その日、嫁と車で日の出町あたりを走っていたら、場外馬券場があった。
普段、競馬をしない僕だが、露店も出ていて楽しそうなので、思わず車を止めた。
2レースほど買うと、二つとも当たり、数万勝てた。
その足で、みなとみらいへ行き、遊園地で嫁得意のバスケのゲームをしたら、
嫁が見事、最高点を叩き出し、両手いっぱいの大きなぬいぐるみを貰った。
みなとみらいを出て桜木町を通る時、宝くじ売り場に目が止まった。
その日の直感で、10枚だけ宝くじを買った。
京都で言うなら、近畿宝くじみたいな毎週ある宝くじだ。
数日後。
新聞を見ながら、宝くじの答え合わせをした。
僕が新聞の番号を読み上げ、嫁が宝くじを見ていた。
僕『最初が362、、、』
嫁『362ある!その下は?』
と、まだ6ケタ中の3ケタしか言ってないのに、嫁はブサイクな顔で僕を促した。
僕は新聞紙と嫁の顔を交互に見ながら、ブサイクやなぁ!と言いそうになったがやめた。
宝くじ当たったら良い化粧品でも買ってやろう、と思った。
僕は続けた。
僕『877!』
嫁『なーにー!?』
やっちまったなー!のお笑いコンビの言い方で、嫁は大声を出した!
僕『362877や!』
嫁『なーにー!?やっちまったなー!』
僕『そんなんええねん!どないしてん?』
嫁『あ、あ、当たってるー!』
僕『番号全部当たってるの?』
と言いながら、僕はブサイクな嫁から宝くじをむしり取った。
よく見ると、まさに当たっていた。
僕はヨッシャー!と言いながら、嫁の頭をしばいた。
喜びから、力を入れすぎたのか、ペチン!と良い音がした。
僕も嫁も思った。何百万当たっているのだろう?
新聞をよく見ると、組は違っていたが、当選は当選だ。
換金するには、みずほ銀行に行かなければならない。
後日、関内駅近くのみずほ銀行に行くと、銀行員が丁寧に迎えてくれた。
銀行員『おめでとうございます!別室へどうぞ!』
僕らは別室へ通され、お金を受け取った。
そのあと、横浜駅のそごうデパートに行き、当時、松嶋菜々子がCMしていた、
マックスファクターの化粧品を、嫁と買った。
どうか、こんな嫁ですが、松嶋菜々子みたいになりますようにと。
残念ながら、化粧品の効果はなかった。
嵐山あおや