あまりにも、テレビでの持ち上げが激しいので迷っていたんだけれどもね。やっぱり、せっかくだからということで、『踊る大捜査線N.E.W.~メトロポリスを駆け抜けろ』(本広克行・監督/君塚良一・脚本)を観た。前作というか、系列作品と言ってもいいのかな、同じスタッフで前回の『室井信次~生き続ける者』(2024年公開)が思っていた以上に良作だったということも、モチベーションにはなった。
テレビそのものは、見続けてはいたわけではないのだけれども、何となく概要は把握しているような気がしている。それに、娯楽映画ということでもあり、細かいところにはそんなに拘らなくてもいいのかなぁとも思っている。そんな思いで観ていた。
東宝のキラキラマークの後、いきなりアニメシーンになって「セブンベアー」なんていうのが出てきて「なんじゃこれは…?」なんて思っていたところから始まった。もちろんそれが、後半本編に関わってくるのだけれども、このあたりの繋げ方というのは、さすがに職人芸というか、上手いなぁということにはなるのかな。とも、後半には思っていた。
その後、何がどうなっているのかちょっと状況を把握する前にどんどんと誘拐事件らしきものが進行していく中で、これはどうなっていくんだ、よくわからんぞ、と思っていた。ところが、それが実は、都市全体を巻き込んだ大予行演習だったということで、そういうことなの…と、ちょっとはぐらかされてしまう。
そんな忙しい展開で始まっていくのだけれども、観ている側としてはいつの間にやら、今度は分からない殺人事件に引っ張り込まれていくことになる。殺害された被害者、犯人の殺害動機など、いろんな部分で共通性がないまま捜査は進んでいく。
捜査の指揮は、AIにゆだねるようなところもあって、現場キャリアの長い刑事たちはいささか戸惑いというか、しっくりいかないところも感じながら進められていく。このシーズの主人公となっている織田裕二の青島俊作もそんな一人である。だから、すぐに現場へ向かい、自分の目で確認をしていきたくなるというアナログタイプである。こういうところは、ボクなんかもアナログ人間でもあり、十分に納得できるところでもある。
3Dプリンターで作成した拳銃を使用するとか、毒性ウイルスを街にばら撒くというような脅迫文があったり、スクリーンは目まぐるしく展開していく。その一方で、青島を中心とする現場の取材班は、自分の拘りを大事にしていく。
現実には、こんなことはありえんだろうなと思わせる要素もいっぱいあるのだけれども、この手の娯楽映画としての常としては、こういう映画的無茶さというのは、許容できると言えば許容できるのかもしれない。
そして、最後はお台場のイベント会場で、思わぬ形の犯人を取り押さえるということになるのだけれども、映画としてはハッピーエンドと言えばそうなのかもしれない。そして、今までこのシリーズを観てきていた人たちにとっては、オムニバス的な要素も含まれていた。そんな、このシリーズの集大成的映画でもあったのかなぁと思う。
なお、「N.E.W.」とは、「新しい」という意味のNEWではなく「NEXT.EVOLUTION.WORLD.」ということで、次に進化していく世界ということであるようだ。つまり、新しい青島俊作の登場ということなのだろうか。



