☆テツコの部屋☆~映画評論館~ -176ページ目

ハッピーフライト

80点
『スウィングガールズ』の矢口史靖監督作品。空港を舞台にした物語。とあるホノルル行きの便をめぐったコメディ映画。
主人公はおらず、管制塔、パイロット、スチュワーデス、整備士などスタッフ全般が交互に登場する構成。新人もいればベテランもいて、その人間関係がメインに描かれている。
次々起こるトラブルは多少オーバーに感じられるもののストーリーはしっかりしており、ただのドタバタ作品にはなっていない。なるほど矢口監督らしい面白いストーリー。
しかし話が駆け足で、各エピソードも薄い表現でしかない。それぞれの人物をもっと深く描いてもよかった。
いい意味で物足りなさが残る作品。

監督:矢口史靖
出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、寺島しのぶ、吹石一恵、田畑智子
2008年  103分

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ヘアスプレー

41点
1987年に映画化され、2002年に舞台化もされた作品のリメイク。
60年代初頭、まだ人種差別が残るアメリカ・ボルティモアでの話、差別や偏見を歌とダンスで笑い飛ばす展開。
全編能天気な構成は確かに楽しいが、ミュージカルなのでストーリーは薄く、努力や苦労の過程が全く描かれていないため感情移入は難しい。
1000人以上の候補から選ばれたという主演のおデブちゃん女の子に特に魅力を感じる事はできなければ、正直途中で飽きる。曲は好き嫌いがあるからね。60年代のボルティモアを背景にした曲なんて、埼玉人の俺がわかるわけなかろう(笑)

監督:アダム・シャンクマン
出演:ニッキー・ブロンスキー、ジョン・トラボルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、ザック・エフロン
2007年 117分
原題:HAIRSPRAY

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マンマ・ミーア!

82点
有名ミュージカルの映画化。イギリスでは『タイタニック』を破る興収No.1記録を打ち立てた大ヒット作。
舞台は絶景のエーゲ海に浮かぶ孤島。結婚式を翌日に控えた母子家庭の物語。娘が母の日記を頼りに、会ったことのない父親と思われる3人の男性に招待状を送る展開。
全編、ABBAのヒット曲を網羅している。肝心なセリフはほとんど曲で、突然歌いだす演出に慣れてないと正直驚く(笑)
ABBAの曲はどれもが名曲ばかりで、ここまでクオリティの高い曲が並ぶ構成は凄いの一言。歌やダンスははっきり言ってお粗末だが、素人臭く歌い踊る姿は逆に楽しく身近に感じられ、思わず仲間に入りたくなる気分にさせられる。
ここ日本では層がかなり限定されてきそうな映画だが、ABBA世代でなくとも充分楽しめる作品。

監督:フィリダ・ロイド
出演:メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、ピアーズ・ブロスナン、コリン・ファース
2008年 108分
原題:MAMMA MIA!

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ヤッターマン

78点
『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』『クローズZERO』でお馴染み三池崇監督が手がけた人気アニメの実写化。
とは言っても、人物以外はほとんどフルCG。
内容は、歌や決めセリフなどアニメの要素をそのまま持ち込んだ部分が多い。ストーリーもはっきり言ってバカバカしいが、CG映像の完成度が非常に高いため見ごたえはたっぷり。
キャストも魅力的で、娯楽性の高い構成は大人が見ても充分楽しい。
ただやはり心に残るタイプの映画ではないので、続編が出るとなるとちょっとうんざり気分だが(笑)

監督:三池崇史
出演:櫻井翔、福田沙紀、深田恭子、岡本杏里、生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、阿部サダヲ
2009年 111分

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オーストラリア

28点
第2次世界大戦の直前、死んだ夫が残した広大な土地と1500頭の牛を相続するためオーストラリアに渡った未亡人の物語。
主演ニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマンはオーストラリア人。この2人を中心に壮大な自然を交えながら映画は進んでいく。
まぁしかし映画だからね。途中CGやセット映像も多く挿入されているため全編オーストラリアを堪能できるわけではない。
戦争や人種差別、あるいは先住民アボリジニなどを背景にして3時間近い長尺の大作だが、何と言ってもストーリーがつまらないのは致命的。大自然にどっぷりつかりたいなら日本の旅番組を見た方がはるかに面白い。

監督:バズ・ラーマン
出演:ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン
2008年 165分
原題・AUSTRALIA

