13.エピソードⅤ 帝国の逆襲 特別篇 Disc.2 後半
帝国の逆襲ラストです。
7.ベスピンでの裏切り
曲は惑星ダゴバを飛び立った直後のルークのX-Wingから始まります。
メロディはルークのテーマです。
すぐに場面はクラウドシティのハンとレイアのいる部屋に移ります。
曲はロマンチックなハンとレイアのテーマ。
劇中ではここで曲は一旦停止。
ランドが2人の部屋に来て、破壊された3POに気づくところから曲が再開。
一瞬の不穏な和音の後、2人をディナーに案内するシーンで
ランドのテーマが流れます。
優雅にクラウドシティを歩く3人に対し、メインメロディはランドのテーマで、
そのカウンターメロディとして反乱軍のファンファーレも顔を覗かせます。
曲ではランドの反乱軍への協力を示唆させつつ、
突然短縮版のダース・ヴェイダーのテーマが現れてその期待を遮断します。
ここが見事な対比構造。完璧な天国と地獄といった様相。
初見でここで度肝を抜かれた記憶があります。
その後ろにはボバ・フェットの姿がありました。
ここでボバ・フェットのモチーフが3回目の登場。
場面はベスピンに向かうルークのシーンへ。
曲はもちろんルークのテーマ。
劇中ではここで再び曲が一時停止。
監房で故障した3POを修理しようとするチューイのシーンで曲が再開。
ドロイドのモチーフが一瞬流れます。
場面は変わり、ハンを拷問しようとするヴェイダーのシーンで
ヴェイダーのテーマが流れて曲は終了。
合計3分45分の曲の中に7種類のライトモチーフが登場する盛り沢山さでした。
8.ヴェイダーとの取引
ランドがヴェイダーの脅しを受ける場面から曲が開始。
静かなアレンジのヴェイダーのテーマが帝国の冷酷さを表現します。
場面は3POを修理するチューイに移り、ドロイドのモチーフが流れます。
拷問されたハンが監房に戻され、レイアが労るシーンでハンとレイアのテーマ。
ランドが監房にやってきて2人に忠告するシーンで曲は緊迫し、
ハンがランドに殴りかかるシーンで一瞬アクションスコアになります。
そしてハンとレイアのテーマに戻り、曲は終了。
9.カーボン冷凍/ヴェイダーの罠/ボバ・フェットの出発
雲の中を飛ぶルークのX-Wingから曲は始まります。
メロディは軽やかにアレンジされたルークのテーマ。
ハンがカーボン冷凍室に連れてこられるシーンで帝国のマーチが流れます。
帝国のマーチが珍しくフルフレーズ流れきった後、
ハンとレイアのテーマに移行します。
チューイが暴れ出すシーンでアクションスコアが顔を見せますが、
ハンが帝国から姫を守れと諌めます。
ここは帝国のマーチで引きを作り、その後に再びハンとレイアのテーマに移行。
2人がキスを交わし、例の名台詞で曲は最高潮に達します。
“I love you.” “I know.”
何回観てもかっこよすぎる。
映画史上最高にかっこいい台詞だと思います。
これがアドリブだと言うのだから
ハリソン・フォードのスター性ったらとんでもない。
ハンがカーボン冷凍されるシーンで流れるのは
ここでしか聴けないバージョンの帝国のマーチのイントロ。
交響組曲版の帝国の逆襲ではこれが帝国のマーチのイントロに採用されてます。
ちなみに日テレのT部長もここ好きらしく、電波少年でたまにここ使ってました。
T部長とか言われても若い人にはわからないか。
電波少年ってバラエティ番組内で帝国のマーチと共に現れて、
出演者にとんでもない指令を出す恐ろしいキャラクターだったんですよ。
帝国のマーチの認知度の一般普及には多大なる貢献をしていましたね。
曲の解説に戻りますが、カーボン冷凍されたハンを
心配そうに見つめるレイアのシーンでハンとレイアのテーマ。
再びランドを脅すヴェイダーのシーンで静かにアレンジされた帝国のマーチ。
場面は移り、ベスピンに潜入するルークのシーン。
静かなパッセージが流れます。
と、ボバに見つかり銃撃戦が開始、
バトルミュージックにアレンジされたヨーダのテーマが流れます。
はい、突然のヨーダのテーマ。
場面にヨーダはおりません。
なぜヨーダのテーマか。
ここは2つのことが考えられます。
まず劇中設定から考えますが、ここでのルークはヨーダの門下生なんですね。
そしてヨーダから卒業していないどころか、ヨーダの静止を振り切って
ベスピンに来ているんです。
ヨーダによる修行の途中なんですね。
だからある意味これもヨーダの修行の一環なので、ヨーダのテーマだと。
説得力低いですね。
だからむしろ次の意味の方が大きいと思います。
ここね、活躍してるのルークなんですよ。
普通に考えるとルークのテーマが適切。
しかしどうでしょう?ここをルークのテーマにしちゃうと。
ルークのテーマをアクションスコアにしちゃうと、
1作目の「狭間を飛び越えて」と同じになっちゃうんですね。
「それ前作で聴いた。」になっちゃうんですね。
脳内でルークのテーマをここのシーンに合わせてアレンジしてみると、
明らかにマンネリを回避したと思われる御大の思考が感じとれました。
ちょっとメタ的な考察ですが、そういう意味で
ここはヨーダのテーマなのだと思います。
最後に静かなヨーダのテーマが流れると、劇中では曲は一旦止まります。
サントラ盤ではヴェイダー卿に対峙するルークの様子が
ダークな無調的な音楽で表現されています。
クラウドシティの廊下を歩くランドが帝国に反旗を翻すシーンから曲は再開。
特にライトモチーフは無し。
ボバ・フェットがハンをスレーブⅠに積み込むシーンはダークな曲調。
ハンを救いに行こうとクラウドシティ内を急ぐレイア達のシーンで
アップテンポなハンとレイアのテーマ。
爽快感がある感じに仕上がっています。
劇中ではここで曲が終了し、サントラ盤の以後の部分はカット。
しかし映像とサントラを同時再生してみるとピッタリ合うことがわかります。
曲はヴェイダーとライトセイバーを交わすルークの場面から開始。
ヴェイダーにライトセイバーを弾かれるとヴェイダーのテーマが流れます。
次にルークはカーボンフリーズピットに落ちますが、
恐怖を克服しているのですぐに天井の配管に飛び移るシーンで
フォースのテーマ。
次にフォースでライトセイバーを引き寄せ、
再びライトセイバーを衝突させるシーンでヨーダのテーマ。
ヴェイダーを圧倒し、階下に突き落としファンファーレが流れ、
ホッと一息でルークのテーマが流れて曲が終わります。
10.ライトセイバーの激突
ヴェイダー卿を追って階下に来たルーク。
再び2人が対峙するところから曲は始まります。
ちなみにこのシーンのルークの後ろに隠れミッキーが居ますね。
ヴェイダーがルークにフォースで物をぶつけるシーンで
威圧的なアレンジのヴェイダーのテーマが流れます。
割られた窓からルークが吸い出されると、場面はレイア達に戻ります。
ここで流れるのは・・・ヨーダのテーマ??
