【保護情報】イソヒヨドリの幼鳥・ヒヨドリの巣立ち雛 | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは。

JWCの佐草です。

 

さっそくですが、本日は新しい保護情報を2件、お伝え致します。

 

 

7月20日(水)の夜、イソヒヨドリの幼鳥が保護されてきました。

保護した方は植木屋さんで、仕事中に飛べないでいるこの子を見付け、保護したそうです。

 

 

レントゲンを撮ると、右翼の付け根(上腕骨)が骨折していました。

 

が骨折箇所

 

翼の骨折以外には特に外傷は無く、状態は安定していましたが、さとやま保護センターへ移動した後は念の為、ICUに入れて保温を行いました。

翌朝、様子を見ると、前日に置いていた餌はきちんと食べていて、ケースの中でぴょんぴょんと飛び跳ねていました。

これだけの元気があれば大丈夫だろう、ということで、その日のうちに室内バードケージへと移動させ、広い部屋で極力ストレスのかからない環境で経過を見ることにしました。

 

 

翼を元の様に整復するには、外科手術が必要となります。しかし、今回、この子が骨折してしまった場所は、ピンニングが難しい箇所でした。

現在、獣医師ともどのような処置が今後可能か、相談していこうと思っています。

 

 

続いて2件目、次は7月24日(日)にヒヨドリの巣立ち雛が病院に連れてこられました。

家の近くで動けずにうずくまっているのを見付け、その日は雨も降っていた為にそのままにしておくこともできず、巣も親も見当たらなかった為にやむなく保護したそうです。

数日の間は、保護した方がお世話をしてくださっていましたが、段々と元気がなくなってきてしまったということでその日来院されました。

 

※体についているのは、保護した方がご自宅で餌を与えた際に付着してしまったものだそうです。

 この日は体力を温存させる為にそのままにしましたが、翌日、綺麗に拭きました。

 

状態を確認してみると、右翼の風切り部分に少し前についたであろう傷が見られ、初列の数枚の羽が抜けていました。

これは推察ではありますが、傷の状態から巣から飛び立ってすぐにネコに襲われてしまったのではないかと思われます。

 

 

 来院当初は、やはり少し衰弱し始た様子で、目を瞑る時間も長く、餌を強請る時の声も弱々しいものでした。

それでも、ICUで保温しながら、七分餌・栄養補助のパウダー・ネクトン・鳥類用乳酸菌などを水でポタージュ状に溶いたものを少しずつ与えていきました。

そうして給餌を続けていく内に、少しずつ鳴き声も元気になっていき、数時間後には瞳にもだいぶ力が入るようになってきました。

 

そして保護から約一週間後、元々巣立ち雛ということもありましたが、羽ばたく仕草が増えてきた為、室内のバードケージへと移動し、現在もその中で飛行訓練を続けています。

 

 

まだ自食は確認できていませんが、尾羽も随分と伸び、羽も成長のしっかりとした羽が生えてきたので、そろそろ給餌回数を調整し、お腹が空いて自分でご飯を食べることを覚えさせていこうと思っています。

 

 

ということで、今日は立て続けに2件の保護情報をお伝えしました。

最近、連続で保護されてくることが多く、どうしてもその子達の処置や治療が優先となるので、ブログでのご報告ができずで申し訳ないです……。

今のところ、あと3件の訃報含む保護情報をお伝えする予定です。

また、実は本日、無事に3羽の子達のリリースをすることができました! そのご報告も近々させていただきますので、もう暫くお待ちください!

 

最後までおよみいただきありがとうございました。

 

 

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