マーベルコミック原作「キャプテン・アメリカ」シリーズの第3作。マーベルヒーローが集結した「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」後の物語となり、キャプテン・アメリカとアイアンマンという「アベンジャーズ」を代表する2人のヒーローの対立を描く。人類の平和を守るアベンジャーズは戦いは全世界へと広がるが、その人的・物的被害大きさから、アベンジャーズは国際的な政府組織の管理下に置かれ、無許可での活動を禁じられる。一般市民を危機にさらしてしまったことへの自責の念から、アイアンマンはその指示に従うが、「自らの行動は自らの責任で持つべき」という持論のキャプテン・アメリカは反発。2人の意見はすれ違い、一色触発の緊張感が高まっていく。キャプテン・アメリカ、アイアンマンらおなじみのアベンジャーズの面々に、アントマンやブラックパンサー、そしてスパイダーマンと新たなヒーローも続々参戦。
このアクション映画を観て、やにわに、サンデル教授の「これから正義の話をしよう」を思い出した。この作品で語られる「正義」は、まさに、その本に書かれた正義に似ている。この作品の本筋は、痛快アクションだが、前回の「エイジ・オブ・ウルトロン」の正義と平和に対するテーゼをさらに、掘り下げたような印象を受ける。100%の正義はないが、それを放棄する事も、また正義ではない。では、正義とは?哲学的な命題に、アクション映画とは思えないほど息がつまる。
さらには、そこに、「憎しみの連鎖」やら、「暴力で何も解決しない」といった、従来からのお題目が入ってくるから、ややこしくなる。つまり、勧善懲悪が成立しないから、スカッと心が晴れないのだ。
折角、1ヶ月パスポート期間中なのに、3D IMAXで観たので、+900円。それに見合ったVFXは、期待を裏切らなかった。臨場感なら、ありきたりだが、それを越えた躍動感と迫力があって、文句のつけようがない。ただ、臨時雇いのマーベルメンバーなども現れ、盛り上がりどころか、かえって散漫な印象も受ける。ゴジラとガメラならいいが、それにウルトラマンやら、仮面ライダーやら、マジンガーZが加わったら、収拾がつかなくなる。一方で、こんなにマーベルヒーローが、次々出てくるのは、何かとてつもなく大きい事件が起こる下地だろうか。集まってくる超人たちが、使徒のように見えてくる。