映画三昧 #1356 マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(15)⭐️⭐️* | juntana325 趣味三昧

juntana325 趣味三昧

自分の興味のあることを、自分本位に勝手に解釈するブログです。

{111D8E7C-D385-4984-A73E-B1A00E35EDA0}

「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」など、アメリカ国内のさまざまな問題を独自の観点で切り込んできたマイケル・ムーアによる「世界侵略」をテーマにしたドキュメンタリー作品。度重なる侵略戦争が良い結果にならなかったというアメリカ国防総省幹部からの切実な悩みを持ちかけられたムーア。そこでムーアは、自身が国防省に代わり、「侵略者」となって、世界各国から「あるモノ」を略奪するために出撃することを提案。ムーアは空母ロナルド・レーガンに搭乗し、ヨーロッパを目指すが……。

{563A8D60-F3B8-459D-A60F-BA6B5021A37E}

またまたムーアは過激な旅に出る。ヨーロッパの先進国を侵略して、その国の長所を頂こうというわけだ。鼻息荒く、勇んでヨーロッパを訪れるが、思った通り?腰砕けになってしまう。イタリアの労働環境や、ノルウェーの教育制度、アイスランドの司法制度などなど、ムーアが、そのエッセンスを盗もうとしていたのは、すべてアメリカ発のものだった。アメリカは、第二次大戦後、資本主義と民主主義のトップランナーで、他の先進国の教科書だった。ところが、その驕りせいで、今や、先進国の中でも、最も遅れた国と認めざるを得ない。そして、そのアメリカに憧れて、追随する日本は、何なんだろう?自主性のない日本という国が、観ていて、恥ずかしくなってくる。ムーアの切り口は、シヤープだった。

{C29833AA-B855-4052-8E44-524D5058C198}

そして、もう一つ目立つのは、女性の台頭だ。ヨーロッパ各国で、様々な難関を切り抜けてこれたのは、まさしく女性の力だった。ある女性アナリストがリーマン・ブラザーズが、リーマン・シスターズだったら、あんな金融破綻は起きなかったという。確かに、男性と女性は視点が違う。男女が対等な社会こそが、これからの未来をよくしていくのだろう。

{A9519DAA-2FBE-4841-8480-D86E2F1B05BA}

この作品は、欧米の対比によって低い偏差値のアメリカ社会を映し出すが、実は、そこにひそむ、アメリカ男性社会の限界をあぶり出す。ならば、ワンランク上の男性社会、日本は、どうなるんだろう。分かっているが、考えさせられる一本だった。

{7AD1A5F2-2104-41CF-87A3-02A92C5BB982}