えー、あー、うーん。
これは流石に解釈が難しいですね。
楽曲的効果を狙ったと言ってしまうのは簡単ですが、
なんかこう、劇中設定的になんか解釈できる方居たらコメント欄にお願いします。
流石にヨーダ関係ないような気がしますが・・・。
ランドが市民に脱出を呼びかけるシーンでランドのテーマ。
その後はハンとレイアのテーマ。
R2がミレニアム・ファルコンが停めてあるプラットホームの扉を開ける所で
曲は最高潮に達し、ミレニアム・ファルコンが離陸に成功すると
曲が終わります。
11.クラウドシティからの脱出/ハイパー・スペース
ヴェイダーがルークの右手首を切り落とす瞬間から曲が始まります。
ヴェイダーがルークを説得し仲間に引き込もうとするシーンで、
曲はダークな不協和音に支配されていますが、
ヴェイダーが衝撃的な台詞を口にすると重々しくヴェイダーのテーマが流れます。
“I am your father.”
ルークは父の申し出を拒絶すると、ファンファーレと共に手を離し、
クラウドシティの排気口に滑り落ちていきます。
曲は至極わかりやすくホルンの下降音。
クラウドシティの下部の風向計に引っかかったルークは
悲痛な思いでベンに助けを求めます。
しかしふと思い立ちレイアにフォースで助けを求めると、
ミレニアム・ファルコンに乗っているレイアが感応します。
ここで劇的にフォースのテーマが流れます。
レイアのフォースの強さが初めて示唆された瞬間です。
場面は一瞬帝国軍に移り、帝国のマーチが流れます。
ランドがルークを救出し、TIEファイターの追撃が始まるとアクションスコアの開始。
ルークとレイアが再会すると一瞬レイアのテーマが流れます。
今作であまり流れないテーマですが、流石にここはハン関係ないので。
TIEファイターの追撃をかわすアクションスコアの中、
一時挟まれる帝国軍のシーンでは帝国のマーチが挟まれます。
ハイパードライブの故障をR2が知らせるシーンでドロイドのモチーフ。
ヴェイダーがフォースで息子に語りかけるシーンでヴェイダーのテーマ。
曲は再びTIEファイターの追撃を交わす曲に戻り、
R2がハイパードライブを修理し、ハイパードライブにジャンプすると、
クレッシェンドして場面は終わり。
その様子を眺めるヴェイダーが画面に映し出されると
静かにヴェイダーのテーマが流れて曲は終わります。
12.反乱軍艦隊/エンド・タイトル
ハンを探しに旅立とうとするランドとチューイと交信する
ルークのシーンから曲が開始。
曲はフォースのテーマ。
前作のエンディングもフォースのテーマでしたが、
前作とは打って変わって憂いに満ちたアレンジになっています。
その次にルークとレイアが医療船の窓から
ランドとチューイの出立を見守るシーンでハンとレイアのテーマ。
それにしてもこのシーンは銀河系を見下ろしていますが、
これ銀河系の外側の結構離れた位置から俯瞰しているのでは?
パーギルに導かれているわけでもないのに?
ハンとレイアのテーマが情感たっぷりに演奏され終わるとエンド・クレジット。
いつものめでたしめでたしのパッセージで閉じると、
スターウォーズのテーマから開始。
前作で下敷きが作られたエンド・クレジットですが、今作で構成が固まりました。
まず、スターウォーズのテーマが流れ、
次にメドレー形式で今作の新曲のコンサートヴァージョンが順に流れます。
今作で流れるのは
●ヨーダのテーマ
●帝国のマーチ
●ハン・ソロとレイア姫
わぁ、全部超名曲。
スターウォーズシリーズのエンド・クレジット・ランキングで
ぶっちぎりの人気を誇る今作のエンド・クレジットですが、
このラインナップなんだから仕方がない。
もうチート級のラインナップですから。
しかもですね、今作はただのメドレーじゃなくて程よくアレンジされてるんですね。
実に聴きやすい。
エンド・クレジットだけ永遠に聴いていたい。
メドレーが終わったら反乱軍のファンファーレが流れて終了。
今作は全然めでたくないけど次作へと続きます。