and nephrolithiasis risk in patients with type 2 diabetes. JAMA Intern Med 2024 Jan 29; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2023.7660)

<引用ここまで>

 

うーん、尿量と尿組成ねぇ。

高インスリン血症が大事じゃないのかなぁ?

SMCT1とかがからんでいるように思います。

 

かくちゃん理論では

腎機能低下は

食塩とインスリンから引き起こされると推測しています。

そして食塩の害を軽減してくれるのが

カリウムだと考えています。

 

以下引用

<引用ここから>
甘味飲料→果汁100%で、CKDリスク7%減

 韓国・Yonsei University College of MedicineのGa Y. Heo氏らは、砂糖または人工甘味料が入った飲料や果汁100%ジュースの摂取と慢性腎臓病(CKD)との関連を検討するため、英国の成人12万7,830例を対象に前向きコホート研究を実施。その結果、砂糖または人工甘味料入り飲料の摂取はCKDの発症リスクを上昇させた一方で、果汁100%ジュースへの置き換えでCKD発症リスクが7%有意に低減したとJAMA Netw Open(2024; 7: e2356885)に報告した。

 

CKD既往歴のない40~69歳の12万人を追跡

 CKD患者は全世界で8億人以上に上り、世界的に問題となっている。CKDを予防するための生活習慣改善として、世界保健機関(WHO)は糖摂取量を総エネルギー摂取量の5~10%未満に抑えることを推奨している。しかし、砂糖の代替として使用される人工甘味料は2型糖尿病や心血管疾患との関連が、果汁100%ジュースでもメタボリックシンドロームや2型糖尿病との関連が報告されている。一方、CKDとの関連は明らかでない。

 Heo氏らは今回、砂糖や人工甘味料入り飲料、果汁100%ジュースの摂取とCKDとの関連、砂糖や人工甘味料入りの飲料を果汁100%ジュースに置き換えた場合のCKDへの影響を検討するため前向きコホート研究を実施した。

 対象は、英国で2006?10年に実施された前向きコホート研究UKバイオバンクの参加者で、食事に関するアンケートに1回以上回答した40~69歳の英国成人12万7,830例(平均年齢55.2±8.0歳、女性51.8%)。除外基準はベースライン時における推算糸球体濾過量(eGFR)または尿中アルブミン/クレアチニン比のデータ欠損、eGFRが60mL/分/1.73m2未満、尿中アルブミン/クレアチニン比が30mg/g以上、CKDまたは腎不全の既往歴あり―などとした。

 前日に砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料、果汁100%ジュースを1杯250mL換算で何杯飲んだかを質問し、1日の摂取量を評価。摂取量で0杯、0?1杯、1杯超の3群に分類した。

 追跡期間は、最後の食事アンケートの実施日から、イングランドでは2022年10月31日まで、スコットランドでは2021年7月31日まで、ウェールズでは2018年2月28日までとした。2023年5月1日?8月1日のデータを解析した。

 主要評価項目はCKDの発症とした。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて3種類の飲料(砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料、果汁100%ジュース)とCKD発症との関連を推定した。飲料を別の種類に置き換えた場合の影響の検討には代替分析を用いた。

 

 

人工甘味料からの置換でも10%リスク減

 中央値10.5年(四分位範囲10.4?11.2年)の追跡期間中に、12万7,830例中4,459例(3.5%)がCKDを発症した。
 砂糖入り飲料の摂取量0杯群と比べ、1杯超群ではCKDの発症リスクが19%有意に高かった〔調整後ハザード比(aHR)1.19、95%CI 1.05?1.34〕。
 人工甘味料入り飲料の摂取量0杯群と比べ、0~1杯群ではCKDの発症リスクが10%有意に高く(aHR 1.10、95%CI 1.01?1.20)、1杯超群では26%有意に高かった(同1.26、1.12?1.43)。

 一方、果汁100%ジュースでは、0杯群と比べ1杯超群でCKD発症リスクの上昇は認められなかった(HR 0.99、95%CI 0.87?1.11、傾向性のP=0.10)。

 1日1杯の砂糖入り飲料を人工甘味料入り飲料に置き換えても、CKD発症リスクに有意差は認められなかった(HR 1.03、95%CI 0.96?1.10、P=0.36)。しかし、1日1杯の砂糖入り飲料を果汁100%ジュース(同0.93、0.87?0.97、P=0.04)または水(同0.93、0.88?0.99、P=0.03)に置き換えると、CKD発症リスクが有意に低下。1日1杯の人工甘味料入り飲料を果汁100%ジュース(同0.90、0.84?0.96、P=0.003)または水(同0.91、0.86?0.96、P=0.001)に置き換えた場合も同様に、CKD発症リスクは有意に低下した。

 以上から、Heo氏らは「砂糖や人工甘味料入り飲料を果汁100%ジュースに置き換えることでCKDの発症リスクが低減する」と結論。その理由として、「果汁100%ジュースはビタミンCやカリウムなどの栄養素を豊富に含み、血圧低下や抗炎症作用を有するためと考えられる。一方で、人工甘味料入り飲料は腸内細菌叢を変化させ、脂肪蓄積や体重増加を促進することでCKDのリスクを上昇させる可能性がある」と説明している。

