たった1人の反乱 | 木下順介オフィシャルブログ「東京火の玉キッス」by Ameba

たった1人の反乱

映画『マスカケ線』 に手相に詳しい板さん役で出演してくれた、


宮川浩明さん


がNHKの「たった1人の反乱」という番組のドラマ部分に出演されていました。


ミートホープの肉偽装事件の内部告発をした方の話なのですが、主役が黒沢年男さん。宮川さんはその仲間の役でした。


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・左が宮川さん、右が黒沢さんです。注)チンパンジーの兄弟ではありません。


宮川さんはいつもどおりの安定した演技をしていて、画面に安心感を与えていました。目をつぶると石坂浩二さんがしゃべってるのか、というような声の質なので、芝居で場面をどんどん引っ張る力を持っています。こういう役者さんって演出をしていて本当に頼もしいんです。


みんなが頑張ってる姿を見るのは嬉しいですね。もっともっとスターになって映画『マスカケ線』を有名にしていただきたいな、と他力本願な事を考えながらテレビを見ている私です。


そんなわけですが、テレビの中で偽装を告発したご本人のインタビュー部分で、


「私はヒーローとかではない。追い込まれてやったんだ。今同じ状況でも、同じ事は決してしない。失ったものはたくさんあったが、得るものは無かった。」


と、少し間を持って考えてからしみじみ言った言葉のリアリテイに胸がグーンと熱くなりました。


1人の人間をここまで追い込んだのも、保健所や国が早急な対応をしなかったからです。肉を偽装した社長ばかりに批判が集まり、やむにやまれず告発した本人や家族も渦中で苦しみ、会社が無くなる事で職を失うたくさんの人が出て、


「むなしさだけが残りました」


というご本人の心境になりました。


もっともっと早く最初の段階でご本人の勇気ある申し出に役所が対応していたらと思うと、なんともやりきれない気分です。


私は自分の作品の中で、こつこつと真面目に生きる人の叫び、を表現していきたいと再び強く思いました。


物凄いリアリテイを感じさせてくれた、ご本人のインタビュー。


なんとも言えないやるせなさに身体が震えました。


頑張りますよ~!


皆さんも頑張って下さいね!