【保護情報】スズメバチ駆除の粘着剤にくっついて… | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは晴れ

佐草です照れ

 

今日東京は雨降りで、「冬か?」と思うほど寒い……いや、もうめちゃめちゃ寒いです……ショック

自他ともに認める寒がりなので、許されることならもう冬眠したい……。そんなことしたら、間違いなく他のスタッフに怒られるのでできませんが……。

これだけ急激に気温が下がると、どれだけ日頃気を付けていても体調を崩す方も出てくると思いますので、どうぞお気を付けて!!

お鍋でも食べてあったかくしてくださいね!!鍋チュー

 

 

さて、今日はまた新しい保護情報です。

昨晩、「庭に設置していたスズメバチ駆除用の粘着剤に引っかかっていた」ということで、エナガが保護されてきました。

こちらに連れてくる前に、多少粘着剤を取ってくださったようなのですが、まだかなり全身がベタベタしていて、胸に足がくっついて立つこともできない様子でした。

 

 

本当は、少しでも何か食べて欲しいところではありましたが、昨日は少し時間も遅かったことと、体力も消耗しているだろうということで、ひとまずは保温だけして休んでもらうことにしました。

 

そして今日、「大丈夫かな……ちゃんと生きててくれてるかな……」と一抹の不安を抱えながら朝様子を見に行くと、きょとんとした顔でこちらを見上げていました。それにほっと胸を撫で下ろしつつ、さっそく粘着剤の除去に取り掛かりました。

 

 

小麦粉を粘着剤の部分につけて指でほぐし、羽が抜けないように時間をかけて少しずつ取り除いきます。翼の部分は折れてしまわないよう、歯ブラシも使いました。

 

 




あまり長く触ってしまうとストレスになる為、今日一日で全てを取ってあげることはできませんでしたが、足の粘着剤は大体取れたので、枝に掴まれるようにはなりましたほっこり

床に蹲っている状態では、せっかくエナガの特徴でもある立派な長い尾羽が傷んでしまうので良かったです照れ

 

 

あとはしっかり餌を食べてくれると良いのですが……。

引き続き、経過観察をしつつ、粘着剤の除去を行っていきたいと思います!!

 

 

動物が保護されてくる度にあまりネガティブなことをいうのもどうかとは思うのですが、保護の翌日、この子が生きていてる可能性は正直、五分五分でした。というのも、やはり野生動物はストレスに弱く、こうして人間の手にかかっているということだけで、死に至るほどのストレスとなることもあるからです。また、彼らはどんなに厳しい状況でもなかなか弱みを見せないので、見た目よりもダメージを受けている可能性があります。

「この子は頑張ってくれそう!」と思った子が、翌日冷たくなっている。そんなことが日常茶飯事なので、常に『最悪』を頭のどこかで覚悟しています。

今回のエナガも、確かに外傷があるわけではないので、亡くなる可能性は低いかもしれません。しかし、ストレスで餌を食べなくなり、衰弱死する可能性も考えられます。

もちろん、どんな子に対しても最後まで諦めることはしませんし、リリースに向けて最善の治療・リハビリを行っていきますが、『そういうこともある』ということを、ぜひご理解いただければと思います。

 

 

ということで、今回はエナガの保護情報でした!

どうにか元気にリリースできるといいな~~!!おーっ!

 

お読みいただきありがとうございました雨

 

 

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