翔くんが、おいらの作った焼そばを
「美味しい、美味しい」っていいながら
食べてたかと思ったら
突然、泣き出して驚いちゃった。
「なんで?
おいら変なものいれた?
コショウが効きすぎた?」
おいらが、オロオロしてると
「美味しくて
感動して泣けてきた。」
って、
嘘ばっかり。
帰ってきてからの翔くんはいつもと違うよ。
なんかね。
なんか……
…………目が、違うの………
何て言うんだろう………
目がね。
優しいの…………
いつも優しい目をしてるんだけど………
今日はそこに熱が籠ってるような…………
そんな目……
だから…………
「泊まってけ」なんて言われたら
ドキッってしちゃった。
「かーちゃんが心配するから……」って
言ったけど………
本当は、ちょっと怖かったの
翔くんを見てたら「もしかして…………」って思えて。
「智さんに悪いから……」って
話し合ったわけじゃないけど
俺たちの中の決まりごとにしてたのに………
翔くんの目が…………
俺を欲しがってるように見える。
そう考えていると
不意に翔くんが俺にキスをしてきた。
それも、焼そばソースの味がするキス。
………………あれ?
どこでだっけ?
いつだっけ?
誰とだっけ?
おいらはこのキスを…………
知っている。
深く埋もれた記憶の中に意識を集中させていくと
『歯に、青のりがついてる。』
って、翔くんが言うから
恥ずかしくなって洗面所に逃げた。