猛禽類の保護家、サイモン・トムセット氏がマサイマラ国立保護区で約5日間の猛禽類プロジェクトを行いました。
このプロジェクトの目的は、より多くの人たちにマサイマラから猛禽類が減少していること、猛禽類と肉食動物との関係などを知ってもらうことです。今回の保護調査では、ハゲワシを捕獲しタグ付けをして、リリースするという手順で行うということで、JWCも一緒に活動する事になりました。ナイロビスタッフのサイモンもこのプロジェクトをサポートするため、急遽マサイマラ国立保護区に到着しました。
初日は運よく狩りを終えて、お腹を膨らませた雌ライオン2頭を発見し、ライオン達が食べた後に群がるハゲワシの罠を設置しました。しかし、2頭のライオンは満腹になってその場を去るどころか、トムセット氏の車の影で完全にくつろいでしまい、自分達の餌を横取りされないように見守っているような状態でした。いつまで待ってもライオン達はその体勢を崩さず、初日はそのまま打ち切りとなりました。
2日目はトムソンガゼルの死骸を発見しましたが、セグロジャッカルの姿しか見えず、ハゲワシの捕獲はできませんでした。その後もハンティングされた動物の捜索を続けましたが、なかなか見つからず、調査が思うようには進みませんでした。
それからはトムセット氏・マサイ族の協力・JWCと手分けをして、ハンティングされた動物やハンティングする動物の縄張りに行きハンティングの瞬間を狙うなど、良い状況を発見次第、互いに連絡を取り合って、現地に向かうという形をとりました。行く先で出会うロッジドライバーにも情報提供の依頼をしていましたが、結局有力な情報は入らず、今回は一羽にもタグ付けすることなく、プロジェクト期間を終えることになりました。
トムセット氏は長年の経験より、この仕事は今回のような空振り調査になることもあり、とても忍耐のいる仕事だが、今回はとてもアンラッキーな日が続いたと話していました。しかし長年、猛禽類を追いかけてきたトムセット氏はこの分野のプロフェッショナルとして、今後もこのような活動を地道に続けていかなければならないという絶対的な自信を持っていました。
JWCでは今後もこのようなプロジェクトをどんどんサポートしていきたいと思っています。引き続きご支援をよろしくお願いします。
写真1.ハゲワシに付けるタグを持っているトムセット氏
2.ハゲワシの罠を仕掛ける
3.コイヤキのハゲワシたち


