初の国立競技場観戦となった、全国大学ラグビー決勝 | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 第60回全国大学ラグビー選手権大会は、関東対抗戦の1位校帝京大と2位校明治大の対戦となった。ボク自身は、11月に対抗戦でこの両校の試合を観ているので、今季2度目の対決を観るということになった。対抗戦では、帝京が後半に大きくリードを広げて43対11と圧倒している。また、2年前の大学選手権決勝と同一カードでもあるのだが、その時も帝京が27対14で勝っている。以降帝京は2連覇中で、今大会3連覇に挑むこととなった。

中盤での帝京大と明治大の競り合い

 明治は、今季が創部100年ということである。何とか日本一を奪い返して、記念の年を締めくくりたいところであろう。

 

帝京大 34(14―12/20―3)15 明治大

 

 どういうことかわからないけれども、15時19分キックオフという、あまりにも変則的な時間から始まった試合。

 帝京が3分に左展開でLW⑪高本君(4年・東福岡)のトライで先制する。さらに、帝京が攻め続けたが、明治もDFが頑張って、その後の10分間はあと一本を取らせない。そうこうするうちに、22分が過ぎたところで雷が鳴りだした。雹が降ってきたりということで、落雷の危険性もあるということで、なんと1時間近い中断ということになってしまった。

 野球ならば、しばしばあることかもしれないけれども、ラグビーでの天候による試合中断というのは、ボクとしても長い観戦歴の中でも初めてのことだった。

こんな状況は、大変でした

 再開してからも、26分に帝京が15m附近のFW戦からHO②江良君(4年・大阪桐蔭)が押さえて2本目。明治も、34分、38分と反撃してCTB⑫廣瀬君(4年・東福岡)やLW⑪海老澤君(1年・報徳学園)が相次いでトライ。カウンターアタック的な攻撃が功を奏していた。

 これで、2点差で前半を終了したということで、後半へ向けて大いに興味が繋がった。

 ところが、帝京はしたたかで、後半は開始早々2本のPGを⑮山口君(4年・長崎北陽台)が決めてリードを広げていく。雹が雪になっていくという悪コンディションの中、57分に帝京はSO⑩井上君(4年・京都工学院)のゴロパントから前進して、CTB⑫大町君(1年・長崎北陽台)が拾ってそのままトライ。これが、かなり決定的となった。

 後半は、明治はついぞトライも奪えなかった。

こんなに、雹が降る状況での試合となってしまった

 ところで、この両校の対戦に対する興味もさることながら、ボク自身としては今回は初めてとなる新しい国立競技場での観戦にも興味があった。だから、今年は決勝カードがどうなろうとも、足を運ぼうかなという思いはあった。

 ただ、気持ちとしては、ベスト4段階で関西勢で京都産業大と天理大が残っていたのだ、そのどちらかでも残っていてくれたら、もっと全国大会らしい雰囲気になれるのかなぁという思いもあった。もっとも、現状では「関東勢>関西勢」という勢力構図は、どうしようもないところでもあろうか。

 結果としては、盤石の王者帝京が、3連覇を果たしたということになった。