ようこそ映画の小部屋へ
今夜は『大統領の陰謀』
をお迎えしました
ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードが挑んだ大作!
現実がフィクションを超えた事件。
アメリカ史にその悪名を刻みつけた男。その名はニクソン。大統領であった彼を失脚させたウォーターゲート事件を暴いた2人の新聞記者。その取材活動を、克明に、センセーショナルに描き出した大作。真相究明の追跡調査をレポートした著書「大統領の陰謀」を原作に、ハリウッドを代表する2人の名優ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォードが熱演。まさに迫真の演技を披露。助演男優賞を含む1976年度アカデミー賞4部門を受賞。
『大統領の陰謀』(だいとうりょうのいんぼう、英語:All the President's Men)は、1976年制作のアメリカ合衆国の映画。ウォーターゲート事件を調査したワシントン・ポストの二人のジャーナリストの手記を元にしたドラマ。
第49回アカデミー賞では8つのノミネーションを受け、4部門で受賞した(後述)。
原題は「オール・ザ・キングスメン」をもじったもの。
ストーリー
1972年6月17日、首都ワシントンD.C.のウォーターゲートビルで働く警備員のフランク・ウィルズ(演:本人)が建物のドアに奇妙なテープが貼られていることに気付き、
ワシントンD.C.首都警察に通報。民主党全国委員会本部オフィスに侵入していた5人組の男は不法侵入の罪で逮捕された。
入社してまだ日が浅いワシントン・ポスト紙の社会部記者ボブ・ウッドワード(演:ロバート・レッドフォード)は、社会部長のハワード・ローゼンフェルド(演:ジャック・ウォーデン)から、民主党本部における不法侵入事件の法廷取材を命じられる。窃盗目的で押し入ったと思われていた容疑者たちの所持金が多額であった事と、所持品の中に無線機や35ミリカメラ等不可思議な物が含まれていたためである。予審が行われている裁判所に赴いたボブ・ウッドワードは、共和党系の弁護士が傍聴に来ていることに不自然さを覚える。
さらに容疑者のうちの1人、ジェームズ・W・マッコード・ジュニアが、CIAの警備官だったことを告白したとき、ウッドワードはこの事件が単なる物盗りの侵入事件ではないことを直感し、踏み込んだ取材を開始する。
一方、先輩記者カール・バーンスタイン(演:ダスティン・ホフマン)もこの不法侵入事件に興味を抱いていた。彼はウッドワードの書いた原稿を焦点が甘いと指摘し、推敲してみせる。ウッドワードは反発しつつもバーンスタインの手腕を認めざるをえなかった。2人の熱意を感じたローゼンフェルドは、ベテランの政治部記者に任せるべきだと主張する編集局長のハワード・シモンズ(演:マーティン・バルサム)を説得し、2人を担当記者にする。
当初は政府機関の厚い壁に阻まれ五里霧中の状態であったが、ローゼンフェルド、サイモンズ、編集主幹のベン・ブラッドリー(演:ジェイソン・ロバーズ)等、社の幹部の叱咤を受けながら取材を進めていく内に、僅かながら現れ始めた情報提供者や以前からのウッドワードのニュースソースである謎の人物ディープ・スロート(演:ハル・ホルブルック)からの助言・示唆により、現大統領リチャード・M・ニクソン再選委員会の選挙資金の流れの不自然さに行き着く。それによって侵入事件の全貌が次第に明らかになってきた。
事実関係の調査を済ませた記者たちは事件を記事にする。情報提供者たちの証言の裏が取れない内は断固として掲載を認めなかったブラッドリーもついに掲載を許可。記事が掲載されると、主幹のブラッドリーとワシントン・ポスト紙はニクソン政権から名指しで非難と冷笑を浴びる。さらには情報提供者にも証言を翻され、2人の記者は窮地に立たされてしまう。世間・一般市民の事件へ反応も薄い。そんな中ブラッドリーは編集会議で、あくまでも2人の記者を後押しするよう、幹部たちに厳命する。
