本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓ 

<引用ここから>

魚中心の地中海食で喘息患児の肺機能が改善

ギリシャで実施されたRCTで判明

 小児喘息の改善には健康的な食事が有効であるとされるが、その具体的な内容に踏み込んだ報告がなされた。オーストラリア・La Trobe UniversityのMaria Michelle Papamichael氏らは地中海食に加え、良質な脂肪が豊富に含まれるサケやマス、イワシなどの魚を摂取することで、喘息患児の気道炎症が有意に改善したとするランダム化比較試験(RCT)の結果をJ Hum Nutr Diet(2018年10月30日オンライン版)に発表、「健康的な食事に魚を取り入れることで、小児の喘息の症状を軽減できる可能性がある」としている。

<引用ここまで>

doi: 10.1111/jhn.12609. Epub 2018 Oct 30.

Efficacy of a Mediterranean diet supplemented with fatty fish in ameliorating inflammation in paediatric asthma: a randomised controlled trial

M M Papamichael and others. 

 

細かいところまでは引用してません。

しかし、フィッシュ・地中海食は小児喘息に良いというのは

フィッシュ・DASH食とかフィッシュ・ケトン食も

気管支喘息に良い可能性を示唆していると思います。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓↓

<引用ここから>

地中海食で乾癬が改善

スペイン・初のRCTで確認

 

 地中海食は、オリーブオイル、果物、野菜、豆類、魚介類、ナッツ類、全粒穀物を中心とした伝統的な食習慣であり、抗炎症作用と心血管保護作用を持つことが知られている。しかし、乾癬に対する有効性を検証したランダム化比較試験(RCT)は存在しなかった。スペイン・Hospital Universitario Ramón y CajalのJavier Perez-Bootello氏らは、地中海食が軽症~中等症乾癬患者の皮疹重症度を改善するかを検討するRCT「Impact of the Mediterranean Diet on Patients With Psoriasis(MEDIPSO)」を実施。その結果、介入群でPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコアの有意な改善が認められたJAMA Dermatol2025年9月24日オンライン)に報告した。(関連記事「こんなにある!褥瘡との鑑別要する皮膚疾患」「地中海食で女性の長期死亡リスクが低下」)

PASI 75達成率は対照群0%、介入群47%

 乾癬は免疫異常を伴う慢性炎症性皮膚疾患であり、世界で約6,000万人が罹患している。炎症性サイトカインを標的とした生物学的製剤や外用療法が治療の中心を占めるが、肥満や糖代謝異常などの併存症を背景に持つ患者も多く、治療における食事の役割が注目されてきた。そこでPerez-Bootello氏らは、この点を検証するためにRCTを実施した。

 対象は、安定した外用療法を受けている成人でPASIスコア2〜10の軽症~中等症乾癬患者38例(平均年齢46.4歳、男性65.8%)。地中海食を16週間摂取する介入群(19例)と低脂肪食の助言のみを受ける対照群(19例)に割り付けた。

 介入群には、管理栄養士による個別指導と教育資料の提供に加え、エクストラバージンオリーブオイル500mLを毎週配布。食事内容の遵守状況は、地中海食遵守度スコア(er-MEDAS)で評価した。主要評価項目は、16週時におけるPASIスコアのベースラインからの変化量とした。

 検討の結果、16週時におけるPASIスコアのベースラインからの変化量の推定周辺平均(EMM)は、対照群の0.0(95%CI -1.0~1.0)に対し介入群では-3.4(同-4.4~-2.4)と、有意に改善した(群間差-3.4、95%CI -4.8~-2.0、P<0.001)。PASI 75(75%以上の改善)達成例は、対照群の0例に対し、介入群で9例(47%)だった。

抗炎症・代謝改善作用が関与か

 また、体重やウエスト周囲長に両群で有意差はなかったものの、対照群に比べ介入群ではHbA1cが有意に低下し(群間差−2.53%、P=0.01)、リポ蛋白(a)も有意に低下した(同−3.4mg/dL、P=0.04)。これらのことから、PASIスコアの改善には体重減少ではなく、地中海食による抗炎症・代謝改善作用が関与した可能性が示唆された。

