【保護情報】疥癬症のタヌキ 脚、尻尾など裂傷もあり | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは。
JWCの佐草です。

さっそくですが、本日はまた新たに保護されてきた子について、ご報告したいと思います。


5月28日(土)、疥癬症のタヌキが保護されてきました。
かなり重篤な症状で、腹部以外、全身の皮膚が瘡蓋状に肥厚していて、さらに両脚と尻尾に裂傷も見られました。



脱水も起こしていた為、隔離室に運び込んで急遽、皮下点滴で温めた補液を少しずつ流していきました。
また、駆虫薬も滴下し、傷に対しても処置を行いました。
立つことも辛そうな状態ではありましたが、幸い、自分でご飯を食べることはできました。あまり一気に食べさせて過ぎてしまうと胃に負担をかけてしまう為、少しずつ食べさせていきました。
夕方、改めて静脈点滴のための留置を取り、一緒に抗生剤も注射で入れました。

 



しかし、数時間後、点滴のチューブを噛み千切ってしまい……。

再度、点滴を繋ぎ直そうかとも思いましたが、獣医師とも相談し、「自食もできているし、そこまでの元気があるなら、エリザベスカラーを付けるストレスも考えて、頑張って食事で体力をつけてもらおう」ということになりました。


保護から数日経ちましたが、取り敢えずは食欲もあり、しっかりとご飯も完食してくれています。

ただし、冒頭でもお話したように、かなり重篤な疥癬症であること、そして、両脚の裂傷から、もしかすると神経が麻痺してしまっている可能性もあることから、予断を許さない状況は続きますが、考え得る最善の処置をしていきたいと思います。



また今回も、保護した方から詳しいお話をお伺いしましたが、やはり、周辺では地域猫用にご飯を外に置いているところがたくさんあるそうで、その場所ではこの子以外にも疥癬症のタヌキが多数目撃されているそうです。

『疥癬症のタヌキ』と『ネコ餌』の因果関係は、あくまで私達の団体での推察に過ぎませんが、『ネコ餌を外に置きっぱなしにしない』『タヌキに餌付けを行わない』ことで、ほんの少しでも疥癬症となり苦しむタヌキを減らすことができれば、と思っています。

 

『タヌキの疥癬症』については、本日の23時まで挑戦しているレスキューさんのクラウドファンディングでも詳しくお話させていただいておりますので、もし宜しければご一読の上、ご共感いただけましたらご支援のご検討に合わせ、情報拡散のご協力をいただけますと幸いです。

 

【クラウドファンディングプロジェクトページはこちら】

 

 

ということで、今回は感染症のタヌキの保護情報をお伝え致しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

※JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。

一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力のほど宜しくお願い致します。