高校駅伝、男子は佐久長聖が大会記録で6年ぶり3回目の優勝 | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 午前中の女子はトラックに入ってからの激しい首位争いで、残り100mを切ったところで神村学園が逆転した。そんな劇的なシーンの余韻を引きずりながら、12時30分に男子のレースがスタートした。下馬評としては、昨年優勝の倉敷と佐久長聖の一騎打ちとなるのではないかというところだった。

12時30分、号砲が鳴って一斉にスタートを切った

 その両校を追うのが須磨学園、埼玉栄といったところだったが、須磨学園の折田君が引っ張る形で競技場を後にした。駅伝は、スタート前の独特の緊張感を味わうのもなかなかいい。参加校の多い高校駅伝では、2ブロックに分けてのスタートとなり、タイムのいい上位20人が前列アウトからのスタートとなる。競技場内はまずは、それぞれがライバルたちの出方を窺いながらというところもあるのだろうと思う。

スタート1分前の緊張感もいい

 

1位 佐久長聖 2時間01分00秒

2位 倉敷 2時間02分49秒

3位 八千代松陰 2時間03分34秒

4位 須磨学園 2時間03分47秒 

5位 埼玉栄 2時間03分55秒

6位 大牟田 2時間03分57秒

7位 洛南 2時間04分23秒

8位 仙台育英 2時間04分33秒

9位 小林 2時間04分40秒

10位 九州学院 2時間04分51秒

 

好タイムで競技場へ戻ってきた佐久長聖

 勝負は、3区だった。2位で襷を貰った佐久長聖の山口君が粘りの走りで、倉敷や札幌山の手などの外国人留学生に負けない走りで区間3位で1位を確保。ここからは、佐久長聖がどう逃げていくのかということになったのだが、5区で佐々木哲君が約半世紀ぶりという区間記録を更新するという快走で、一気に優位に躍り出た。そこからは、逃げる佐久長聖を須磨学園、埼玉栄が追いかけるという形になったが、佐久長聖は余裕で逃げ切った。

 しかも、昨年、倉敷が樹立した2時間01分10秒という大会記録をさらに更新。2時間01分00秒という大会記録で6年ぶり3回目の優勝を果たした。終わってみたら、中盤以降は佐久長聖の完全な逃げ切りで結果的には2分近い差となってしまった。高見澤勝監督の思い描いていた通りの戦い方だったのではないだろうか。

 健闘が光ったのは八千代松陰だった。スタート1区は8位で2区では11位まで順位を落としたが、3区で7位に浮上。入賞圏内に入ると、5区では高橋君が区間3位の走りで順位を上げる。7区では平山君が区間賞の快走で3位をキープした。

 また、前半健闘していた札幌山の手は3区では4位にまで浮上したものの、キープしきれず最終的には11位となってしまった。

28位となった浜松日体のアンカー竹下諒君

 東海地区勢では浜松日体が28位、期待された豊川は1区で出遅れたのが効いて32位。かつて中京商時代には大会2連覇の実績もある岐阜中京は40位、第63、64回大会では3位、第67回大会では5位という実績もある伊賀白鳳は41位と振るわなかった。

豊川のアンカー鷲野遥都君、32位でゴールイン

、高校駅伝も、何となく上位校が固定してきたのかなという印象でもある。

 また、男子でも来年からは外国人留学生は最短の3キロの2区か5区に限るということが発表された。こうした改革で、レースそのものの戦い方が多少は変わってくるのだろうか。若いランナーの走力アップのための措置ということでもある。それはそれで、来年の大会がどうなっていくのか、楽しみに見届けたい。