 さらに、QOL(DLQI)、不眠(ISI)、不安スコア(HADS-A)といった患者報告アウトカムでも介入群で有意な改善が確認された。

 以上から、Perez-Bootello氏らは「安定した外用療法を受けている軽症~中等症の乾癬患者において、16週間の地中海食介入が乾癬重症度を有意に改善することが示された。これらの結果は、食事療法を乾癬管理の補助的治療戦略として組み入れることの有用性を示唆している」と結論。その上で「今後より大規模で長期的な研究を通じて、皮膚症状の持続的改善や再燃抑制効果を検証する必要がある」と付言している。

<引用ここまで>

 

地中海食により自己免疫疾患である乾癬が、患者さんの47%に明らかな改善がみられたというのはすごいですね。薬剤費ゼロですよ!地中海食は、オリーブオイル、果物、野菜、豆類、魚介類、ナッツ類、全粒穀物を中心としています。精製穀類(白米・小麦粉)・赤身肉(牛肉・豚肉)は少なめです。オリーブオイルはタップリ!ここ大事です!ケトン食に通ずるところがあります。また海産物を多く食べます。ここらへんはWahls protocol の海藻を食べる、すわなち微量元素をしっかりとるというところと共通してると思います。

フィッシュ・ケトンと地中海食は、似てるような気もしますね。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓↓

<引用ここから>

赤肉摂取量の増加は認知症リスクの上昇と関連

赤肉摂取量の増加、特に加工赤肉の摂取量増加は認知症発症リスク、認知機能悪化と関連

 赤肉、特に加工赤肉の摂取量が多いことは、認知症発症や主観的認知機能低下(SCD)のリスク上昇と関連しているという研究結果が、「Neurology」2月11日号に掲載された。

 米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のYuhan Li氏らは、赤肉摂取量と認知機能アウトカムの関連を検討する前向きコホート研究を実施した。解析には、2つの全国規模のコホート研究から、ベースライン時に認知症を有さなかった参加者が対象となり、食事の評価には、検証済みの半定量的食物摂取頻度調査票が使用された。

 解析の結果、加工赤肉摂取量が1日当たり0.25サービング以上の対象者では、1日当たり0.1サービング未満の対象者よりも認知症発症およびSCDのリスクが高かった(それぞれハザード比〔HR〕1.13、相対リスク〔RR〕1.14)。加工赤肉の摂取量が多いほど、認知機能全般および言語記憶の老化が加速することが認められた(それぞれ1日1サービング増加当たり1.61年、1.69年)。SCDのリスクは、未加工赤肉の摂取量が1日1.00サービング以上の方が0.5サービング未満より高かった(RR 1.16)。加工赤肉を1日1サービングのナッツ類および豆類に置き換えると、認知症リスクが低下し(HR 0.81)、認知機能の加齢が1.37年分短縮し、SCDリスクが低下した(RR 0.79)。

 著者らは、「加工赤肉を、魚、鶏肉、卵、低脂肪乳製品、ナッツ類、豆類などのより健康的なタンパク質源に置き換えることは、認知機能の健康維持に大いに役立つ可能性がある」と述べている。

 

 

Long-Term Intake of Red Meat in Relation to Dementia Risk and Cognitive Function in US Adults

<引用ここまで>

炭水化物は少なけりゃ、何を食べても良いという宗教がかった考えの方がいらっしゃるようです。

私は反対です。

赤身肉(獣肉)と家禽肉(鶏肉など)・魚介類は

健康への影響はまったく違います。

赤身肉(獣肉)を少しでも食べると病気になるわけではありません。

極端な食べ過ぎはよろしくないということです。

米国人は文化的背景から牛肉をよく食べます。なんせ牛肉の輸出国ですからね。

マクドナルドのハンバーガー(加工肉)から、いきなりステーキのステーキ肉(未加工肉)まで。

今回の論文でも触れていますが、塩分が追加された加工肉と、未加工肉では

身体への影響は異なります。ここんとこ大事です。

 

今回は認知症の話題でしたが

高血圧、狭心症/心筋梗塞、腎不全、がん、糖尿病

これらすべてに加工肉は悪影響を与えると考えられているのです。

(詳細は過去エントリーで紹介した論文をご参照ください。)

味噌汁が悪者という意図はありません。

大豆由来の発酵食品なので、単なる悪者扱いは的外れと思います。

ぜひ減塩味噌を使いましょう!

