通り道で、共に野球をして過ごした、息子より一つ年上の野球少年、ヨシキ達を見かけた。
ヨシキ達は正装をしていて、今日は小学校の卒業式で、それを遠目に見た僕の息子は、
『あ!ヨシキや!今日でヨシキやら卒業やで!』
と言った。
それを聴いた僕は、公園に向かいながら、なぜか涙がこぼれそうになった。
一緒に過ごした練習漬けの日々は、とても楽しくて、一緒に泣いた事もあって、
息子にとって良い先輩で仲間で、
共に闘った誇れるチームメイトだ。
胸をはって言えるチームメイトだった。
いや、今もそうだ。永遠に仲間だ。
そして、
色々と、ありがとうな。
さて、最近、嵐山辺りがまた混んで来た。渡月橋も、つい先週くらいまではガラガラだったのに。
ちょっと気候が良くなったせいかなぁ。
ちょうど8年前の今頃、僕はアメーバブログが好きで、毎日のように更新していた。
写真も今よりよく載せていて、当時撮った子供のお尻の写真を、ついアメーバに載せてしまった。
僕は軽い気持ちだったけど、そのお尻はめちゃくちゃ綺麗だった。
息子が寝転んで手と足をあげたポーズで撮ったのだけれど、お尻の穴が丸見えだった。
3歳前の息子の尻は、宝石のように輝いていて、それはもはやお尻ではなかった。
それはもはやお尻ではなかった。
だから僕は自信を持って載せた。
すると、どうだろう。色んなコメントが来た。
『めっちゃ綺麗なお尻やなぁ!』
『花みたいなお尻の穴やなぁ!』
『なんと!』
『ちょっと、子供がかわいそうやん!』
『穴は隠せ!』
『写真は削除したほうがええよ!』
『穴は、あかんやろ!』
『穴は、よせ!』
などなど。
僕は写真をすぐさま消した。キョロキョロしながら消した。
ついでに部屋の電気も消した。
ノートの文字も、とりあえず消した。
けれど、丸一日載せた息子の尻は、数千人に晒された事になる。
息子よ、何があっても、もう恥ずかしくはない。
だってお前は、みんなに尻を見られているのだから。
だから息子、大きな器で生きろ。男は器だ、器量だ。
そして、いつか夢見る、プロ野球選手になって、大活躍をしてくれよ。
その為にパパは、どんな苦労も惜しまない。
嵐山あおや