 

<引用ここまで>

無塩高カリウムの飲料は

かくちゃん理論では、推奨食材です。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓↓

<引用ここから>

適度な低炭水化物食が1型糖尿病患者の治療の助けに

クロスオーバー試験で平均血糖値に有意差

 適度な低炭水化物食が1型糖尿病患者の血糖管理を容易にする可能性を示す研究結果が、「The Lancet Regional Health - Europe」に12月19日掲載された。論文の筆頭著者であるヨーテボリ大学(スウェーデン)のSofia Sterner Isaksson氏は、「この研究の結果は、適度な低炭水化物食によって平均血糖値が低下し、血糖値が目標範囲内に収まる時間が延長することを示している。この変化は1型糖尿病患者の臓器障害のリスク軽減につながるのではないか」と述べている。

 炭水化物を消化吸収することで生じる血糖は、膵臓のβ細胞で分泌されるインスリンの働きで全身の細胞に取り込まれ、エネルギー源として利用される。1型糖尿病はβ細胞が破壊されて発症するタイプの糖尿病で、発症後には生存のためにインスリン療法が必須となり、その血糖管理は2型糖尿病に比べて一般に困難であり、高血糖や低血糖が起こりやすい。血糖管理が不十分な状態が年余にわたると深刻な臓器障害につながる。

 1型糖尿病の治療として、古くは厳格な炭水化物摂取制限が行われていた時代もあった。しかし現在は糖尿病でない人に対して推奨されるような健康的な食事が、1型糖尿病の食事療法としても推奨されることが多く、1型糖尿病の血糖管理目的で低炭水化物食を行った場合の影響を調べた研究は少ない。以上を背景にIsaksson氏らは、極端ではなく適度な低炭水化物食が、1型糖尿病患者の血糖管理状態を改善し得るかを検討した。

 この研究には、HbA1c7.5%以上の成人1型糖尿病患者54人が参加し、12週間にわたる多施設共同無作為化非盲検クロスオーバー試験として実施された。通常の食事(炭水化物の摂取エネルギー比が50%)または適度な低炭水化物食(同30%)を4週間継続し、4週間のウォッシュアウト期間を置いて、食事条件の割付けを切り替えた上で4週間継続した。主要評価項目は、連続血糖測定で把握された各試行条件の最後の14日間の平均血糖値の差とした。

 データ欠落などのない50人が解析対象となった。解析対象者のベースラインデータは、平均年齢48歳で、女性50%、HbA1c8.4%、BMI29など。

 解析の結果、平均血糖値の差は10.8mg/dL(95%信頼区間5.4~16.2)であり、低炭水化物食条件の方が有意に低値だった(P<0.001)。また、血糖値が管理目標(70~180mg/dL)の範囲内にあった時間の割合は、低炭水化物食条件の方が4.7%(同1.3~8.0/1日当たり68分)有意に大きかった(P=0.008)。また、高血糖(180mg/dL以上)の時間の割合は低炭水化物食条件の方が5.9%(2.2~9.6/1日当たり85分)有意に少なかった(P=0.003)。

 低血糖の時間の割合や、血糖値の標準偏差には有意差がなかった。また、重症低血糖やケトアシドーシスなどの重篤な有害事象は観察されなかった。

 Isaksson氏は大学発のリリースの中で、「適度な低炭水化物食は、成人1型糖尿病患者にとって良い治療選択肢となり得る。ただし、脂質と炭水化物の質に留意し、食事全体が健康的であること、そして炭水化物の摂取量が少なくなりすぎないことが重要」と解説している

<引用ここまで>

まぁ、当然ですよね。

最も早く、しかもほぼ100%がブドウ糖に変換されるのが炭水化物ですから。

タンパク質は、より時間がかかって、しかも変換されるのが約50%といわれています。

脂質は、さらに時間がかかって、しかも変換されるのが約10%とされています。

炭水化物を減らすのが、簡単で効率的なのは、わかっていますが、

実際に実験して、データ・証拠を残すことは大事ですよね。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002916523661192?via%3Dihub

 

でもって

日本語での記事のご紹介はコチラ↓↓↓

 

 

かくちゃん理論では

赤身肉(獣肉、牛肉・豚肉・羊肉など)は控えめをオススメしています。

発癌がんリスクが高くなるからです。

 

糖尿病については、赤身肉は炭水化物に比べ、血糖上昇がゆるやかなので

まぁありかなと思ってました。

しかし、赤身肉のタンパク質によるIGF-1分泌・インスリン分泌は

決して健康に良くないようですね。

 

まぁ糖質制限信者がどうこれを解釈するのか

ウォッチしたいと思います。

 

かくちゃん理論では

ベストなタンパク源は

魚介類で

次いで家禽類(鶏肉など)です。