 

で、今回ご紹介する研究はコチラ↓↓↓

<引用ここから>

味噌汁1日2杯以上で口腔・咽頭・食道がんリスク増
日本人中高年約4万例のコホート研究JACC Study

 大阪大学大学院社会医学講座・公衆衛生学の岡本華奈氏らは、
中高年の日本人を対象に行われた全国規模の前向きコホート研究JACC Studyの参加者約4万例のデータを用い、

食塩摂取量と口腔がん、咽頭がん、食道がんの発症リスクとの関連を検討。

その結果、これらのがんの複合リスクは食塩摂取量が多い者ほど高く、食品別では味噌汁の摂取量が1日1杯未満の者と比べて2杯の者で1.63倍、3杯以上の者で2.27倍に上ったとBr J Nutr(2025年4月28日オンライン版)に発表した(関連記事「コーヒー・紅茶で頭頸部がん発症リスク低下」)。

食塩摂取量の最高位群で複合リスク1.67倍

 解析対象は、40~79歳のJACC Study参加者のうち、がん既往歴がなく自己記入式の食品摂取頻度質問票に回答した4万2,535例。中央値で14.4年の追跡期間におけるがん発症は145例(口腔がん43例、咽頭がん17例、食道がん85例)だった。

 年齢、性、喫煙・飲酒状況と果物・野菜の摂取量(口腔・咽頭・食道がんの複合リスクのみ)を調整後のCox比例ハザードモデルによる解析の結果、食塩摂取量高値は口腔がんおよび食道がんの発症リスク上昇と有意に関連していた。食塩摂取量の最低三分位群に対する最高三分位群における調整後ハザード比(aHR)は、口腔・咽頭・食道がん複合で1.67(95%CI 1.08~2.61、傾向性のP=0.01)、口腔がんで1.79(同0.83~3.86、P=0.01)、食道がんで2.04(同1.09~3.80、P=0.05)だった。

 食塩摂取量1g増加ごとのaHRは、口腔・咽頭・食道がん複合で1.33(95%CI 1.07~1.65)、口腔がんで1.51(同1.00~2.29)、食道がんで1.38(同1.04~1.84)だった。

 食塩摂取量と咽頭がんリスクとの有意な関連は認められなかったが、岡本氏らは「咽頭がん症例が少なく統計学的検出力が低かったことによる」と考察している。

 

干物、加工肉・魚、漬物の摂取では有意なリスク上昇なし

 さらに、100g当たり1.0g以上の食塩を含む高塩分食品〔味噌汁、魚の干物、加工肉、水産加工品(魚肉ハムおよび水産練り製品)、漬物〕の種類別に口腔・咽頭・食道がん複合リスクを検討した。その結果、味噌汁の摂取量が1日1杯未満の者に対する複合リスクのaHRは、1日2杯の者で1.63(95%CI 0.95~2.81)、1日3杯以上の者で2.27(同1.33~3.86)に上った(傾向性のP=0.001)。一方、その他の高塩分食品の摂取量と複合リスクとの有意な関連は認められなかった。

 岡本氏らは「他の高塩分食品と比べて、味噌汁は比較群間(摂取頻度別)の食塩摂取量の差が大きかった。また、味噌汁の熱さがリスクを高めた可能性がある」と考察。その上で「食塩摂取量が多くなるほど口腔がん、咽頭がん、食道がんの複合リスクが高まることが示された。さらなる疫学研究や生物学的研究を行って今回の結果を検証する必要がある」と結論している。

<引用ここまで>

 

食塩と胃癌のデータはすでにありました。

食道がんは、聞いたことないと思います。

 

ぜひ減塩・無塩でガンを減らしましょう。

<引用ここから>

 食品中の果糖はがんの進行を促進する?

