L字型のカウンターには、僕を含めて合計四人の男が座っていた。
僕と60すぎの常連のおっさんが二人。そして、初めての50すぎの紳士が一人。
カウンターの中には、僕の城陽高校時代の同級生女将と、バイトの18歳の女の子が一人いた。
アホな僕とアホそうな常連さんは、いつものように他愛のない話をしていた。
二時間ほど飲んで、ちょっと酔って来た頃。
常連A『モナリザて誰の作品か知ってるか?』
ママ『あれ誰やったかいな?』
常連B『イ、イ、確かイついた思うねん!』
バイト女『石田三成?』
僕『なんでやねん!』
ママ『織田信長?』
アホは最初に答えた人の答えに、なぜかつなげて行く。
僕『なんで戦国?日本人ちゃうで!』
バイト女『ほな、モーツァルトちゃいます?』
ママ『バッハか?』
僕『アホ!あれは、モナか何かそんな名前の人ちゃうかったぁ?』
バイト女『山本モナちゃいます?』
僕『浮気?』
みんな結構酔っていた。
ママ『ドナルドか何か近いなぁ?』
バイト女『北京ダック?』
僕『ほんまのアホ?けどドナルド近いわ絶対!』
そこで、たまりかねたのか、初めての紳士が、
『レオナルド・ダ・ビンチです。』
常連『それ!』
バイト女『かしこー!』
ママ『ほんまや!思い出せへんもんやなー!』
愛すべきアホばかりである。
そして30分後、紳士は帰って行ったが、帰りがけに酔って来た紳士は、
『僕、アメリカに留学してたことありますねん♪』
と言っていた。
アホなバイトは、
『あぁ♪それで♪』
とワケの分からん納得をしていたが、
紳士が帰ったあと、僕らアホの集まりは、
僕『気持ち良くして帰らはったなぁ♪』
ママ『アメリカ留学の話もしてはったもんなー!』
常連A『けど、レオナルド・ダ・ビンチて、アメリカ関係ないやん!』
バイト女『じゃあ、北京?』
こんな会話の中、夜はふけて行くのでした。
嵐山あおや
京都ライオンズ