毎年、初場所前にはベースボール・マガジン社から刊行される『大相撲力士名鑑』の最新号を購入して、初場所を見ながらこの年の力士を再度チェックしていくことにしている。ここでは、下位の力士が1年でどれくらいの地位に上がってきているのかを比較することも楽しい。
ことに今年の場合は、家にいて早い時間(13時)からBS-NHKで観られたということもあったので、名鑑は大いに活用させてもらった。コロナの影響もあって、宮城野部屋や荒汐部屋、九重部屋のように部屋ごとの休場というところもいくつかあり、出場力士も少なかった。だから、場所の開始時刻も遅くなっていた。13時頃で三段目の力士が映されるということもよくあった。そんな時に、気になった力士を名鑑でチェックするのもまたた興味深いことだった。
そうしていく中で、いろんな発見もあった。出身地が掲載されていて、高校相撲や学生相撲経験者は出身校も掲載されている。だから、東白龍が東洋大の白石だったのかとか…、その2年後輩が大波三兄弟の三男坊で現若隆景(今場所は休場)だったかなぁと確認したりもできる。
ついでに、東洋大が大波らを擁して学生選手権選手権で優勝した時に、メンバーだった村田(金沢市工)と一学年下の寺沢(金沢市工)も一緒に高砂部屋にいるのだということを確認したりする。そして、朝乃山(当時、石橋=富山商→近畿大)と朝玉勢(当時、玉木=近大附→近畿大)が一年上でいるんだということを確認したりして、そういうことをチェックしていた。
ページをぺらぺらとしていると、辞典と一緒でアナログだから、調べようとしたところ以外の情報も目に入ってくる。そこを熟読してしまうということで、違ったことも知ることができる。
この、力士名鑑は出身地や出身校だけではなく、最後に「寸評」の項目があって、そこでは、増田明美のマラソン(駅伝)ランナ-解説ではないけれども、どうでもいいようだけれども、面白い情報が書かれていて、それを読むのも楽しみの一つだ。
高砂部屋の朝阪神は「阪神ファンで、平成30年春に改名、同年秋にやっと勝ち越し」とある。高田川部屋の安芸乃山は、「バッティングセンターで150キロ打ちを目指す」だという、それこそ相撲とは関係のないどうでもいい情報。だけど、ちょっと楽しい(*^▽^*)。高砂部屋の上戸(かみと)という力士を見ると、「中京大ラグビー部からの転身」とあった。こういう力士を見つけると、何だか応援したくなる。
また、式秀部屋の力士は宇瑠寅(うるとら)や爆羅騎(ばらき)、冨蘭志壽(ふらんしす)なんていうユニークな四股名も多い。とはいえ、爆羅騎は伊藤爆羅騎が本名、冨蘭志壽もフィリピン出身で、須崎フランシスが日本名だから、そのままと言えばそのままだ。そういえば、加藤桜、佐藤桜、安藤桜、服部桜などというわかりやすい四股名も多い。ちなみに、式秀親方は元幕内の北桜である。さらに楽しい情報としては、加藤桜は國學院大出身で大学入学後に相撲に取り組み、東大相撲部と合同で稽古をしていたということである。応援しなくっちゃ…。
そんなことが、いっぱいわかって、大相撲力士年鑑はやっぱり楽しい。
今場所は、幕下で7戦全勝がおらず、9人の力士による優勝決定戦となり、力士名鑑が大活躍した。幕下のトーナメントは結局、モンゴル出身の魁が優勝。そして、十両では剣翔、幕内も今場所を大いに盛り上げた大栄翔と追手風部屋の二人が優勝。しかも、ともに埼玉栄出身だ。改めて、大相撲の埼玉栄はプロ野球の大阪桐蔭以上だなと感心させられた。