 糖の一種である果糖(フルクトース)は、がん細胞の増殖を促す燃料になる可能性があり、果糖の摂取を控えることが、がんと闘う手段の一つになり得ることが、新たな研究で示唆された。米セントルイス・ワシントン大学遺伝学・医学部教授のGary Patti氏らが、米国立衛生研究所(NIH)から一部助成を受けて実施したこの研究の詳細は、「Nature」に12月4日掲載された。

 米国人が毎日口にしている食品には高果糖コーンシロップが多用されており、果糖はすでに米国人の食生活に広く浸透している。Patti氏は、「高果糖コーンシロップは、キャンディーやケーキから、パスタソースやサラダ用ドレッシング、ケチャップまで、極めて多くの食品に含まれている。意図的に摂取を回避しようとしない限り、高果糖コーンシロップを食事から除くことは困難である」と話す。

 何世代か前までは、米国人の果糖の摂取量は比較的少なかった。しかし、数十年前から食品業界は多くの製品に高果糖コーンシロップを添加するようになった。そのタイミングと一致して、50歳以下の人の間で特定のがんが徐々に増加しているとPatti氏らは指摘している。

 Patti氏らは今回の研究で、果糖が腫瘍の成長にどのような影響を与えるのかを調査した。まず、メラノーマ、乳がん、子宮頸がんの動物モデルに果糖を多く含む餌を与え、腫瘍の成長速度を測定した。その結果、果糖は、体重や空腹時血糖値、空腹時インスリン値に影響を与えることなく腫瘍の成長を促進することが確認された。Patti氏は、「果糖の影響の大きさには驚かされた。腫瘍の成長速度が2倍以上に加速したケースもあった。果糖の大量摂取が腫瘍の進行に極めて大きな悪影響を及ぼすことは明らかだ」と述べている。

 しかし、次の実験室での分子レベルの分析から、がん細胞には、果糖を栄養源として直接利用するための生化学的機構が備わっていないことが判明した。Patti氏らが、高果糖食で飼育した動物の血液中の小分子について再調査したところ、リゾホスファチジルコリン(LPC)などのさまざまな脂質のレベルが上昇していることが確認された。また、肝細胞が果糖を代謝する過程でLPCを放出することも明らかになった。Patti氏は、「興味深いことに、がん細胞自体は適切な生化学的機構を発現していないため、果糖を栄養素として利用できなかった。しかし、肝細胞はそれが可能であり、果糖をLPCに変換して、それをがん細胞に栄養として供給することができる」と話している。

 Patti氏は、「食事に含まれる果糖ががんの発症にどのような影響を及ぼすのかについて、今後、もっと多くのことが分かれば素晴らしいことだ」と言う。その一方で、「今回の研究で明らかになったメッセージの一つは、不幸にもがんに罹患した場合には、果糖の摂取を回避すべきだということだ。しかし、果糖はあまりにも多くの食品に含まれているため、残念ながら、『言うは易し行うは難し』というのが現実だ」と付け加えている。

Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41586-024-08258-3

<引用ここまで>

がんは果糖を使えないのに、なぜか果糖が癌の増殖を促進します。

 

私は果糖の引き起こす高インスリン血症が、癌の増殖を促進すると考えます。

この考え方の方が、シンプルで、理にかなっていると思います。

私、いい歳しながら SV-650X に乗ってます。

いいバイクです。

ヨシムラマフラーもいい音してくれます。

 

しかし、直4の音はアコガレです。

Vツインもいいんですよ。

でも高回転では直4のレーシーな音がやっぱりいいんですよ。

(Vツインはクラシックレースとかでしか使われません。)

 

行きつけのショップで出ました。

GSX-S750

マニアックすぎ。

国産最後の直4, 750cc

バリバリ伝説のヒデヨシが乗ってたカタナの子孫です。

 