ウッドワードはディープ・スロートからCIA、FBIなど諜報・捜査機関がニクソン政権に牛耳られようとしており、2人の記者のみならずワシントン・ポストの幹部も監視下にあると警告を受ける。深夜、自宅に来て状況を伝える2人に対しブラッドリー主幹は、合衆国憲法修正第一条で保証されている“報道の自由”を、そして“この国の未来”を守る為あくまで戦う事を告げ、そして二度とヘマをするなとハッパをかける。
1973年1月20日、再選を果たし、就任式で宣誓するニクソン大統領のテレビ中継が流れる中、ウッドワードとバーンスタイン両記者の打つタイプライターの音がワシントン・ポストの編集局に響く。2人が火を付けたこの事件の報道が端緒となって世論を動かし、やがて大統領の側近や政府高官を含める事件関係者たちは次々と起訴され有罪となる。ニクソンは1974年8月9日に大統領を辞任。ジェラルド・フォードが第38代合衆国大統領に就任した。
ウォーターゲート事件(ウォーターゲートじけん、アメリカ英語: Watergate scandal)とは、1972年に起きたアメリカ合衆国の政治スキャンダル[1]。
1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた中央情報局(CIA)工作員による盗聴侵入事件に始まった、1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまでの盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅、事件報道、上院特別調査委員会、録音テープ、特別検察官解任、大統領弾劾発議、大統領辞任のすべての経過を総称して「ウォーターゲート事件」という[注釈 1]。
概要
事件の発端は、1972年の大統領選挙戦のさなかに、何者かが当時のニクソン共和党政権にとって野党である民主党の本部のあったウォーターゲート・ビル(ワシントンD.C.)に盗聴器を仕掛けようとして侵入したが、警備員に発見され警察に逮捕されたことであった。
やがて犯人グループがニクソン大統領再選委員会(Committee to Re-elect the President, CREEPまたはCRP)の関係者であることが判明し、当初ニクソン大統領とホワイトハウスのスタッフは「侵入事件は政権には無関係」の立場をとったが、次第にワシントン・ポストなどの取材記事によりこの盗聴事件に政権内部が深く関与していることが暴露された。
さらに事件発覚時にホワイトハウスが捜査妨害ともみ消しに直接関わり、しかも大統領執務室でなされた会話全般のテープ録音が存在することを上院調査特別委員会が明らかにした。この録音テープの議会提出の拒絶や、事件調査のために設けられた特別検察官を政権が解任するなど(それに抗議して司法長官と司法副長官は辞任した)明白な司法妨害がなされた。
このようなニクソン政権の不正な動きに対して世論は猛反発し、やがて憲法の規定に基づく議会の大統領弾劾の勢いに抗しきれなくなり、アメリカ合衆国で史上初めて大統領が辞任するに至り、2年2ヶ月にも及んだ政治の混乱は終息した。
▼ウォーターゲートビル
再選を目指していたニクソン大統領(共和党)が、
野党の民主党の事務所に盗聴器をつけて情報を盗ろうとしたことが発覚。
CIAなど諜報機関など関係者も大統領陣営とグル。
記事がもみ消されそうになりながらもその火を消さず、報道の自由とアメリカの未来のため、事実の真相解明に努めた新聞記者たち。
やがて世間もニクソン大統領の不正な動きに猛反発。議会の大統領弾劾の勢いに抗しきれなくなり、アメリカ史上初めて、大統領が辞任することとなった。
そして▼フォード(共和党)が第38代大統領に。
🔶🔶🔶🔶1973年にスピロ・アグニューが副大統領を辞任した後、大統領の指名と上下両院の承認を得て副大統領に就任した。これは史上初のケースである。さらに翌1974年にはリチャード・ニクソンの大統領辞任を受けて、大統領に昇格した。現職として戦った1976年の大統領選挙には敗れているので、2022年現在、大統領選挙に勝利して選出されたことのない唯一のアメリカ大統領である。🔶🔶🔶🔶
ウォーターゲート事件から
明るみに出た疑惑は、
共和党のニクソン陣営が前回の選挙で、野党である民主党候補のエドマンド・マスキー▼のデマを流すなど潰し活動を秘密裏に行い、自滅に追い込んだ、その潰し活動の為の多額の資金が、再選委員会から出ていたのでは、というもの。
