
老人が穏やかに過ごせないと、自分達の家族が呪われてしまうと信じられていて、子ども達やその後の世代の人たちも繁栄した生活を送れなくなってしまうと言われているのです

たいてい一番末の息子の家で暮らしますが、どの子供の家で暮らすかは自分で決めることができます


そしてとても大切な存在である友人や親族の家をよく訪ねます。食べ物はウジ(お粥)、ミルク、お肉の入ったスープで、一日に何度も食べるのが習慣です

老人にはそれぞれカップやひょうたんなど自分の器があって、それを使って決まった子供かその子の母親が食事を出してくれます

村での老人の役割

1.伝統的な儀式を若者に教え、その儀式を取り仕切ること
村ではいくつか伝統的な行事があって、その伝統には忠実に従います。結婚式や割礼、誕生の儀式のような時には知識の豊富な老人の指導の下、行われます

2.村に調和をもたらし、発展を促すこと
村ではどこへ行っても秩序が保たれています。だから警察なんていないのです。年配の人たちは仲裁者となって村の平和を見守っています。そうすることで、村では一人一人が大切な存在で平和な環境に暮らすことの大切さを知っていくのです

3.若い世代の子供たちに文化や儀式について教えていくこと
マサイの人々は自分達の文化に誇りを持っています。しかし伝統を守っていくことは簡単なことではありません。
だからお年寄りが若者達に伝えていくための場があるのです。子供たちと一緒に歳をとるとはどういうことかなどの話をしながら、楽しい余生を過ごします。だから子供たちもお年寄りからたくさんの事を学ぶことができるのです

夜になってから話をすることが多いですが、マサイとしてどのようにあるべきかなどの話もよくするのです。
4.家や子供たちの面倒を見ること
マサイの老人は子供たちの面倒をよく見ます。母親はヒツジの放牧をし、父親はウシの放牧、大きな子供たちは子牛の面倒を見るので


5.村の人たちの相談に乗ること
家でもどこでも何かをする時には必ず村の賢者である老人のアドバイスを求めなければなりません。