.....即契約してしまいました。

4月15日以降に納車予定です。

X(旧Twitter)などへは転載可なので転載
(引用ここから)
老化は避けられないもの ―― そんな常識が変わるかもしれない。老化を「治療可能な疾患」と見なし、世界中でさまざまな老化治療アプローチが研究されている。順天堂大学大学院循環器内科教授の南野徹氏らは、加齢に伴って体内に蓄積する老化細胞と動脈硬化などの循環器疾患の関係に着目し、老化細胞除去ワクチンの開発(Nat Aging. 2021; 1: 1117-1126.)や、SGLT2阻害薬による老化細胞除去効果(Nat Aging. 2024; 4: 926-938.)などについて発表してきた。
 「時流◆SGLT2阻害薬は老化治療薬になるか」では、南野氏が取り組んでいる老化治療の最新研究について聞いた。第3回(最終回)はSGLT2阻害薬が老化細胞除去薬になり得る可能性について。(聞き手・まとめ:サイエンスライター・島田祥輔/2024年11月28日取材、全3回連載)
(引用ここまで)
SGLT2阻害薬ねぇ。
まぁ、いろいろ実験してるみたいだけど
本質を理解されていないようで。
 
SGLT2阻害薬の本質は
低インスリン血症と尿中ナトリウム排泄です。
無塩ケトン食を実践できれば、おなじことは実現できますので、薬はいりません。
高インスリン血症は、体内時計を回して、修復機転による老化を促進します。
これはハーバード大学の低カロリー食のサルの実験ではっきりとわかっています。
(興味のある方はググってみてください。)
 
かくちゃん理論では
食事療法で難しい方には
SGLT2阻害薬を推奨しています。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

 

<引用ここから>

SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ

 近年、SGLT2阻害薬は実験レベルでさまざまながん種に対する抗腫瘍効果が示唆されている。
臨床においても、無作為化試験や観察研究などでSGLT2阻害薬とがん発症リスクとの関係が検討されているが結論は出ておらず、
一般的にがん発症率が低いことを考慮すると大規模な疫学コホートでの検討が必要となる。
今回、東京大学/国立保健医療科学院の鈴木 裕太氏らが全国規模の疫学データベースを用いて、SGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬を処方された患者におけるがん発症率を調べた結果、SGLT2阻害薬のほうががん発症リスクが低く、とくに大腸がんの発症リスクが低いことがわかった。Diabetes & Metabolism誌2024年11月号に掲載。

 大規模疫学データベースにおいて、新規でSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬を処方された糖尿病患者を解析した。
主要評価項目はがん発生率とし、傾向スコアマッチングアルゴリズムを用いて、SGLT2阻害薬群とDPP-4阻害薬群におけるがん発症率を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・2万6,823例を1:2(SGLT2阻害薬群8,941例、DPP-4阻害薬群1万7,882例)に傾向スコアマッチングした。平均追跡期間2.0±1.6年の間に1,076例ががんを発症した。
・SGLT2阻害薬投与はがんリスク低下と関連し(ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.70~0.91)、とくに大腸がんリスクの低下と関連していた(HR:0.71、95%CI:0.50~0.998)。
・この結果は、オーバーラップ重み付け解析(HR:0.79、95%CI:0.66~0.94)、治療の逆確率重み付け解析(HR:0.75、95%CI:0.65~0.86)、導入期間の設定(HR:0.78(95%CI:0.65~0.93)を含む種々の感度解析で一貫していた。
・がん発症リスクはそれぞれのSGLT2阻害薬で同程度であった。

 この全国のリアルワールドデータを用いた検討結果から、著者らは「糖尿病患者におけるがん発症抑制においてはDPP-4阻害薬よりSGLT2阻害薬のほうが有利である可能性が示された」としている。

原著論文はこちら

Suzuki Y, et al. Diabetes Metab. 2024;50:101585.