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最後の初恋

58点
リチャード・ギアとダイアン・レインが6年ぶりに共演したラブ・ストーリー。海辺に立つ小さなホテルの管理を代理で任された女性が、たった1人の男性客と恋に落ちる物語。
ノースカロライナ州・アウターバックスでのロケ映像がまず美しい。リゾート地で過ごす二人の男女、楽しそうな雰囲気がダイレクトに伝わってくる。前半だけなら90点。
しかし二人の心情を描いた後半は理解し難い。お互い長年の結婚生活に失敗しているのに、数日一緒に過ごしただけの相手に「一生愛し続ける」なんて言ってる。こういう無責任な思想を直さないと、永久に幸せになんかなれないと思うんだが。
唐突なラストも含め、かなり強引な展開が残念。

監督:ジョージ・C・ウルフ
出演:リチャード・ギア、ダイアン・レイン、ジェイムズ・ブランコ
2008年 97分
原題:NIGHTS IN RODANTHE

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魔法遣いに大切なこと

38点
人気アニメの実写化。魔法遣いを目指す主人公少女が、都会に出て魔法学校に入る展開。
舞台は現代日本だが、魔法遣いが普通に存在している設定。しかし例えば『ハリー・ポッター』に比べると魔法自体は地味で、能力も漠然としている。
学校では魔法そのものより精神論を教えているため、派手なシーンもなくはっきり言って退屈。生徒も4人しかいないので話がふくらまない。
大感動のラストも疑問。人が死ねば感動するってもんでもないだろう。
もともと主演は宮崎あおいがやるはずだったが、処々の理由で出演できなかった。確かに主演の子、いまいち役不足だよね。

監督:中原俊
出演:山下リオ、岡田将生、永作博美
2008年 100分

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インクレディブル・ハルク

82点
2003年に映画化されたアメコミ映画『ハルク』の評判が悪かったため、新しく作り直されたのが本作。ストーリーもキャストも全く違う作品。
結論から言えば、作り直したのは大正解。単調な部分はあるがその分わかりやすく、アクション映画のおいしい所を詰め込んだクオリティの高い作品に仕上がっている。
相変わらず雰囲気は深刻で、この手の映画にしてはコミカルな描写がほとんどないのが難点。CGも今の時代にしてみたら、それほど完成度は高くない。そのためこれ以上ハルクの続編を作るのは厳しいだろうが、ラストシーンが案じるように今後はアイアンマンやX-メンなど他のアメコミとのシンクロが実現すれば面白くなりそうだ。

監督:ルイ・レテリエ
出演:エドワード・ノートン、リブ・タイラー、ティム・ロス、ウィリアム・ハート
2008年 112分
原題:THE INCREDIBLE HULK

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崖の上のポニョ

70点
国民的人気を誇る宮崎アニメの新作。
しかし映画は、環境破壊や高齢化問題、あるいは親子の愛などを5歳の子供目線で表現しているため、いい大人が見るとバカバカしい部分が多々ある。
今回のキャラ「ポニョ」はトトロのメイちゃんをさらにハイテンションにさせたような超絶キャラ(笑)舞台は現代の日本だが後半になるにつれありえない描写満載で、その飛躍したストーリーは凡人には考えつかない。その点では宮崎節炸裂といったところか。
そのため理解できない人が見ると失笑するだけのアホアホ映画、でもそこがやっぱりさすがの宮崎アニメなんだな。何度も見たくなる相変わらずのスルメ作品。

監督:宮崎駿
声の出演:山口智子、土井洋輝、所ジョージ、天海祐希、長嶋一茂
2008年 101分

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D-WARS ディー・ウォーズ

61点
どこからどう見てもハリウッド作品だが、実はこれ韓国映画名義。ま、細かい事はいいや(笑)
500年前の朝鮮でのドラゴン伝説が、なぜか現代のアメリカに蘇る展開。
映像は意外なほど凝っている。ドラゴンをはじめモンスター群が次々LAを飛来する描写はなかなかのもの。
ファンタジーを意識したストーリーは陳腐な部分もあるが、派手な作風も手伝って見ごたえはたっぷり。時間も90分なので飽きずに全編一気に見れる。
ただコンパクトにまとめすぎたせいもあって、どこか決め手に欠けるのも確か。お金かけてるわりに、あらゆる面でいまひとつ物足りない作品。

監督:シム・ヒョンレ
出演:ジェイソン・ベア、アマンダ・ブルックス
2007年 89分
原題:D-WARS

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