■社長の独り言…第278回「名著復刻『日本のTQC』」(2024年6月17日) | ㈱日科技連出版社 社長、戸羽 節文 のブログ

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今回は特別に、2024年6月号の「日科技連出版社ニュース」の一部を先行してご紹介いたします。

 

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 日科技連出版社ニュース 2024年6月号 Vol.52   発行日:2024年6月27日

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1979年、アメリカの社会学者、エズラ・ヴォーゲルが『ジャパン・アズ・ナンバーワン―アメリカへの教訓―(Japan as Number One: Lessons for America)』と題した書籍を著しました。

 

日本的経営を再評価し、アメリカが何を見習い、何を見習うべきでないかを論じた本書は、日本でも1カ月遅れで翻訳版が出版され、70万部を超えるベストセラーになりました。

 

今でも、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、1980年代までの日本のものづくりの絶頂期を象徴する言葉として知られています。

 

日本人の多くが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の言葉に酔いしれ、日本が総中流社会であると信じて疑わなかったバブル前夜の1988年6月に出版されたのが、『日本のTQC-その再吟味と新展開-』です。 

 

著者は木暮正夫。1939年に東京工業大学を卒業し、日立精機、海軍技術士官などを経て、1948年に東京工業大学助教授、1961年に同大学教授となり、一貫して品質管理の教育・研究・普及に従事した人物です。1952年にはデミング賞(本賞)を受賞し、日本品質管理学会会長でもありました。

 

『日本のTQC』の執筆時、日本は圧倒的な貿易黒字国でした。アメリカではそれに対する猛烈な日本叩きがあったほどです。『日本のTQC』のまえがきに、木暮はこう記しています。

 

「……その背景には日本のTQCの大きな寄与があったということができよう。しかしながら、それはいわば過去の歴史の一こまであり、現在は続いてはいるが、未来を保証するものではない。そのアキレス腱は本書で詳述するように守りには強いが攻めには弱いという点である。」

 

まさに、日本の未来を危惧する一文ですが、その後のバブル経済、バブル崩壊後の失われた30年、次々に明らかになる製造業の品質不正を見ると、未来を予見しているようにも見えます。

 

この『日本のTQC-その再吟味と新展開-』が「名著復刻」として、新刊書として発売されます。

 

日本の品質管理の黎明期から40年にもわたってTQCに取り組んできた木暮正夫は、当時、どのようにその歩みを振り返り、何を未来への課題と考えていたのでしょうか。

 

当時とは正反対ともいえる状況に日本がおかれている今、改めてこの本を読む意味があるかもしれません。

 

 

 

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 (了)