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27.エピソード2 クローンの攻撃サントラ解説 後編
エピソード2、一気に更新していきます。
これ終わったらエピソード3の分析作業に入ります。
まずは普通に観直すだけですが。
スター・ウォーズ エピソード2 / クローンの攻撃 オリジナル・サウンドトラック
前半記事はこちら。
楽曲解説
8.野原のピクニック
来ました!今作のハイライト!
キャッキャウフフゴロゴロもうバカバカ!のお時間です。
前半記事でも書きましたが、この陳腐さがたまらないですよね。
曲は平和なピクニックから始まります。
スターウォーズ9部作で最も平和なシーンです。
対比よ!
アナキンが政治について語りだすと愛のテーマが流れます。
この軽率さがたまらないですよね。
この軽率の結果がアレですからね。
対比!
アナキンが羊のようなクリーチャー、シャアクに乗るシーンで
軽快な愛のテーマが流れます。
平和すぎる・・・。
シーンは飛び、カミーノからジェダイ評議会に報告通信を入れるオビ=ワン。
不穏な音楽。
報告をもみ消そうとするヨーダ。
100年前のアコライトでも同じような過ちが・・・。
再度シーンは移り、アナキンが悪夢にうなされるシーンで
悪夢のような音楽が流れ、朝を迎えた所で曲は終わります。
9.バウンティ・ハンターの追撃
シーンは戻り、ジオノーシスの環でのスレーブⅠとオビ=ワンの空中戦。
ジャンゴが追尾ミサイルを発射するシーンで物々しく曲が始まります。
R4に予備パーツを放出させて難を逃れるオビ=ワン。
小惑星の影に隠れていました。
その後恐る恐るジオノーシスに降り立ちます。
サントラではここで別曲に切り替わります。
時は戻り、カミーノでクローン兵を視察するオビ=ワン。
クローン兵が隊列をなすシーンで、仰々しく軍学調の曲が鳴り響きます。
変幻自在なドロイド軍のテーマの亜流と見て取れます。
10.タトゥイーンへの帰還
これはタイトルとはちょっと違います。
アナキンとパドメがラーズ家の水分農場に到着するシーンから始まります。
つまりルークの家であるので、
視聴者にとっては「タトゥイーンへの帰還」かも知れない。
3POと再開するシーンで少しコミカル風味の曲になります。
しかしながら状況は深刻であるので風味にとどまる。
3POといえどもおちゃらけられない不穏な空気感。
グリーグ・ラーズから母親の状況を説明されるアナキン。
不穏な音楽。
意を決したアナキンは外に出て夕日の前でパドメと抱擁します。
ルークの家×夕日とくればこの曲。
フォースのテーマ。
名曲二つの夕日をなぞる展開ですが、結末は全く違ったものに。
アナキンは取り返しのつかない結末に向かってスピーダーを発進。
数奇な運命。
ここで運命の闘いが奏でられます。
シーンはジオノーシスのオビ=ワンに移り、恐ろしい陰謀を目にします。
ここで陰謀のテーマ。
曲は終わります。
11.タスケン・キャンプ~故郷
タスケンのキャンプに到着したアナキン。
ウッドブロックが打ち鳴らされ、緊迫感を煽ります。
母親と再開するアナキン。
しかし母親は虫の息。
最期の会話をし、母親は息絶えます。
悲しみは憎しみに変わります。
タスケン・レイダーを皆殺しという凶行に及ぶアナキン。
アナキンの心の痛みは遠くジェダイ聖堂にいるヨーダとメイスにも伝わります。
ヨーダがアナキンの身に恐ろしいことが起きていると発言すると、
ダース・ヴェイダーのテーマが流れます。
全くもって正しすぎるライトモチーフの使い方。
視聴者にもアナキンがダーク・サイドに片足を突っ込んだことが明示されました。
シーンは移りジオノーシスのオビ=ワン。
アナキンに無線通信で呼びかけます。
それをタトゥイーンで受診するR2。
そこに母親の遺骸を抱えたアナキンが帰着。
ここで曲が終わります。
「故郷」という曲名が謎でしたが、原題は「Homestead」。
「〔入植者に与えられる〕自作農場」という意味のようです。
シンプルに水分農場の事ですね。
確かにそこで曲が終わってます。
12.愛の誓い~アリーナ
アリーナに入る直前のシーンから始まります。
ストレートに愛の告白をするパドメ。
曲は当然愛のテーマ。
大盛り上がりする愛のテーマと共にアリーナへ入場。
そこにはオビ=ワンも既に捕まっていました。
ポグル大公とドゥークー、ジャンゴが入場し、処刑開始を宣告。
リーク、アクレイ、ネクスーの3体の猛獣が入場するシーンで
勇壮な行進曲、ドロイドのテーマの亜種が鳴り響・・・かない!
鳴り響きません!
本編では音楽全カットです!
なんでや!
