時の糸 52 | 嵐のS君妄想小説(BL)

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嵐の大野君が大好き。
そして、翔くんと智君の絡みが大好き。
BL大好きっ子の私が
嵐をネタにチョコチョコ書いてます。








『ほら見て。

ここからだとあそこだけが

ポワーンと明るいでしょ。』


多部ちゃんが指差したところは

神社の脇にある銀杏の木。

隣の水銀灯が周りを照らし

ちょっと遠いけど見える。



多部ちゃんの自転車で

二人乗りして帰る道すがら

多部ちゃんが教えてくれた。


『私………

話し声が聞こえなかったら

気にもしなかったと思うんだ。

でも、風にのって笑い声が聞こえてきて

そっちを見たら

櫻井くんたちがいたの。

………偶然なんだからね。』


『うん。

わかってる。』


俺たちが一週間ぶりに会って話すのは

楽しい時間だったから

自然と笑い声が大きくなってたんだろうな……


ってことは、

他にも知ってる人がいるかも知れない。


俺たちの秘密は秘密になってなかったってことか………




まさかこの時、

潤にまで知られてるなんて

思いもしなかった。




神社の前で

『止めて。

私、ここから一人で帰るから』

と、多部ちゃんに言われた。

『え。

いいよ。』

と、そのまま自転車を漕いでる俺に

『いいから。

櫻井くんは、大野くんのところに行った方がいいよ。

待ってると思う。』

と、強い口調で言われてしまった。

『…う、

うん。

……でも、いなかったじゃん。』

さっき見たときに

銀杏の木の下に、智の姿は見えなかった。


もしかして……………

って思ったけど…………




『でも、本当は確かめたいんでしょ。

来たのか来なかったのか?

だから…………

行って。』

俺は急かされるままに自転車を降ろされた。




『じゃあ……………櫻井くん。

お疲れさまでした。

また明日。』

そう言うと、多部ちゃんは颯爽と走っていった。

『うん。

お疲れさまでした。

また明日。』



彼女に手を振りながら

多部ちゃんは本当にいい子だなって思う。

彼女を好きになれてたら

こんな思いしなくてもよかったのに…………

なんで…………

俺は智なんだろう…………



今でも思い出すのは…………

智の…………笑った顔……………声…………唇…………

なんで俺は智じゃなきゃ

ダメなんだろう…………







『智は………

智はここに来たのかな…………』


銀杏の木の前に来てみたけど

来た形跡がない。



「…………やっぱり…………

智は………………

俺に彼女が出来たから

俺がもう来ないと思って

来てないんだ。」




『なあ…………

俺たちって………………

許されないのかな…………』

俺は、俺たちを見守り続けてきた

銀杏の木を見上げて

誰に問う訳でもなく呟いた。