【保護情報と訃報】巣立ち前のヒヨドリ | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは

室中です。


今回は残念なお知らせがあります。

先日、巣立ち前のひよどりが保護されましたが、手当ての甲斐なく、保護受け入れの翌朝に亡くなりました。


この子は、くちばしの付け根がまだ白く、柔らかいこと、また尾羽や風切羽が伸びきっていないことから、落巣ヒナであることが分かります。

保護した方のお話では、「子供が公園で見つけたところをしばらく見守っていたが、道路まで出てってしまったので安全なところに移動させ、その後暗くなってしまったため保護した」とのことでした。



保護当初は、鳴く様子もなくて元気がありませんでしたが、病院スタッフが少しずつ給餌していったところ、小さく鳴くようになりました。

さとやま保護センターへ移動してからも、約10分おきにすり餌を与えました。

ヒヨドリのヒナは、自分の顔よりも大きな芋虫などを食べるので、すり餌も芋虫ほどの柔らかさに練ってあげました。


必死に食べようとしてくれていましたが、どうしても嚥下が弱く、たびたびふっと目を閉じる様子もあったので、今夜が峠かなと覚悟はしていました。

そして、次の日の早朝、確認したところ残念ながら亡くなっていました。

小さな身体で、最後まで本当に一生懸命生きようと頑張ってくれたと思います。


今回は、巣立ち前のヒヨドリのヒナの保護情報と訃報でした。


お読み頂きありがとうございました。




【JWCから雛鳥保護に関するお願い】


今の時期は、鳥の子育てが盛んな時期であり、野鳥の保護件数が多いのもこの時期です。


この子のように、尾羽が短かったり、嘴の付け根が黄色だったり白だったり、羽がほとんど生えていなかったりする『巣立ち前のヒナ』を見つけた際には、まず、

近くに巣や親鳥がいないかを確認していただきたいです。それでも、巣が見当たらない場合や親鳥がいない場合に初めて『保護』という手段を考えます。


もし保護できなかったとしても、その子は他の動物のエネルギーになります。鳥の視点で言えば残酷なことのように感じるかもしれませんが、そのヒナ鳥たちもタヌキやイタチにとっては生きていく上で大切な食糧となります。

哺乳類もだいたい同じ時期に子育てを始めるので、もしかすると赤ちゃんを育てる為の母乳になるかもしれません。

本来であれば、人の手が加えられることのなかった命です。ヒナ鳥を見つけたとき、たとえ助けられなかったとしても、その命は必ず無駄にはなりません。他の動物の命に繋がったんだと思っていただけると嬉しいです。

 

今後、道端や公園、家の庭先などでヒナを見かけたとき、保護を迷ったときに今一度保護が必要なのかを考え直していただけたら幸いです。



JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。

一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力のほど宜しくお願い致します

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