今年は、東京オリンピック開催に伴う日程変更などで、師走のこの時期まで大会がずれ込んでいる第92回都市対抗野球。12月3日の大会6日目2回戦第2試合では、まるで高校野球のような9回、4点差を大客点する試合があった。
投手の質が極めて高い社会人野球で、しかも、緊迫の都市対抗野球の東京ドームの本大会。こんな逆転劇は、そうお目に掛かれるものではない。それだけに衝撃的というか、ビックリさせられた。
4点差をひっくり返しての逆転サヨナラに喜びがはじけたJR東日本東北
大 阪 市:NTT西日本 011 110 200=6
仙台市:JR東日本東北 010 010 005X=7
8回までの展開では、NTT西日本は3回に中村(青森山田→亜細亜大)や7回の山田(大分東明→亜細亜大)ら下位打線のソロアーチなどで6対2とリードしていた。日本生命からの補強選手で5番に入っていた早野(自由ヶ丘→九州共立大)も二塁打2本など4打数3安打と活躍し、万全の戦いであるかのように見えた。
先発西川投手(高知→立命館大=日本新薬)が5回1失点。そこから、定番とも言える継投で繋いでいったのだが、中継ぎ陣がいくらか不安定かなという印象はあった。それでも、7回途中から、4人目の大江投手(塔南→花園大)が1回2/3を終え、9回からは5人目吉元(汎愛→大阪産業大)に託された。
仙台市:JR東日本東北の先発・竹本投手(八戸西→駒澤大)
ところが、ここからJR東日本東北打線が大爆発する。先頭の代打若林(三重海星→東京農大)が中前打すると連続四球で無死満塁。ここで、4番の代打大西(履正社)が中前打して1点を返す。大西は、今年入社の新人ということだが、この一打が、反撃の勢いを呼び込んでいくこととなった。続く代打望月(盛岡大附)も一二塁間を破り2点差。
さすがにここで、NTT西日本ベンチは、投手を6人目吉川(開星→大阪商大)にスイッチしたが、勢い止まらなかった。一死後四球で押し出しで1点差となり、さらに一死満塁。8番小山の三遊間を破る痛打でついに同点。これで一打サヨナラの場面となったが、9番金沢(秋田→専修大)は大きな左翼への飛球を放つ。これが文句なしの犠牲飛球となり、JR東日本東北の大逆転サヨナラ勝ちとなった。
それにしても、8回までの展開からは、まったく予想だに出来ないものとなった。
こういうことがあるのも野球なんだということを再認識させてくれる内容だった。これが一本勝負、トーナメント大会の目に見えない圧力なのかもしれないなぁとも思った。今大会は初戦で、前年優勝の狭山市Hondaを下したJR東日本東北は、まさに勢いに乗っているという感じでのベスト8進出となった。
格調ある三三七拍子を披露したNTT西日本応援リーダー
JR東日本東北は、今大会2年ぶり27回目の出場ということになるが、歴史を辿ると、1927年の第1回大会に仙台鉄道局として出場している老舗でもある。当時は、全国の鉄道局にチームがあったのだけれども、仙台鉄道局もその一つだった。東日本大震災の年の2011年以来のベスト4以上へ向けて、勢いづいているという感じだ。
一方、NTT西日本は電電近畿時代の1965年の第36回大会に優勝も果たしている。時代は当時、全国の電電公社から大会出場を果たしているチームが多く大会出場を果たしていた。都市対抗野球が電電対抗大会みたいな時代でもあった。それから、時代を経て、NTT関西になり、やがて東西のNTT統合で今日のNTT西日本となった。今年は第5代表として7年連続32回目の出場だった。


