「白いドレスの女」 1981年 113分
監督・脚本・ローレンス・カスダン、音楽・ジョン・バリー
出演・ウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、
ミッキー・ローク、リチャード・クレンナ
最初に公開されて以来だから、約40年ぶりくらいの鑑賞となった。
女の罠にかかり、殺人まで犯す哀れな弁護士の物語と言ってしまえば
簡単だが、この女の計画の周到な事といったら半端じゃない。
ある暑い夜、見事なスタイルの白いドレスの女に会う所から
物語が始まる。酒好き、女好きの弁護士は一目で惚れてしまい
いなくなった女を探す。やっと見つけてすぐに女の肉体に溺れる。
セックスを武器に女は男を離れられなくしてしまう。
遂には女の夫を殺し、莫大な遺産を手に入れようとする。
これら全て女の計画だった・・・・・・・・・・。
男はウィリアム・ハート、女はキャスリーン・ターナー。
夫にリチャード・クレンナ、男に爆弾の作り方を教えるチンピラが
何とミッキー・ローク。
この映画、この時代には珍しく完全犯罪が成立してしまう。
それも、それを実行したのが女性と言う二重に珍しい作品だった。
私がこの女性を史上最高の悪女と云うのは
この計画、辿って行けばこの助の高校時代にさかのぼる。
そこから金持ちの夫を見つけ、己の肉体を武器にセックスで
思い通りになる様な弁護士を探しと、あまりにも時間がかかる計画を
歯車が欠けないように慎重に事を進めて行く。
こんな女性、そうはいないし、幾ら映画と云っても考えつく事はあまりないだろう。この映画を見た頃は、暑い季節になると
キャスリーン・ターナーのねっとりとした官能的な姿態を思い出していた
ジョン・バリーの不安をあおる様なけだるいリズムも懐かしい。
監督・脚本のローレンス・カスダンの監督デビュー作。
この一作で、監督としての力量も見事に発揮している。
後にスティーブ・マックィーンのために「ボディ・ガード」の脚本を
書いているがS・マックィーンでは実現していないのが
残念でならない。
暑い夏の寝苦しい夜に見る映画だと思う。
真冬には似合わない作品だった。