<引用ここまで>

 

SGLT2阻害薬は低インスリン・高ケトン状態を招きます。

ケトン食と同じですね。

ということでケトン食ががんに効果があるなら

SGLT2阻害薬はがんに影響があると、私は以前から考えていました。

やはり科学的アプローチは正しい結論を導くようです。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>


オメガ3・6脂肪酸の摂取はがん予防に有効


 多価不飽和脂肪酸(PUFA)のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の血中濃度は、がんの発症リスクと関連していることが、新たな研究で示唆された。
オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いことは、結腸がん、胃がん、肺がん、肝胆道がんの4種類のがんリスクの低下と関連し、
オメガ6脂肪酸の血中濃度が高いことは、結腸がん、脳、メラノーマ、膀胱がんなど13種類のがんリスクの低下と関連することが明らかになったという。
米ジョージア大学公衆衛生学部のYuchen Zhang氏らによるこの研究の詳細は、「International Journal of Cancer」に10月17日掲載された。
Zhang氏は、「これらの結果は、平均的な人が食事からこれらのPUFAの摂取量を増やすことに重点を置くべきことを示唆している」と述べている。

 この研究でZhang氏らは、UKバイオバンク研究の参加者25万3,138人のデータを用いて、
オメガ3脂肪酸およびオメガ6脂肪酸の血漿濃度とあらゆるがん(以下、全がん)、および部位特異的がんとの関連を検討した。
ベースライン調査時(2007?2010年)に得られた血漿サンプルを用いて、
核磁気共鳴法(NMR)によりこれらのPUFAの絶対濃度と総脂肪酸に占める割合(以下、オメガ3脂肪酸の割合をオメガ3%、オメガ6脂肪酸の割合をオメガ6%とする)を評価した。
対象としたがんは、頭頸部がん、食道がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、肝胆道がん、膵臓がん、肺がん、メラノーマ、軟部組織がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がん、脳腫瘍、甲状腺がん、リンパ系および造血組織がんの19種類だった。

 平均12.9年の追跡期間中に、2万9,838人ががんの診断を受けていた。
喫煙状況、BMI、飲酒状況、身体活動量などのがんのリスク因子も考慮して解析した結果、
オメガ3脂肪酸およびオメガ6脂肪酸の血漿濃度が上昇すると全がんリスクが低下するという逆相関の関係が認められた。
全がんリスクは、オメガ3%が1標準偏差(SD)上昇するごとに1%、オメガ6%が1SD上昇するごとに2%低下していた。
がん種別に検討すると、
オメガ6%は13種類のがん(食道がん、結腸がん、直腸がん、肝胆道がん、膵臓がん、肺がん、メラノーマ、軟部組織がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、脳腫瘍、甲状腺がん)と負の相関を示した。
一方、オメガ3%は4種類のがん(胃がん、結腸がん、肝胆道がん、肺がん)と負の相関を示す一方で、前立腺がんとは正の相関を示すことが明らかになった。

 オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸は、脂肪分の多い魚やナッツ類、植物由来の食用油に含まれているが、十分な量を摂取するために魚油サプリメントに頼る人も多い。
しかし研究グループは、これらのPUFAの効用が全ての人にとって同じように有益になるとは限らないとしている。
実際に、本研究では、オメガ3脂肪酸の摂取量が多いと前立腺がんのリスクがわずかに高まる可能性のあることが示された。
論文の上席著者であるジョージア大学Franklin College of Arts and SciencesのKaixiong Ye氏は、このことを踏まえ、
「女性なら、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やすという決断も容易だろう」と同大学のニュースリリースの中で話している。

原著論文はこちら
Zhang Y, et al. Int J Cancer. 2024 Oct 17. [Epub ahead of print]

<引用ここまで>

 

ケトン食といっても、いろんな油脂があります。

かくちゃん理論ではオメガ3脂肪酸の摂取を推奨しています。

簡単な実践としては「フィッシュケトン食」ですね。

今回の論文もかくちゃん理論が正しいことを示唆していると思います。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

