「翔くんが好きだ。」って
思い知らされる。
こんなに胸が苦しいなんて……………
知らなかった。
こんなに苦しいなら
こんな感情知らなきゃよかった。
翌朝、俺はいつもと違う行動をとる。
潤くんを迎えに行かず
朝早く一人で学校に向かった。
潤くんと顔を合わせたくなかったから
でも…………
「なんでこの時間に学校に着いたんだろう。」
と、ちょっと後悔をした。
だって、
俺の目の前に、翔くんがいて
彼女と二人で歩いているんだ。
それも、楽しそうに笑ってる翔くん。
いつも俺に向けると同じ優しい瞳で
彼女を見てた。
その姿に俺の心は一瞬にして凍りつく。
俺より……………
彼女を選んだんだ…………
そう仕向けたのは………………俺…………
昨日……………待っていたのに………
一週間に一度の貴重な、
俺たちの秘密の時間だったなの…………
「彼女が出来たら来るわけないだろ。」
って、言った通り
結局………来てくれなかった。
その翔くんが、かわいい女の子と喋って笑ってる。
俺は、翔くんを待ってたのに………
待っていたのに………
やって来たのは、翔くんじゃなく潤くんだった。
そんなこととは露知らず
翔くんは笑ってるんだ。
間違いだって…………
俺の事…………
やっぱり間違いだって…………
気付いたんだ。
俺は、翔くんたちに気づかれないように
反対側を通って校舎に入っていった。
『なんで迎えに来なかったの?
俺、遅刻するとこだったじゃん。』
と、潤くんがプリプリしながら
俺の元にやって来た。
昨日、自分がやったことも
言ったことも悪びれることなく
俺が迎えに来なかったと言ってやって来る。
俺の心は許容範囲を越えている。
どうにでもなれって境地。
『…………………はあ~………』
と、思いっきりデカイ溜め息を吐いて
潤くんを睨み付けると
『なに?
なんの溜め息?』
と、平気な顔して俺の前の席に座る。
『……………もうさ、
どんなに脅しても無駄だからね。』
そうさ、
潤くんが父ちゃんの会社に
圧力かけるってんならやればいい。
やれるもんならやってみな。
父ちゃんは「仕事は仕事。子供は子供」って
言って、関係ないって言ってくれたからね。
もう、潤くんのどんな命令も効かなくていいんだから………
『脅し?
なに?
脅しって?
意味がわかんない。』
『惚けるのが上手いよな。
俺は、潤くんと東京には行かないし
潤くんの命令も効かない。
もう、潤くんとは友達もやめるから。』
そう言うと俺は席を立った。
そんな俺の腕を取って
『なに言ってるの?
昨日言ったよね。
俺の命令は…………』
潤くんの言葉を遮って
『父ちゃんの会社のことは
俺達に関係ないって…………
父ちゃんの会社の事で
俺が脅される必要ないんだよ。
潤くんにはそんな力ないんだよ。
潤くんがかわいそうだって思って
俺、頑張ったけど
もう無理。』
と、潤くんの手を振り払う。
丁度その時、先生が入ってきて
俺たちは自分の席に着いた。