第35回全国高校女子駅伝はトラックの劇的勝負で神村学園が逆転で優勝 | 週刊テヅカジン

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 12月末を彩る高校駅伝。12月24日のクリスマスイブに京都市西京極のたけびしスタジアム京都をスタート&ゴールとして開催された。午前に行われた女子のレースは大接戦となり、5区のスタジアムに入ってからのトラック勝負という形になって、見ごたえは十分だった。

激しいデッドヒートとなった5区の仙台育英と神村学園

 

1位 神村学園 1時間07分28秒

2位 仙台育英 1時間07分29秒

3位 立命館宇治  1時間08分16秒

4位 大阪薫英女学院 1時間08分52秒 

5位 長野東 1時間08分52秒

6位 須磨学園 1時間09分16秒

7位 筑紫女学園 1時間09分16秒

8位 青森山田 1時間09分17秒

9位 銀河学院 1時間09分20秒

10位 豊田大谷 1時間09分52秒

残り100mを切ったところで神村学園カロラインさんが仙台育英を抜き去る

 5区の襷を受け取った時、神村学園のカロラインさんは1分20秒を追いかけるという形だった。3位で襷を貰ったが、ほどなくして2位の立命館宇治を捉えて抜き去る。この段階から、見どころとしては神村学園が果たして前を行く仙台育英を捉えられるのかどうかということになった。逃げる仙台育英と追いかける神村学園。メイン会場のたけびしスタジアムのスクリーンにもその状況が映し出されるが、やがて「まもなく競技場に選手が入ってきます」の表示とともに切り替わる。

 そして、大きな歓声に包まれながら、仙台育英の橘山梨乃さんが入ってきて、ほどなくしてカロラインさんが入ってくる。トラック勝負となってあと400m。このトラックで最後のドラマが待っていた。逃げる橘山さん、追うカロラインさんの差がどんどん詰まってくる。それでも、仙台育英が何とか逃げ切れるかもしれないかなぁと思えるくらいの差だったのだが、第三コーナーを回った時点でギアが入ったカロラインさんが残り100mを切ったところで一気に抜き去って、そのままゴールした。まさに、劇的な逆転レースだったが、改めて外国人留学生のトップレベルの走力も実感させられた。

 結局タイム差は1秒だった。これだけ劇的なフィニッシュも珍しい。神村学園としては、計算通りの戦いだったのかもしれないけれども、まさに底力を見せつけたというところだ。

激しい入賞争いが展開された5区のラスト、トラックの第3コーナー

 昨年の優勝校長野東は5位。6位の須磨学園と7位の筑紫女学園は同タイムの着差。さらに、8位の青森山田も1秒差だった。それだけ、入賞争いも激しかったということである。

 また、大健闘だったのは、愛知県予選では豊川に敗れ2位だった豊田大谷が、東海地区大会枠で出場を果たして、本大会では10位に食い込んだことであろうか。3区で、森千莉さんが区間3位の走りで16位から5つ順位を上げて、引き継いだ嵯峨崎恋花さんも区間6位でさらに順位を上げたのが大きかった。初出場での都大路で、見事な走りだったといっていいであろう。

大健闘だった豊田大谷、5区の中馬蘭奈さん

 東海勢としては豊川は23位、浜松市立は30位。岐阜の美濃加茂は41位、鈴鹿は53位ともう一つ振るわなかった。

 東京都予選では圧勝した錦城学園は1時間10分20秒で13位に食い込んで健闘したといっていいであろう。

 なお、来年の大会からは外国人留学生は3キロ区間の3区と4区に限られるということになった。やはり、外国人留学生の配置で、大きく順位が変わることがあるということを改めて如実に示されたことになる。ただ、最短距離の3キロ区間に限られることになると、今大会のような大逆転は観られなくなってしまうことになるのかもしれない。

 

 なお、午後から行われた男子レースに関しては追ってレポートします。