極度の潔癖症で、やたら手洗いをしたり消毒をしたりという青年と、視線恐怖症の女子高校生。
その青年は、アプリなどを開発していくIT系の仕事をしていて、その能力は高いようだ。ただ、あまりにも潔癖症であり、他人との接触をほとんどしないという生活。だから、友達もいなければ、もちろん恋人もいないという生活だった。そして、とにかくやたらと手を洗うコロナ禍のような生活だ。マスクもいつもしている。一方の、女子高生は他人の視線、目が怖くて、登校拒否になっている。
この二人が、ある人物によって出逢うようにと指示される。そして、そんな二人は、最初は反発し合っていたのだけれども、やがて恋に落ち入ていく。それが映画🎥『恋する寄生虫』(柿本ケンサク・監督/山室有紀子・脚本)の大まかなストーリーだ。
主人公の男女がそんな設定だから、ボクは今回のコロナ禍によって生まれた企画なのかと思っていたら、そうではないようだ。原案の作品『恋する寄生虫』は、三秋縋という作家が2016(平成28)年に発表している。だから、コロナ前ということになるが、そんな時から、そういう発想を持っていたということになる。
ところで、それを演じるのが今年になってそれぞれ結婚を発表した『犬部!』や『私をくい止めて』などにも出ていた林逸都(相手は大島優子だったかな?)と、『糸』で菅田将暉と共演したことで結婚することになった小松菜奈である。
人が恋に落ちるのはその人間の脳の中に寄生する虫のせいだだという設定。その虫を双子虫というのだそうだが、その虫はくっついたらはなれないということである。ただ、その寄生虫によって、その人間の性癖に何らかの変化をもたらしていってしまうということだ。
それを手術で除くことによって、正常な男女になっていくということなのだが、そのあたりの話の理屈と流れが、ボクの中ではもう一つ分かり切れなかったというところはあった。
一応ラブストーリーということではあるのだけれども、何か違うかなぁという印象を抱きながらも見続けていた。そういう意味では、ボク自身はもう一つ作品に入り切れなかったところもあったのかもしれない。ボクの個人的な感情としては、こういう恋愛ストーリーには、ある程度入り込んでみるのが好きなんだけれどもね…。ただ、この作品に関しては、ボクの中でちょっと登場人物と距離感があった。だからむしろ、極めて客観的な感じで観ていたといってもいいであろうか。
それでも、最後の方になってきて、何となくモロモロの辻褄が見えてきたら、いくらかは納得もいった。まあ、ボクの思いとしては、そんな虫がいようといまいと、そして、男と女は、思いとしてはいつも求めあってこそ、そのお互いの存在価値感があるものだと思っているのだけれどもね。だから、文学というのは、恋愛をテーマとしたものが多いのだからね、とも思っている。
ところで、監督の柿本ケンサクは、CM演出やミュージックビデオの演出などがメインフィールドだということである。それだからかなぁ、ちょっとファンタジックな映像とか、クリスマスのシーンでの華やかな画的なものも多かったということには納得はした。

