シード4校への挑戦校を決定する、全国大学ラグビー選手権3回戦 | 週刊テヅカジン

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 いよいよ、ここからが本格的な大会に突入していくという形になって行くという印象の全国大学ラグビー選手権大会。3回戦のこの日は、シード4校(関東大学ラグビー対抗戦1位・帝京大、同2位・明治大。関東大学ラグビーリーグ戦1位・東海大。関西学生リーグ1位・京都産業大)への挑戦する学校を決める戦いといっていい、大事な3回戦である。

 

入場する筑波大(水色)と流通経済大(赤)

 秩父宮ラグビー場では2試合とも関東勢対決となり、リーグ戦2位の流通経済大と対抗戦4位の筑波大。対抗戦3位の早稲田大とリーグ戦3位の法政大という対戦。かつての交流戦のような様相となった。

 

筑波大 33(16―17/17―10)27 流通経済大

 今季から赤を基調としたジャージとなった流経大。ボクも生で見るのが3試合目となって、ようやくこの赤が流経大というイメージに違和感がなくなってきた。東海大との全勝対決となったリーグ戦最終戦では悔しい3点差負け。「正月に国立に立ちたい」という目標を掲げての全国選手権である。筑波大は昨大会ではリーグ戦1位の東海大を下してベスト4に進出している。もちろん、2大会連続のベスト4進出を目指したいところだ。

 激しい試合が期待されたが、7分に筑波が速いパスの左展開からFB15増山君(1年・東海大仰星)のトライで先制する。さらに18分にはPGで加点。流経大も20分、FL⑥篠澤君(4年・流経柏)のトライで返していく。

 37分にはスクラムからSH⑨武井君(4年・熊本工)~NO⑧ティシレリ君(トンガ)が押さえて逆転トライ。ゴールも決まり、リードを広げた。筑波大も前半終了寸前に楢本君(2年・東福岡)がPGを決めて1点差に追い上げる。 

ラインアウトでは筑波大が確実にボールをキープ

 後半早々の41分、筑波大は自陣からのカウンターアタックでFB⑮が走り抜けて左中間にトライ。筑波大が再逆転するが55分、流経大が激しい攻防から認定トライを得て再々逆転。これに対して筑波大もキックオフからのリターンで得た最初のチャンスにPGでもう一度逆転。展開としては結果的にはこれが効いたことになる。

 65分に筑波大は左10m付近のラインアウトからモールで押して、PR①大塚君(4年・茗溪学園)が左中間に抑え込む。これで33対24となる。残り3分で流経大はPGで追い上げ、1トライ&ゴールで逆転というところになったが、最後は筑波大が何とか凌ぎ切った。筑波大は準々決勝では明治大にぶつかるが、対抗戦のリベンジを目指す。

ベスト8進出を果たした筑波大

 

早稲田大 54(37―0/17―12)12 法政大

 先の、対抗戦最終試合の明治大との伝統の一戦では大敗を喫してしまった早大。そこから、ことにDFをどう立て直してきたのだろうかというところが注目された。

 対する法大は混戦のリーグ戦で4勝3敗で大東文化大と並んだが、直接対決で勝っていたということで3位に滑り込んでの進出となった。力としては、やや早大が上回っているかなというところである。

 試合は早大がに7分にラインアウトからモールという形で攻め入って、FWがキープしてHO②佐藤健次君(4年・桐蔭学園)が押さえて先制トライ。さらに11分にPGを⑩久富君(4年・石見智翠館)が決めて追加点。23分にも、自陣から右展開のパス攻撃でRW⑭矢崎君(1年・桐蔭学園)が70mを走り切ってトライ。矢崎君は27分にも相手ボールから奪ってBK展開でトライを決めている。

 こうして早大は前半だけで5トライ3ゴール。PGも2本決めて、相手を0点に抑えて大きくリード。前半を無失点で抑えられたというのは、早大としては、しっかりとDFを修正してきたということであろう。

伝統の赤黒(早稲田大)ジャージと青橙(法政大)ジャージのスクラム

 前半には早大DFの強烈なコンタクトに対して攻撃しきれなかった法大。後半に入って、20分以上経過した64分に、やっとラインアウトからFWがキープして持ち込みHO⑯佐野君(3年・目黒学院)が押さえて、ノートライは逃れた。78分にも自陣からLW⑪椎葉君(4年.日向)がゴロパントで前へ進めてそのまま抑えた。法大はなんとか2本のトライを奪えたのだが、反撃としては、あまりにも遅すぎた。

 後半も早大は3トライ1ゴールで12点を奪っている。早大は準々決勝では関西王者の京都産業大とぶつかる。

ラインアウトでの競り合い 

 

なお、タイムキーパー制に伴い、タイム表記は前半、後半表記ではなく、場内表記に合わせて通算方式とした