中央アジア(4) - ソンクル湖~コチュコル | Art of the World - カメラを持って、旅に出よう

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10年以上定期的に世界を旅しています。それらの旅の記録を写真と共に残しています。2024年3月現在渡航国と地域は65。

3年3か月ぶりの再開です…3週間の中央アジアの旅。

 

2019年9月。

イギリスMBAを終了後2年半務めた大手メーカーを退職し、

WHILLという1人乗り用の電動モビリティを開発するベンチャーに参画することにした私は、

有休消化期間を利用し、それまでの人生の整理をするべく、考え事のための中央アジアの一人旅に出たのでした。

 

旅のスタートはキルギスから。

 

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前回の続きです。

中央アジア(3) - ソンクル湖

 
 
2泊したソンクル湖を後にし、ビシュケクに戻る日がきました。
ビシュケクからは、隣国のカザフスタンに入り、カザフスタンから鉄道でウズベキスタンに向かう予定です。
 
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朝の散歩と高台の上に登ると、人の姿が見えます。
アジア系。黒髪の女性です。
ヨガをしていました。
 
「Hi」
 
そう声をかけると、英語で答えてくれました。
英語を話すようです。
 
話を聞くと、キルギスの外務省に勤める官僚さんだそうです。
所謂バリキャリでした。
外務省。道理で英語が上手な訳です。
心の洗濯をするために週末ソンクルでゆっくりしているそうだとか。
都心が慌ただしく、時にデジタルデトックスが必要となるのは、キルギスも同じのようです。
 
はっとする美人です。
 
色々な話をしました。
中央アジアの方と話し込む機会もそうそうないので、色々興味深いものでした。
しかし、楽しく話している中、ある一言で我に返りました。
 
「なぜ安倍晋三は北方領土にこだわるのか。あそこはロシアのものだ」
 
 
 
北方領土について、日本国政府の立場は、以下の通りです。

日本の基本的立場

(1)北方領土は、ロシアによる不法占拠が続いていますが、日本固有の領土であり、この点については例えば米国政府も一貫して日本の立場を支持しています

(攻略)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/hoppo.html

 

 

 

自分は今、旧ソ連圏の人と話している。

そして、旧ソ連圏の人が見ている世界は、私たち西側の多くの人が理解している世界とは違う。

私たちが生きている歴史とは、違った歴史を生きている。

そう感じさせられました。

 

このまま政治的に繊細な話に立ち入っていいことはない。

そう思い、適当にはぐらかせて、電話番号だけ交換してソンクル湖を離れることにしました。

 

「良い週末を」

「良い旅を」

 

二度と会うことがないのはわかってるけど、

なんかSNSとか交換してしまいます。

昔の旅人も、こうやってそれぞれの国の住所や電話番号を交換したんだとか。

 

「あなたとの時間が楽しかった。話せて良かった」

 

こういう挨拶の意味が込められているのかなって思います。

 

 

 

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宿のおばちゃん。

パワフルな人でした。

 

 

 

ドライバーのおっちゃん。

優しい人でした。

 

 

 

こんな道を戻ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舗装路からはこんな道。

 

 

 

 

 

あっという間だったソンクルの2泊滞在。

おっちゃんの優しい運転に揺られながら、ソンクルへの起点の街・コチュコルに戻ったのでした。

 

 

 

続きます。