昨季、不祥事発覚で有無を言わせず降格となった日野のDIVISION3の戦い | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 昨季、DIVISION2でも好調な成績を残していた日野。このままいけば、DIVISION1への昇格の可能性も十分にあるぞと思わせる勢いだった。ところが、シーズン半ばでキャンプ地の店で何人かの選手が酔って暴れたという不祥事が発覚した。そして、それらを追及していくうちに、他チーム名を名乗っていたということも明るみになって、これは救いようのない不祥事だということで,出場辞退となった日野。

 もちろん、DIVISIO2は最下位となって入替戦にも出場できず自動降格。

選手入場。白がマツダスカイアクティブ広島。赤がホストの日野レッドドルフィンズ

 

日野レッドドルフィンズ 61(28―0/33―12)12 マツダスカイアクティブ広島

 

 今季は、汚名返上どころではないシーズンとなった日野。まずは、しっかりとした戦いをして周囲に認められながら結果を残して、当面の目標としてはDIVISION2への復帰を目指していきたいところである。というか、それこそが、応援してくれているファンに対しても最大の謝罪だということになる。ここまでは4戦全勝。安定した試合運びで着実に勝ちを重ねている。

 この日も日野は、6分にSH⑨橋本(熊本西→東海大)が中央ライン付近からするりと抜けてそのまま走り込んで先制トライ。さらに22分にもSO⑩サイモン(NZ)が22mライン内から大きく飛ばしパスで右へ振って、WTB⑭小島(明大中野→明大)が走り込んで2本目のトライ。さらに、24分にもCTB⑬松井(農大二→帝京大)がゴール下に抑える。そして31分にもスクラムからSH⑨橋本がまたしてもスルリと持ち出して抜けてトライ。彼は、この判断力が素晴らしい。ゴールもすべて決まっていたので、前半で28対0という差になった。

ラインアウトの激しい競り合い

 

 後半に入っても日野の主導権で、15分にSO⑩サイモンのテクニックで5本目のトライ。

 マツダは22分に自陣22mライン内でインターセプトしたSO⑩ボーディン(NZ)が誰もいない相手陣内を走り約役80mを走り切って初トライ。

 その後は、どちらもやや大味な展開になっていったが、日野はロスタイムに入ってのラインアウト~モール~NO8⑲ノアトビオ(札幌山の手→東海大)が持っていって決めたトライなど3本を追加した。マツダも33分にWTB⑭中村(東海大福岡→京産大)が何とか一本返したものの及ばず、焼け石に水という状況だった。

 スコアが開いてしまったということもあったかもしれないが、後半はどちらも、スクラムのコラブシングやノットロールアウェイなどの反則も多く、ちょっと雑になったかなという印象も否めなかった。

後半途中から出場したマツダのFL⑳芦田(名南工→愛知工大)

 

 なお、JapanラグビーリーグONEは来季からは3チームが新規参入するということが発表されている。そのことで、現状6チームのDIVISION2は8チームになる。従ってDIVISION3の上位チームはそのまま自動昇格となりそうだ。それだけに、レギュラーシーズンの一つひとつはより一層大事になっていく。日野は、DIVISION2への復帰はかなり現実味を帯びてきた。

 なお、新規参入はセコム・ラガッツ(狭山市)、ヤクルト・レピンズ(戸田市)の埼玉県2チームとルリーロ福岡(うるま市)ということが発表されている。

中盤では、終始日野が主導権を握っている展開だった