<引用ここから>


若年発症大腸がん、主な要因は赤肉か

代謝産物と腸内微生物叢のデータを分析した米研究


 近年、50歳以下で大腸がんを発症する若年発症大腸がん患者が増加傾向にあるが、赤肉や加工肉がその主な原因である可能性があるようだ。代謝産物と腸内微生物叢のデータ分析から、食事由来、中でも赤肉や加工肉に関連する代謝産物が若年発症大腸がんリスクの主な要因である可能性が示された。米クリーブランドクリニックのNaseer Sangwan氏らによるこの研究の詳細は、「NPJ Precision Oncology」に7月17日掲載された。

 研究グループは過去の研究で、若年発症大腸がん患者と平均的な年齢で発症した大腸がん患者では代謝産物に違いがあることを明らかにしていた。また別の研究では、大腸がんの若年患者と高齢患者では腸内微生物叢に違いがあることが示されている。Sangwan氏は、これらの研究は、若年発症大腸がんの研究を進める上で多くの示唆をもたらしたが、がんリスクに関わる要因が増えることにより、研究結果の解釈やその後の計画も複雑になると指摘する。さらに、腸内微生物が代謝産物を消費して独自の代謝産物を生成するという代謝産物と腸内微生物叢の相互作用も、問題をさらに複雑化する。

 そこでSangwan氏らは、AIアルゴリズムを構築して、若年発症大腸がん患者20人(以下、若年患者)と60歳以上で大腸がんを発症した患者44人(以下、高齢患者)を対象に、血漿のメタボローム解析と腫瘍組織の16S rRNAアンプリコンシーケンス解析による腸内微生物叢の解析を行った。

 その結果、若年患者と高齢患者の間に観察された違いの多くは食生活の違いに起因することが明らかになった。具体的には、若年患者では高齢患者に比べて、アミノ酸の消化により生成される代謝産物であるアルギニンのレベルと、尿素回路に関連する代謝産物のレベルが高い傾向にあることが明らかになった。尿素回路は、体内でタンパク質が消化される過程で生成されたアンモニアが血液から濾過され、最終的に尿とともに排泄されるプロセスである。

 これらの結果について研究グループは、「若年発症大腸がん患者のこれらの代謝産物レベルの上昇は、赤肉や加工肉の長期にわたる過剰摂取により説明できる可能性がある」との見方を示している。またSangwan氏は、「本研究結果は、若年発症大腸がんの主な要因が食事であることを明確に示している。リスクに関連する主な代謝産物はすでに判明しているのだから、今後はこの結果に沿って研究を進めていけばよいだろう」と話している。

 研究グループは、本研究結果は良い知らせだとの見方を示す。なぜなら当初、研究グループは、大腸がんリスクを下げるためには腸内微生物叢を大幅に変える必要があると考えていたからだ。論文の上席著者であるクリーブランドクリニックの消化器がん専門医であるSuneel Kamath氏は、「腸内微生物叢を変えるのは非常に複雑な上に難しい。食生活の変更も容易なわけではないが、腸内微生物叢を変えることに比べるとはるかに容易だ」と話す。さらに、研究グループは、大腸がんの検査としても、便サンプルの遺伝子配列を調べて腸内微生物のレベルを確認するより血液検査で代謝産物を調べる方が簡単な可能性があることも利点の一つだと述べている。

 研究グループは、次のステップとして、より大規模な大腸がん患者を対象に研究結果を検証する予定だとしている。また、食事や薬剤によって代謝産物のレベルを下げることが可能かどうかも検証したいと話している。


Jayakrishnan, T.T., Sangwan, N., Barot, S.V. et al. Multi-omics machine learning to study host-microbiome interactions in early-onset colorectal cancer. npj Precis. Onc. 8, 146 (2024). 

https://doi.org/10.1038/s41698-024-00647-1

<引用ここまで>

 

赤身肉・加工肉(主に獣肉)を全く食べるなというのは極端すぎる話で、赤身肉・加工肉ばかり食べるとがんリスクが高くなりますよ、という話だと思います。

かくちゃん理論では、食材を問わない糖質制限食は最善ではなく、フィッシュ・ケトン食がより良い食事だと考えています。

タンパク質を摂るなら、地中海食のように魚介類や家禽類(鶏肉や鴨肉など)を中心にする方が健康に良いと考えています。