この資金の流れを調べていた映画の主人公のワシントン・ポストの記者たちは、取材活動を妨害され、命を狙われそうになる。
記者はクビを懸けて、通称ディープ・スロートから情報を得るなどする。
結果再選間もないニクソンは辞任に追い込まれた。
ウォーターゲート事件で争点となったのは司法妨害。司法妨害は大統領権限の濫用と見なされるので、もしニクソンがそのまま辞任せずに議会の判断を待っていれば確実に罷免されただろう、ということだ。
カールが、クビをかけてディープ・スロート(通称)から得た情報を、盗聴されないよう音楽を大音量にして、タイプライターを打って伝えるこのシーンに感動した。
それを読んで打ち返す、ボブ・ウッドワード。この映画ではタイプライターの連打音がリズムを作る。
その地道な足音が、ストーリー、記事を作ってゆく。
ロバート・レッドフォードが演じた、ボブ・ウッドワード。
ダスティン・ホフマンが演じた、カール・バーンスタイン。
カール・バーンスタインとボブ・ウッドワード。
同じ位置の、劇中の二人。
同僚の女性社員が、再選委員の妻子ある男と付き合っていた。
大事な情報源なのだが、ゴシップになるのを恐れ、この女性は黙っていた。しかし、ある日カールに打ち明ける。
カールが取材の電話をかけると、男はしらばっくれる。電話を切った男は、
すぐ女に電話。二人は内線でつないで、会話を聞く。「俺には妻もこどもも犬も猫もいるんだ、ゴシップは困るよ」と口止め。この犬も猫もというセリフがウケた。
当時の取材方法が、足で稼ぐという感じで地道で汗。基本は電話取材と資料調べと面会取材。そしてタイプライターを打つ、打つ、打つ。
資料調べ、
面会取材、
メモ
会議
▼新入りのボブの記事を勝手に推敲して見せるカール。ボブは反発するが、読むと記事が良くなっている。この件で二人の信頼関係が始まった。そして編集主幹から、二人はコンビを組むよう命じられる。
記事には料理同様、ある程度の材料(情報)が必要。そして料理の仕方でうまい記事、まずい記事が出来上がる。
この推敲のやり取りのシーンは大変興味深かった。
探偵物語。確かに。二人の記者は、危険を冒し、事実を暴く。
CIAも大統領とグルだと分かり、編集主幹を始めとする職場の同僚以外、味方がいなかった。この二人が書いた本『大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日』が原作故、エピソードは事実なのだろう。映画の原題は『ALL THE PRESIDENT'S MEN』、みんなニクソンのグル、というニュアンスだろうか。
画面にダスティン・ホフマンがいると、ワクワクする。
これから何かが始まる予感。『レインマン』
『トッツィー』
しかも手抜きの無い、圧縮された何か。『卒業』
『マラソンマン』
『クレイマー、クレイマー』
ダスティン・ホフマンは、職人役者。
そば打ち職人役者。
この映画を観ていて、大学生のときに放送局の報道部でアルバイトをしていたことを思い出した。
時代は昭和から平成、
ベルリンの壁崩壊、消費税導入、湾岸戦争、という頃。
TBSのニュース23を欠かさず見て、朝日ジャーナルとアエラを欠かさず買っていました。その頃は筑紫哲也さんが社会の先生でした。
筑紫さんはヘビースモーカーで、CM中に吸ったタバコが消せないまま番組が始まり、デスクの下から紫煙がまっすぐ上がっていたのが、時間芸術で、映画チックだった🚬(▼秋葉原取材中でしょう)
当時、筑紫さんと立花隆さんが、ザ・ジャーナリストの風神雷神という感じだった。お二人がいればこの国は大丈夫、と感じられた。
筑紫さんの講演会に行ったことがある。確か青山スパイラルホール。
立花さんは、アルバイトをしていた放送局で、一度至近距離で拝見したことがある。
立花さんは、もう一人の出演者(確か大江健三郎さん)と番組の打ち合わせをしていて。
ボードに二人で、メモを書いた付箋を貼っては剥がして話し合っていた。
つまり編集作業。
立花さんの蔵書を置くための猫ビル。細く切ったショートケーキのような、外観。
猫ビルを見るたび、
横尾忠則さんのY字路を想起する。
この世とあの世の分かれ道。
自画像でしょうか。