創造主ルーカスは音楽をカットしましたが、
我々ジョン・ウィリアムズ・マニアはここで一旦映画の再生を停め、
サントラを準備したならタイミングを合わせて同時再生しましょう。
勇壮な行進曲に乗せて勇猛に入場する猛獣の姿を拝むことが出来ます。
これがジョン・ウィリアムズ御大の描いた猛獣の本来の姿であります。
拝聴してください。
再生タイミングさえ合わせれば絵にピッタリ合いますから。
本編ではアナキンがリークの背中に飛び乗るシーンから音楽が再開されます。
ただし、映像が直前まで編集されていたと見えて、曲はツギハギです。
コルサントの追走曲も混入しています。
パドメがアナキンの操るリークの背中に飛び乗るシーンでは
愛のテーマが流れます。
曲は相変わらず編集されまくってますが、
メイスがかっこよく登場するシーンで曲が中断。
ジェダイ軍団がアリーナで突撃するシーンくらいで再開し、なんとなく終わります。
なんせこの辺は本編では編集されまくりで何が何やらです。
ヨーダがクローン兵とともに突入してくる曲はエピソード1の曲だし。
起死回生のファンファーレなので使い方は合ってるんですけどね。
13.ドゥークー伯爵との対峙~フィナーレ
はい、対峙してません。
対峙してるシーンではこの曲は流れていません。
まず冒頭の部分は本編ではカットされています。
再び冒頭の部分のパッセージが流れる部分から本編では流れます。
ドゥークーの乗るソーラーセーラーがコルサントに到着するシーンです。
ドゥークーは郊外の廃ビルに向かいますが、
本編ではここに皇帝のテーマが挿入されています。
廃ビルに到着したところからサントラ収録部分に戻ります。
幽玄な女性コーラスが聞こえてきます。
ダース・シディアスが現れました。
全て彼が仕組んだ事だったのです。
シーンはジェダイ聖堂へ移り、オビ=ワンとメイス、ヨーダが語っています。
オビ=ワンがクローン軍のお陰で勝利したと言うとヨーダがたしなめます。
ヨーダが「始まるのじゃ、クローン戦争が」と言うと、
画面いっぱいのクローン軍が映し出され、
遂にはっきりと帝国のマーチが演奏されます。
このクローン軍が後に帝国軍となる事をはっきりと明示しています。
シーンはナブーの湖畔に移り、アナキンとパドメが挙式をしています。
なんていうことを・・・
曲は感動的な愛のテーマ。
愛のテーマが大々的に奏でられ、エンド・クレジットに突入します。
この帝国のマーチ~愛のテーマ~エンド・クレジット
の流れが完璧過ぎます。
5万回聴きたい。
さて、
ここのエンディングで帝国のマーチが奏されることには賛否ありました。
あれは帝国軍ではないし、ダース・ヴェイダーのテーマは
ダース・ヴェイダー誕生までとっておいて欲しいと。
しかしながらどうでしょう?
では何を流しますか?
ドロイド軍のテーマの亜流のやつ?
あるいは作曲されていないけど、ちゃんと作曲したクローン軍のテーマ?
そんなの締まらないでしょ。
そんなよくわかんない曲の後に愛のテーマ流したって終われないよ!
かっこよく終われたからあれで圧倒的正解なんですよ。
オビ=ワンの死ぬシーンだってレイアのテーマなんだから、
ライトモチーフにこだわりすぎるのは良くない。
劇的演出の方を優先して良いのです。
エンド・クレジットに話を戻します。
エンド・クレジットはもちろんいつものジャンガジャンガから始まります。
メイン・テーマ→反乱軍のファンファーレと来て、問題は次です。
今回は愛のテーマです。
当たり前ですね。
右足出して左足出したら歩けるくらい当たり前ですね。
もう愛のテーマをじっくり演奏しきっておしまいです。
清々しい。
本編のエンド・クレジットでは流れませんが、
サントラには末尾におまけが付いています。
それも最高のおまけが。
愛のテーマの後にしっとりとアナキンのテーマ。
そこにかぶさるように愛のテーマ。
しかしベースラインが不穏。
あれ?お前?
ダース・ヴェイダーのテーマじゃないか。
サントラの末尾でアナキンの人生を語り切っちゃう御大。
恐ろしい・・・。
(ボーナス・トラック)
14.コンベイヤー・ベルトに乗って
これは日本版サントラのおまけです。
嬉しい。
曲は主にジオノーシスのドロイド工場でのアナキンとパドメの立ち回りです。
しかしながらあのシーンも曲の編集が激しい。
このサントラ盤は非常に聴きやすくまとまっています。
まず、ドロイド工場の入口でジオノージアンに2人が襲われるシーンから。
曲はおどろおどろしく始まります。
次にシーンが飛んで、R2が3POを突き落とすシーン。
その次はパドメが溶鋼壺に落ちるシーン。
3POの頭が飛ばされてバトル・ドロイドの頭が付けられるシーンまで。
その次はアナキンの腕がコンベイヤーに固定されるシーン。
オーケストラのジャン!とコンベイヤーの動きがリンクしています。
最後にアナキンのライトセイバーが真っ二つにされるシーンで曲は終わります。
エピソード2のサントラ解説は以上です。
いつか完全版が出ると良いですね!