映画三昧 #1357 冬冬の夏休み(84)⭐️⭐️☆ | juntana325 趣味三昧

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台湾の名匠ホウ・シャオシェンが、祖父の住む田舎でひと夏を過ごす幼い兄妹の姿を通し、自然の美しさや子どもたちの友情をみずみずしく描いた名作ドラマ。

台北の小学校を卒業したトントンは、母が入院したため、幼い妹と2人で夏休みを田舎の祖父の家で過ごすことに。近所の子どもたちともすぐに仲良くなり、トントンは田畑を駆け回って楽しいひと夏を過ごす。一方、妹のティンティンはなかなか仲間に加えてもらうことができず、兄たちにいたずらをしたりして過ごしていたが、やがて台北から父親が迎えにきて……。

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兄妹の父親役で、「恐怖分子」「ヤンヤン 夏の想い出」などで知られる映画監督のエドワード・ヤンが出演している。1990年に日本初公開され、2016年デジタルリマスター版が公開。

格段事件もなく、淡々と始まり、終わる作品は、結構好きなのだ。例えば、カウリスマキなどの作品も、これに近いかもしれない。

冬冬の夏の絵日記を見ているように、特に内容がない。だから、一つの作品にするのが、難しいとも言える。シークエンスの中身にしても、それをモンタージュするにしても、技術的云々はなく、すべて鋭い感性が要求される。そこが、この作品の名作たる所以だろう。

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台湾なのに、なぜか昭和レトロの趣きが、心地よい。自分が、冬冬の年頃に過ごした夏休みを思い出す。この作品の、いつの時代にも受け入れられそうな、不滅な情緒は、この絶妙なレトロ感にある。そういえば、自分の子供の頃の夏休みも、大した出来事はなかった。しかし、その小ちゃな思い出が、今でも記憶の中に残る。子供の感性とは不思議なものだ。

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