2校となった21世紀枠、来春のセンバツの地区推薦校が発表された | 週刊テヅカジン

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 来春の第96回センバツ高校野球大会の21世枠としての代表推薦校の9地区の推薦校が発表された。今季からは、従来の3校枠から1枠減となり、東西の地区関係なく、2校の選出ということが発表されている。

 今回発表された各地区の推薦校は以下の通り。 

【北海道】別海

【東北】仙台一(宮城)

【関東・東京】水戸一(茨城)

【北信越】富山北部(富山)

【東海】帝京大可児(岐阜)

【近畿】田辺(和歌山)

【中国】岡山城東(岡山)

【四国】大洲(愛媛)

【九州】鶴丸(鹿児島)

 

 この中で、地区大会に進出を果たしたのは、別海含めて5校。別海は釧路地区代表として北海道大会に出場し苫小牧中央、知内をいずれも1点差で下してベスト4入りしている。県大会を勝ち上がり進出した仙台一、富山北部、田辺、岡山城東はいずれも地区大会では初戦敗退だった。

 県大会の実績としては鶴丸が鹿児島商、鹿児島実などの実力校を下しての県ベスト4。しかし、九州大会進出はならなかった。田辺は市和歌山、智辯和歌山の常連校を相次いで下しての準優勝。決勝では近畿大会ベスト4の耐久に敗れた。水戸一も、常盤大高下すなどしてのベスト4入りだったが、準決勝では常総学院にコールド負けしたのは痛いかと思われる。

 富山北部は第93回大会では連合チームで21世紀枠推薦校となったが、今回は単独校でチームが組めて準決勝で髙岡第一を下すなどして準優勝。北信越大会では初戦敗退だったが東京都市大塩尻と延長タイブレークを戦っている。

 毎年のことではあるが、こうして21世紀枠推薦校が発表されると、その存在意義やその是や否も議論される。そうした世論なども踏まえての今大会からの1枠減ということなのかもしれない。ただ、現行の制度の中で、こういう選出枠がある以上は、それを目指す学校があってしかるべきだとも思う。そして、その推薦を受けやすいのが地域を代表するような存在となる公立進学校なのだが、今年は特に各県を代表するような、前身が旧制中学の学校が多かった。そんな中から、仙台一、水戸一、富山北部、田辺、鶴丸などが地区の推薦校となった。

 水戸一は学生野球の父とも言われる飛田穂洲の母校でもあり「一球入魂」のルーツとも言えようか。また、鶴丸はベースボールを「野球」と和訳した中馬庚が教壇に立っていた。前身の鹿児島一中時代に甲子園出場を果たしている。

 地区大会での戦い方も含めてという点でいえば、仙台一と田辺が有力か。歴史を踏まえての話題性も含めれば、水戸一と鶴丸ということになろうか。1月26日の発表が待ち遠しい。