『星の流れる季節』 | 優勝

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天然と言われますが、人生楽しく、ちょっとアホでいい♪

昔、週刊SPA!てコラムを連載していましたー☆

とぼけたブログですが、よろしくお願いします♪

僕が中学2年か3年の夏休みのことだ。僕らは度々、夜中に町内のプールに忍び込んだ。


そこは住民プールと呼ばれる所で、まだ出来て間もなく綺麗なプールだった。


友達のタケジとタニデとで、夜中12時くらいに網を乗り越えて入った。


プールサイドで真っ裸になり、冷たいプールで泳ぐ。まるで石油王のような快感だ。


ある夜、3人で泳いでいたら、懐中電灯の光が僕らを照らした。


『誰かいるのか!?』


一人の警備員が来たのだ。
でも警備員の声も恐る恐るといった感じだ。


カッパでもいるのか疑っているのかもしれない。カッパじゃなくても、そんな夜中にプールに誰かいたら怖いはずだ。


僕らも怖かった。そして、3人は声をひそめ、水に潜った。


警備員は戻って行った。その隙に僕らサッと服を着て、急いでプールから去った。


去る時、タニデが網から落ちた。タケジも僕も、あせっていた。


そして走った。


少し離れた自動販売機の前で、タニデが言った。


タニデ『パンツ忘れた!』

僕『パンツを忘れる?』

タケジ『どんだけあせってんねん!』

タニデ『どうしよ?』

僕『朝、プールサイドにパンツ置いたったら、おかしいやん!』

タケジ『取りに行こ!』


その日はパンツを取りに行き、帰って僕の家で寝た。
また別の日。


忍び込んで泳いでいたら、キレイな星が流れた。


3人はプールサイドに寝転んで、流れ星を数えた。何かを祈りながら。


流れ星は50や60を超えた。僕らは興奮した。きっと、なんとか流星群の日だったのかもしれない。


プールから180度見渡せるとして、160度を超える長さを流れた☆もあった。


今まで見た人生の流れ星の中で、それは抜群であった。


先日、田舎へ帰った時、そのプールはまだ同じ場所にあって、そのプールの横を通った時、


僕は35年前を思いだし、あの時と同じように、大きな空を見上げた。



嵐山あおや