※心療内科がよくわからないもので
憶測で書いております。
ごめんなさい。
.:*:・'°☆
『まあ。飲んで飲んで。』
俺はグラスを手渡し、取りあえずビールを注いで
『初日、お疲れさま。』
と、グラスを合わせグビッと喉を潤す。
『今日一日でなにか感想はある?』
妻の作った料理を口に運びながら聞いてみた。
『………いえ。
………なにも………』
と、櫻井君は答える。
『え?
何もないの?』
俺が驚いて聞くと
「なんで?」と言う顔をして俺を見て
『……………はい?』
と言う。
『………………』
『……………?』
『………普通………
「酷すぎる」と怒ったり
「可哀想に」と哀れんだり
言い様のない感情に苦しむんだけどな。』
『普通………って………
まるで俺が普通じゃないみたいですね。』
そう言ってグラスのビールを飲みほした。
『う~ん。
何て言うんだろう……
君は………冷めてる。
そんな感じがする。』
そう言いながら、グラスにビールを注いでやる。
『……………冷めてる?
ですか?』
『うん。
確かに、患者の話に
感情移入し過ぎないほうがいいのは確かなんだ。
じゃないと自分の精神が蝕まれるからね。
でも、同情心は忘れてほしくない。』
『……同情心……ですか……。』
『………難しいね。
患者の今の気持ちを考慮して………
されたことや、あった事柄にばかり焦点をあてないってこと。
…………時間って偉大だよ。
時が徐々に癒してくれる。
俺達は、それまでのお手伝いをするだけだ。』
『そうですね。
確かに時間は偉大ですね。』
彼は、下を向いた。
『君も同じ経験をしたと言ってたね。』
『…………そうですね。』
下を向いた彼の表情が読み取れない。
次の瞬間
『先生は、今までで印象に残ってる患者っていますか?』
と、顔を上げて鋭い顔を向けた。
『………印象に残ってる………患者?』
彼は………
大野くんの事を聞きたいのだろう。