先日、元祖御三家の一人でもある西郷輝彦が亡くなった。その追悼の意味も込めて、CDを聴いていたのだけれども、そうしたら引き続きやたら当時の青春歌謡を聴いてみたくなった。
青春歌謡とは、主に1960年代に流行した歌謡曲のジャンルと言ってもいいのだろうけれども、ボクとしては次のような規定をしている。
1) 歌詞には舞台として学校、もしくは故郷が盛り込まれている
2) 清らかな男女の関係が描き込まれている、もしくは将来へ向けての夢と希望を描いている
3) 前奏もしくは間奏に、コーラスが入っている
この三つの要素は、青春歌謡の定義として大きな意味を成していると思っているのだ。
その条件を前提として考えて、もっとも代表的な青春歌謡としては舟木一夫の「高校三年生」(丘灯至夫・作詞/遠藤実・作曲)と三田明の「美しい十代」(宮川哲夫・作詞/吉田正・作曲)と、西郷輝彦の「君だけを」(水島哲・作詞/北原じゅん・作曲)である。これを青春歌謡の王道だとみなしている。
そして、少しマニアックと言うか次の立ち位置で安達明の「女学生」(北村公一・作詞/越部信義・作曲)、梶光男の「青春の城下町」(西沢爽・作詞/遠藤実・作曲)、北原謙二の「若いふたり」(杉本夜詩美・作詞/遠藤実・作曲)をもう一つの青春歌謡のスタンダードと判定している。いずれも、歌詞は七五調や七七音を基調としてリズムがいい歌詞となっている。そういう部分も、実はボクなんかには、いくらか心地よく耳に残ってくるという気がしているのだ。
舟木一夫の場合は、青春歌謡の大御所と言ってもいい存在で、「修学旅行」(丘灯至夫・作詞/遠藤実・作曲)「学園広場」(関沢新一・作詞/遠藤実・作曲)、「あゝ青春の胸の血は」(西沢爽・作詞/遠藤実・作曲)が、「高校三年生」に続く、舟木一夫の青春歌謡三部作と言ってもいいであろうか。さらには、「涙の敗戦投手」(丘灯至夫・作詞/戸塚三博・作曲)も高校野球を舞台としているけれども、歌詞から光景も浮かんでくる叙事詩的青春歌謡と言ってもいいであろう。
いささかマイナーなところでは叶修二の「素敵なやつ」(水木かおる・作詞/継正信・作曲)というのがある。これも、青春映画のようなステキな学校での男女を描いている。なお、継正信とは遠藤実の別のペンネームらしい。
女性歌手の青春歌謡も、同じ定義でいいと思っている。三大青春歌謡歌手としては、ボクは、高石かつえ、高田美和、本間千代子を挙げたい。代表曲としては高石かつえは「リンゴの花咲く町」(西條八十・作詞/上原げんと・作曲)、高田美和は「十七才は一度だけ」(川井ちどり・作詞/遠藤実・作曲)もあるけれども、ボクとしては「サザンカの花咲く町」(石本美由起・作詞/市川昭介・作曲)のイントロの入りのコーラスが好きだ。そして、本間千代子に関しては「若草の丘」(北里有紀生・作詞/米山正夫・作曲)かな。「湖畔の乙女」(佐藤春夫・作詞/長谷川芳美・作曲)も格調高いけれども、作詞が大御所過ぎて、歌詞もちょっと難しいかなぁという印象だ。
また、デュエットの青春歌謡としては、高田美和と梶光夫の「わが愛を星に祈りて」(岩谷時子・作詞/土田啓四郎・作曲)、島倉千代子と守屋浩の「星空に両手を」(西沢爽・作詞/神津善行・作曲)、吉永小百合と三田明の「明日は咲こう花咲こう」(西沢爽・作詞/吉田正・作曲)というところかな。島倉千代子に関しては、歌詞のヒロインのあり方からすると、青春歌謡とするかどうかは微妙なところなんだけれども、「星空に両手を」に関しては、青春歌謡の規定に入るような気がしている。
いずれにしても、こうして青春歌謡全盛期の歌謡曲を語っているのも、何だか、ボクとしては無性に楽しい。そして、その当時は青春以前だったはずなのに、妙に懐かしいのだ。


