【保護情報】カルガモのヒナ | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは。

JWCの佐草です。

 

さっそくですが、本日は保護情報をお伝えしたいと思います。

 

 

5月8日(日)、カルガモのヒナが7羽保護されてきました。保護した方のお話では、小学生の息子さんが公園で遊んでいたところ、用水路の穴にヒナが落ちてしまったのを見ていたようで、近くで親がどうすることもできずにウロウロとしていたそうです。

お母様も、無闇にヒナに手を出してはいけないと、5時間ほど見守ってくださっていたようですが、ヒナが上がってくる様子はなく、そのうちに人だかりができてしまい、怖がった親鳥が逃げてしまった為、息子さんと一緒にヒナを網で掬い上げ、保護に至ったのだそうです。

 

当初、9羽いたようですが、すぐに2羽が亡くなってしまい、翌日、残った7羽をのづた動物病院に連れてきてくださいました。

 

診察を終えて、ひとまずさとやま保護センターへ移送し、餌を与えつつ、保温を行いました。

 

保護当初の様子

 

それと同時に、別働でもしかしたらまだ親がまだ近くにいるかもしれないと、保護された現場に向かいました。

そこで、ちょうど発見者である息子さんがその日も公園で遊んでいたので、お母様にお断りを入れてから詳しくお話を聞くことにしました。

息子さんに、網で掬い上げた場所を聞いて案内してもらうと、確かに、親は入れないような大きさの穴が開いており、ヒナが落ちてしまえば、上がることはできなかっただろうということが分かりました。

その後、周辺を捜索し、お近くにお住まいの方にもお話をお伺いして親を探しましたが、ヒナのことを諦めてしまったのか、見つからず、諦めてさとやま保護センターへ帰りました。

 

その間も、残っていたスタッフで必死に保温をして様子を見ていましたが、前日の疲労と、親と離れてしまったことによるストレスが溜まっていたようで、連れてきてすぐに1羽が亡くなり、その日の夜のうちに、さらに3羽亡くなりました。

 

最終的に、現在は3羽残っていますが、うち1羽は体重が保護当初から増えておらず、時折目をしばしばとさせて、口で呼吸するような仕草を見せています。恐らく、親と離れたストレスがかなり響いているのだと思われます。

カルガモは、早成性の鳥類で、生まれてすぐに自分で採餌が行えます。ただ、自立できるようになるまでの期間、親から離れることは死を意味する為、必死で親について過ごします。

そういった種の子は警戒心も強く、強制給餌はかえってストレスをかけて誤嚥を起こしてしまう可能性も非常に高い為、何とか自分でご飯をたくさん食べてくれることを願う他にありません。

 

1羽心配な状態は続いていますが、そんな中でもご飯を一生懸命に食べて、水浴びも毎日して、晴れた日には日光浴もしています。

 

残った3羽 ケースの簡易池で泳いでいる様子

 

今回の雛鳥の保護に関しては、親ガモのところに返してあげることも叶わず、致し方なかったとはいえ、非常に残念なケースです。

 

せめて今頑張って残っている3羽だけでも、何とか命を繋げられるよう、最善を尽くしていきたいと思います。

 

 

今回は、カルガモのヒナの保護情報についてご報告させていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

《JWCからのお願い》

この時期、ほとんどの哺乳類・鳥類は子育てをします。

ヒナや幼獣の近くには、親がいることが大半ですので、見つけても、すぐに保護をしないようにしてください。結果的に親子を引き離す結果となってしまう可能性があります。

 

 

【クラウドファンディング挑戦中!】

 

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一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力のほど宜しくお願い致します。