ベテル長老についての補足
前回アップした「ベテル長老」についてコメントを参考にしつつ,いろいろ調べたので補足します。
まずベテル長老というのはベテルにいる長老という意味ではなく,ベテルの中の長老という役割で,一般長老よりも立場が上とされています。ベテル長老は一般の長老とは違って「統治体が任命した立場」という名目を持っています。年に2回のベテル長老ミーティングで問題を話し合ったり,食事のテーブルでは各テーブルに分散して相談役(ランデル・ワタースいわく霊的な警察)を務めたりしていました。
ところが 2006年8月31日をもってベテル長老の制度自体が廃止になりました。そのため,マニュアルから例の部分は削除されているはずです。
ちなみにラテンアメリカの支部で奉仕していた人はベテル家族の図書館に青いバインダーで閉じられた英語版の「支部組織」マニュアルが置いてあって,3つ穴バインダー形式なのでページを適時差し替えることができるようになっていたと書いていました。
支部のマニュアルを見ると「統治体が任命する」立場に何が含まれているか列挙されていました。

「ベテル長老,ベテル監督,印刷棟監督,事務所棟監督,そして巡回監督と地域監督は支部委員会が統治体に推薦します。その他の奉仕の割り当ては支部委員会が取り決めます。」
その他の立場は支部が承認する立場になります。例えば会衆の長老の任命に統治体が直接かかわることはありません。
ベテル内部の任命を除くと,巡回監督と地域監督だけが「統治体が任命する」立場となっています。
「統治体が任命する」の実態についてはレイモンド・フランズが証言しています。レイモンドは統治体の会議の様子を次のように語っています。
あちこちの国で旅行する代表者に推薦された人のリストを吟味するだけの会議が何週間も続いたこともあった。候補者の名前、年齢、バプテスマを受けた日、「油そそがれた者」であるかどうか、全時間奉仕に何年携わったか、というようなことが順次読み上げられていくのである。候補者たちを個人的に知っていることはまずなかったので、これは名前のリストを読み上げていくというに過ぎなかった。例えばスリナム、ザンビア、スリランカといった国の候補者リストが読み上げられるのを聞き、そのしかるべき地位にふさわしいかどうか投票で決めるのである
良心の危機 p.55
レイモンド・フランズは良心の危機の中で統治体会議での様子を書いていますが,彼は自身が統治体の成員になったときの感想を
「いざ会議に参加し始めてみると、思っていたのとは随分違うものであることがわかった。」
と述べています。